社内コミュニケーションツールとは?導入メリットやおすすめツールを紹介
最終更新日:2025年03月26日

本記事では、社内コミュニケーションツールで具体的に何ができるのか、導入するメリットを解説します。用途ごとに分けておすすめのツールも紹介しているので、ツールの導入を検討する際の参考にしてください。
- 社内コミュニケーションツールとは?
- 社内コミュニケーションツールが必要になった背景
- 社内コミュニケーションツールの主な機能
- 社内コミュニケーションツールを導入するメリット
- 円滑なコミュニケーションが可能になる
- 業務の効率化につながる
- コスト削減につながる
- 情報伝達が確実に実施できる
- チャットにおすすめの社内コミュニケーションツール
- Chatwork
- Microsoft Teams
- Slack
- Web会議におすすめの社内コミュニケーションツール
- Zoomミーティング
- Google Meet
- letaria
- ファイル共有におすすめの社内コミュニケーションツール
- Dropbox
- Microsoft OneDrive
- GoogleDrive
- タスク管理におすすめの社内コミュニケーションツール
- Asana
- Trello
- まとめ
社内コミュニケーションツールとは?
社内コミュニケーションツールとは、企業内において社員同士のコミュニケーションや情報共有を円滑化するツールのことです。通常、チャットやWeb会議、ファイル共有といった、業務情報の伝達に役立つ複数の機能を備えています。
社内で連絡を取り合う手段には、メールやチャットなど複数の種類がありますが、これらが不統一だと情報の共有にあたって行き違いや連絡漏れが生じがちです。そこで、使用するツールを統一することにより、スムーズかつ確実な情報共有が可能になります。
社内コミュニケーションツールが必要になった背景
これまでの社内コミュニケーションは、直接会話する以外に電話やメール、FAXなどの機器を使用しておこなうのが主流でした。しかし近年では、ビジネスチャットや通話、Web会議などの機能を備えたコミュニケーションツールが普及し、盛んに利用されています。この変化の背景には、働き方改革の促進やコロナ禍といった社会的な要因が存在します。
従業員の労働時間の見直し、多様な働き方への対応、そして感染拡大防止のための非接触が求められた企業では、テレワークなどを推進しました。それによって、社員同士で対面コミュニケーションを取る機会が減り、情報共有や意思疎通の不足が業務効率や生産性の低下をもたらしました。そこで、こうした問題を解消するために、コミュニケーションツールが必要とされたという経緯があります。
社内コミュニケーションツールの主な機能
社内コミュニケーションツールにはさまざまな種類と機能があります。ツールの主な機能は、以下のとおりです。
- チャット機能:リアルタイムでメッセージのやり取りができる
- 通知・伝達受領機能:自社や取引先から一斉通知・伝達などを受け取れる
- ファイル共有機能:業務上必要な情報の入ったファイルをツール上で共有し、共同編集できる
- 動画共有機能:ダウンロードをせずにツール上で動画を再生できる
- タスク依頼・管理機能:タスクの作成から進捗状況確認、管理までおこなえる
- Web会議・通話機能:オンラインで会議や通話ができる
ツールによってそれぞれ機能は異なるため、自社の職場環境、業務プロセスなどから、適した機能が備わっているかどうかを考慮して選ぶことが大切です。
社内コミュニケーションツールを導入するメリット
社内コミュニケーションツールの導入には、主に以下のメリットがあります。
- コミュニケーションの円滑化
- 業務の効率化
- コスト削減
- 情報伝達の確実化
円滑なコミュニケーションが可能になる
ツールを活用すると、複数拠点間、テレワーク中、外出中などでも連絡が取りやすくなります。たとえば、スマートフォンで使用できるツールでは、出張や外出時にもメッセージの確認や連絡が容易です。連絡の取りやすさはコミュニケーション機会の増加をもたらし、やり取りのスピードアップや円滑化につながります。
また、やり取り自体を手軽にする機能もツールには搭載されています。たとえば、スタンプや絵文字機能がチャットに備わっていれば、受け取ったメッセージに対して気軽にスタンプなどを返せます。いちいち文字の入力をしなくてよくなるため、コミュニケーションの負担軽減が可能です。
業務の効率化につながる
コミュニケーションツールは、情報の共有・伝達をしやすくすることで、業務の効率化を実現します。
従来のビジネス上のコミュニケーションでは、形式が重視され、時間がかかりやすいという難点がありました。たとえばメールで連絡をする場合、誤字や脱字、ビジネスマナーなどに注意してメッセージを作成しなければならず、やり取りに手間や時間がかかります。
一方、ツールを使用すると、メッセージの形式にとらわれずチャットなどでのやり取りが可能です。手軽に用件だけを伝えられ、効率的に業務が進みます。また、社内コミュニケーションツールを統一すればメッセージの管理も簡単です。必要なメッセージを検索できて、探す手間や時間の削減につながります。
コスト削減につながる
社内コミュニケーションツールを活用する場合、オンラインで会議を開催できるメリットがあります。チャット機能を利用した打ち合わせや、オンライン会議機能を利用しての会議ができ、対面で実施する会議の回数を減らすことが可能です。
対面での会議では、会議資料の作成や印刷費、会議室の利用料、会議参加者の交通費といった多くのコストが発生します。ところがオンライン会議だと、会議資料をデジタル化して印刷コストの削減が可能なうえ、参加者の交通費などの費用もかかりません。集まって会議するための移動時間も不要になるなど、タイムコストの削減も見込めます。
情報伝達が確実に実施できる
社内コミュニケーションツールは、情報伝達の確実性を高める機能がいろいろと備わっています。
これまでは、ビジネス上の連絡手段として、電話やメール、対面などの方法を採ることが一般的でした。電話や対面では、連絡を受けた側が内容を記録しなければならず、忘れたり取り違えたりするリスクがあります。また、メールで受けた連絡だと、受信ボックスを確認しなければならないなどの手間がかかります。
他方、ツールを活用すると、プロジェクトやテーマ単位でグループチャットなどを作成してやり取りでき、その内容も集約されて残るため、情報をメモしたり探したりする手間がかかりません。ツール上ではプロジェクトや業務に関連するファイルの共有もできることから、メンバーに必要なファイルへアクセスしてもらう形での情報伝達も容易です。そうすれば、過去のデータや連絡事項など、さまざまな情報をまとめて相手へ正確に伝えられます。
チャットにおすすめの社内コミュニケーションツール
業務でチャットを多用する場合におすすめの、チャット機能が充実しているツールを紹介します。
- Chatwork
- Microsoft Teams
- Slack
Chatwork
Chatworkは、多くの日本企業で活用されているチャットツールです。無料で利用できる「フリープラン」があるため、費用をかけず手軽に導入できます。グループチャットをはじめ、DM、タスク管理など、ビジネスで役立つ機能がそろっており、活用によるコミュニケーションの活性化と業務効率化が期待できます。
システムの使用に慣れていない人でもスムーズに操作できる、シンプルな操作性も特徴のひとつです。迅速なやり取りでコミュニケーションに要する時間を短縮できるため、コア業務に費やす時間の確保にもつながります。また、ISO27001(ISMS)やISO27017といった、セキュリティに関する国際規格も取得しており、高い安全性を誇ります。
これらに加えて、「お役立ち資料」「お役立ちセミナー」「お役立ちコラム」「よくある質問」などのサポートコンテンツを提供しているため、導入後にツールの使い方がわからなくなっても使用方法の確認が可能です。
参照:Chatwork
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Microsoft社提供のコミュニケーションツールです。Microsoftアカウントを作成している場合に、パソコンやスマートフォンでTeamsの使用が可能です。グループチャット、会議、通話、共同作業など、チーム内でのコミュニケーションを円滑におこなえるさまざまな機能を搭載しています。
また、同じMicrosoft社のOffice製品と連携がしやすい点も大きな特徴です。Word、Excel、PowerPointなどをTeams上で開いて共同編集ができる機能があり、ビデオ通話をしながらチームで効率的に作業が進められます。Microsoft 365の各ツールと連携しやすいことから、特にWindowsパソコンを使用する企業に適しているコミュニケーションツールです。
参照:Microsoft Teams|Microsoft
Slack
Slackは、世界中の企業で利用されている人気の高いビジネスチャットツールです。チャット機能だけでなく、ビデオ通話、ファイル共有・管理、タスク管理など、ビジネスに役立つ機能を幅広く搭載しています。プロジェクト、情報、データを一元管理できることから、チームメンバーはSlack上で必要な情報の共有が可能になります。
Slack Marketplaceで提供している2,600種類を超えるアプリを使用して、Slackを自社の業務プロセスに合うシステムにカスタマイズする使い方も可能です。Googleアプリともスムーズに連携できる特長から、Google Workspaceを利用している企業の導入にも適しています。無料、プロ、ビジネスプラスなどの月額料金プランがあるものの、まずは無料プランからでも充分に活用可能です。
参照:Slack
Web会議におすすめの社内コミュニケーションツール
以下は、場所を問わずに会議する際に便利な、Web会議機能が充実したツールです。
- Zoomミーティング
- Google Meet
- letaria
Zoomミーティング
Zoomミーティングは、オンラインの会議室上で会議ができるWeb会議システムです。Zoomでは、映像と音声データを圧縮して通信する独自の技術によって、音声の途切れがない安定したWeb会議の進行が可能です。
基本的には、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのさまざまなデバイスに専用アプリをインストールして使用します(ブラウザからの会議参加も可能)。無料版でも会議を開催でき、参加者と円滑なコミュニケーションを図れるうえ、画面共有機能や会議の録画機能なども無料で使用可能です。
ただし無料版の場合は、Web会議の利用可能時間が1度につき40分までになります。長時間の会議を開催する場合には、10分間のインターバルを経て再度入室するか、有料版の契約が必要です。
参照:zoom|株式会社ブイキューブ
Google Meet
Google Meetは、Googleにより提供されるWeb会議ツールです。Googleアカウントがあれば、アプリなどをインストールする必要もなくパソコンのブラウザ上で会議の開催が可能です。会議への参加は、パソコンのブラウザや、スマートフォン・タブレットにインストールしたアプリなどからおこないます。
最大1080pの高画質な動画、ノイズキャンセリング、リアルタイムの自動字幕起こしなど細かい処理が自動でおこなわれるため、質の高いコミュニケーションが実現されます。また、GoogleカレンダーやGmailなどGoogleの他ツールとの連携も可能です。さらには、各ツールを利用して会議の管理や参加者の招待など関連する業務をおこなえるほか、直感的なUIによる操作性の高さも大きなメリットです。
無料プランでは参加者100人かつ60分までの会議の開催、最安のプランでも100人かつ24時間までの会議の開催が可能で、さまざまな会議の開催に役立ちます。
参照:GoogleMeet|GoogleWorkspace
letaria
letariaは、NTTコムウェア株式会社が提供するツールです。インストールをせずにブラウザベースで使用できるWeb会議ツールで、多拠点・多店舗展開の企業の利用にも適しています。予約が不要、ログインして会議室に入るだけで参加ができる常設会議室機能や、参加者が自分のペースで資料ページをめくれる資料共有機能など、日本企業の会議に合わせた便利な機能が特長です。
回線の混雑時には、「Mintent(R)」という体感品質・データ通信量を最適化する技術によりデータ量をコントロールするため、会議中の声や映像の途切れを防止し、スムーズなやり取りができます。また、会議回数やユーザー数を基準として、用途に合わせたプランを選べるので、適切なプランを選択すればコスト削減も実現可能です。
参照:letaria|NTTコムウェア
ファイル共有におすすめの社内コミュニケーションツール
ファイル共有ができるおすすめのツール(ストレージサービス)としては、以下が挙げられます。
- Dropbox
- Microsoft OneDrive
- GoogleDrive
これらのツールは必要な機能を網羅していることに加え、セキュリティ対策もしっかりしています。また、直観的なインターフェースで操作しやすいのもポイントです。
Dropbox
Dropboxは、世界中のユーザーが利用しているオンラインストレージサービスです。無料プランでも2GBまでファイルを保存でき、リンクを発行するとチームメンバーとのファイルやフォルダの共有、共同作業が可能になります。ストレージ容量は、Businessプランなどの有料プランの利用で増加させることが可能です。
パソコン以外に、スマートフォンやタブレットからアプリを使ってサービスを利用することで、外出先でも必要な資料やデータを確認できます。また、保存していたファイルは削除後も30日間(プランによっては180日もしくは365日)保存されるため、誤って削除してしまっても復元できるという安心感があります。Microsoft 365やSlackなどの他ツールとも連携でき、業務の効率化が可能です。
参照:Dropbox
Microsoft OneDrive
Microsoft OneDriveは、Microsoft社が提供するクラウドストレージサービスです。個人利用の場合、無料でも容量5GBまでのストレージを利用できますが、法人向けプランは有料のみとなっており、1TBの容量まで保存が可能です。
ストレージサービスは、パソコン、スマートフォン、タブレットのどのデバイスからでもアクセス、使用できるサービスです。ドライブ上で共同作業や共同編集ができ、変更箇所はリアルタイムで反映されます。使用したファイルは自動バックアップ機能で常に保存され、間違えて削除・編集したファイルも30日以内なら復元できるため、高い安全性も期待できます。
参照:Microsoft 365|Microsoft
GoogleDrive
GoogleDriveは、Googleが提供するサービスです。Googleアカウントを所有していると誰でも利用できるクラウドストレージサービスで、オンライン上のドライブにデバイス内のファイルやフォルダを保存でき、ファイルの共有、共同編集にも使えます。アプリをダウンロードすると、スマートフォンやタブレットからでもドライブへのアクセスや利用は可能です。
ドライブ上には、デバイスからドラッグするだけでWordやExcel、PowerPointなどのファイルが保存されます。保存したファイルはGoogleドキュメントやスプレッドシートなどの互換性のあるツールで編集でき、アクセス許可のあるユーザーとの共同作業もできるため、効率的に作業を進められます。無料プランでも15GBまで保存可能です。
参照:GoogleDrive|GoogleWorkspace
タスク管理におすすめの社内コミュニケーションツール
業務効率化に役立つタスク管理が可能な、おすすめのツールには以下のものがあります。
- Asana
- Trello
Asana
Asana社が提供するAsanaは、さまざまな機能を搭載するタスク管理ツールです。すべての作業をツール上にまとめて管理できるため、日々の業務の進捗状況など最新情報の把握に役立ちます。複数のプロジェクトから全体的な進捗状況までチェックできるポートフォリオ機能や、日々のタスクを自動化できる組み込みオートメーション機能といった独自の機能もあり、作業の効率化が期待できます。
Gmail、Microsoft 365、Slackなど200以上のツールとの連携も可能です。ツールの連携によるコミュニケーションの促進は、チームワークの向上にも役立ちます。
参照:asana
Trello
Trelloは、オーストラリアのAtlassianが開発・提供するツールです。プロジェクトやタスクを、「ボード」「リスト」「カード」にそれぞれ分けて管理します。
「ボード」は、プロジェクトやタスクを整理してスケジュール管理に用いる機能で、プロジェクトごとに複数作成できます(無料プランは10件まで)。「リスト」は、「ToDo」「作業中」「完了」を切り替えることで、タスクの最新の進捗状況を管理可能です。「カード」は、メンバーの割り当て、コメントなど、業務遂行に必要な情報やタスクをまとめて管理する機能です。つまり、カードをリスト化し、ボードへ貼り付ける形でツールを使用します。
このほか、期限の確認やリマインダーの設定、タスクに必要なファイルの添付機能などもあります。
参照:Trello|ATLASSIAN
まとめ
社内コミュニケーションツールは、チャット機能、通知・伝達受領機能、ファイル共有機能、動画共有機能などの機能を持つツールです。簡単に連絡が取り合える機能は社員のコミュニケーション活性化や業務の効率化につながります。また、正確な情報をやり取りできる機能を活用すれば、スムーズな情報伝達が可能になり、生産性の向上も期待できます。ツールの導入により、こうしたさまざまなメリットが得られるので、ぜひご検討ください。