ワークフローを改善するには?業務効率化のポイント【総務・人事・経理担当者向け】

最終更新日:2025年03月26日

ワークフローを改善するには?業務効率化のポイント【総務・人事・経理担当者向け】
業務効率化のために必要なワークフローですが、多くの人が関わり複雑化すると、業務の停滞や生産性を低下させる要因になります。そのため、ワークフローの改善や見直しが欠かせません。
この記事では、ワークフロー改善を計画している総務・人事・経理部の担当者に向けて、ワークフローの改善すべき問題点を具体的に紹介します。さらに改善や見直しをおこなう際のポイントや、ワークフローの改善に役立つ「ワークフローシステム」について解説します。

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【目次】
  • 【総務・人事・経理】ワークフローの改善すべき問題点
  • ワークフローの改善・見直しをおこなう際に確認すべきポイント
  • ワークフロー改善には「ワークフローシステム」の活用による効率化がおすすめ
  • ワークフローシステムを導入するメリット
  • まとめ
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【総務・人事・経理】ワークフローの改善すべき問題点

ワークフローを改善するには、まず、どこに問題があるのかを洗い出さなければなりません。特に企業のワークフローでありがちな問題点として以下の4つが挙げられます。

1.書類の作成に時間がかかってしまう

働き方改革などでペーパーレス化が注目されていますが、いまだに申請や承認業務などを紙ベースでおこなっている企業は少なくありません。このようなワークフローを紙ベースでおこなっているケースでは、まず申請や承認に必要な書類を準備するだけで多くの時間を費やす可能性があります。

たとえば、申請書をはじめて作成する場合、必要な申請書を探し、書類を印刷して確認するなどの時間がかかります。万が一、印刷後に入力ミスを見つけたり、内容に不備があったりしたら、最初からやり直さなければならず、業務効率の低下を招きかねません。また、使用する書類のフォーマットが古い場合には、最新の書式に合わせた修正作業が必要となり、作業が増えます。さらに紙ベースのワークフローは、書類の作成や提出のためにわざわざ出社しなければならず、テレワーク推進の妨げになる可能性があります。

2.回覧に手間と時間がかかる

紙ベースの場合、書類を回覧する際にも手間と時間がかかります。申請書類は内容によって、担当部署や承認者が異なるケースが多いです。そのため、その都度正しい回覧ルートを設定する必要があり、それだけでも手間と時間がかかります。特に、部署が異なる拠点にまたがっている場合には、書類を移動させるのに時間がかかり、郵送や宅配便を利用すればコストも発生します。さらに承認者が多いケースでは、個々の承認者への回覧依頼や承認取得の手続きがおろそかになり、場合によっては承認の抜け漏れや承諾が遅延するおそれがあります。加えて回覧途中での紛失や破損のリスクも高まります。

3.承認者が不在だと待ち時間が長くなる

紙ベースの承認プロセスでは、承認者が不在の場合、申請書の処理が滞り、業務が停滞するといったケースも少なくありません。特に承認者が外出や出張、会議が多い部署や役職の場合、注意が必要です。また、申請内容によっては待ち時間が長くなることもあります。たとえば、重要な案件では経営層を含む多数の関係者の承認が必要なため、承認プロセスが複雑化しやすく、承認までに時間がかかります。

4.記入ミスによって差し戻しが発生する

紙ベースの申請や承認業務では、記入漏れや書き間違いといった単純なミスが原因で差し戻されることがあります。記入漏れであれば追記修正できることもありますが、記入ミスの場合、書類を書き直す必要があり、再び申請しなければなりません。

特に、出張費や交通費などの計算ミスが原因で差し戻された場合、計算のやり直しも必要となるため、より多くの手間と時間がかかります。また、上司の承認を得た後に差し戻された場合には、再度上司の承認を得る必要があるので、上司にも負担がかかります。このような作業は、申請者や関係者の負担を増やして業務の遅延を招くだけでなく、社内連携や生産性の悪化にもつながりかねません。

ワークフローの改善・見直しをおこなう際に確認すべきポイント

ワークフローの問題点を特定できたら、次に改善と見直しをおこないます。このとき、以下の4つのポイントを必ず確認しましょう。

1.重複する工程や不要な規定がないか

はじめに確認したいのが重複する承認ステップや情報入力がないかどうかです。重要な案件であれば繰り返しのチェックや情報入力は必須ですが、必要のない二重チェックや情報入力は、ムダな作業であり、業務効率を低下させる要因になります。

そこで、承認ステップや申請書類の内容を見直し、不要な工程や規定を削減し、明確なルールを定めましょう。ルールが明確化することで、シンプルかつスムーズなワークフローの構築につながります。

2.承認者の設定・人数に問題はないか

承認プロセスを円滑に進めるために、承認者の設定と人数に問題がないかを確認することも重要です。承認者が少なすぎると特定の承認者に業務が集中してしまい、多すぎると承認プロセスが複雑化して時間がかかり、業務の停滞につながります。そこで承認工程を必要最小限に絞り、各工程における承認者と人数の見直しをおこないましょう。このとき、特定の工程の承認者に負担がかかっていないかも確認します。

さらに、各承認者への権限委譲についても検討する必要があります。すべての承認を特定の役職者がおこなう必要はなく、業務内容や状況に応じて設定することで、業務の効率化が図れます。たとえば、代理承認者を決めておくことで、仮に承認者が出張中や有給休暇中でも承認がスムーズに進みます。そのためには、職務権限規程や決裁権限表を整備し、定期的な見直しをおこないましょう。

3.起こりやすいミスはどこにあるか

書類上のミスが多発する部分を特定することも大切です。申請書類に記入漏れや記入ミスが多い場合、その項目を特定し、対策を施すことで差し戻しが減って作業効率がアップします。具体的には、フォーマットの位置を変える、記入例を提示する、入力がないと警告メッセージを表示させる、などの対策が有効です。また、計算ミスが多い場合には自動計算ができるよう関数を取り入れたり、システムを活用したりするとよいでしょう。

4.情報共有の体制に問題はないか

情報共有体制の見直しも必要です。業務が複数の部署にまたがるケースは珍しくありませんが、情報共有体制が不十分だと必要な情報がすぐに見つからず、業務の遅延やビジネスチャンスの損失につながる可能性があります。。これを解消するには、たとえばファイル共有ツールやコミュニケーションツールを活用し、文書やタスクを一元的に管理するなど、情報共有の仕組みを整えることが重要です。必要な情報にスムーズにアクセスできる環境を構築することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。

ワークフロー改善には「ワークフローシステム」の活用による効率化がおすすめ

ワークフローシステムとは、組織内でおこなわれる申請や承認などの業務手続きを電子化して効率化を図るシステムのことです。各種申請書類の作成機能や承認フローの設定機能、「承認」や「差し戻し」などの決定機能、承認の進捗情報機能など、作業の流れをスムーズにする機能が備わっています。

そのため、ワークフローにおける課題を明確化したうえで、自社に合ったワークフローシステムを導入することで、業務プロセスのムダを排除し、円滑な業務が可能となります。また、システムによっては会計システムや人事システム、勤怠管理システムなど、ほかのシステムと連携させることが可能です。これにより、組織内のさまざまな業務プロセスの効率化も図れます。特に、いまだに申請や承認業務を紙ベースでおこなっている、申請業務が多い、テレワークを推進している企業の場合、ワークフローシステムを導入することで、大幅な業務効率化が期待できます。

ワークフローシステムを導入するメリット

では、実際ワークフローシステムを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットを4つ紹介します。

1.書類の申請から決裁業務まですばやくおこなえる

ワークフローシステムの導入によって、申請から承認、決裁業務に至るまでを電子化・自動化できるため、従来の手作業や紙ベースよりも業務のスピードがアップします。たとえば、承認ルートを事前に設定すれば、自動的に承認者・決裁者にデータがリレーされるので、迅速かつ正確な処理が可能です。また、進捗情報もシステム上で確認ができ、承認が遅れている場合には相手に通知で催促もできます。万が一、問題が発生しても迅速に対応できるので安心です。

さらに、大半のワークフローシステムはスマートフォンやタブレットに対応しているため、外出先や自宅などオフィス以外の場所からも申請や承認がおこなえます。その結果、申請から決裁までの時間を大幅に短縮でき、意思決定のスピード向上にもつながります。

2.ペーパーレス化でコストを削減できる

ワークフローシステムが導入されると紙の書類が必要なくなるので、用紙代や印刷費を節約できます。また、拠点をまたがるワークフローでも、システム上で申請や承認がおこなえるので、時間もかからず、郵送費も必要ありません。さらに大量の書類を保管するためのスペース分の賃料や書類を管理する人件費なども省けます。このようなペーパーレス化は、SDGsの目標達成にも貢献できることから、企業価値の向上にも寄与します。

3.人的ミスを防げる

ワークフローシステムには、あらかじめ各種申請書類のテンプレートが用意されていることが多く、必要項目を入力するだけで簡単に書類を作成できます。これにより、記入漏れや記入ミス、計算ミスといった人的ミスを防げるだけでなく、書類作成にかかる手間と時間も大幅に減らせ、書類のフォーマットも標準化できます。また、申請から決裁までをシステム上でおこなうので、申請書の紛失・破損といった人的ミスの心配もありません。

4.内部統制の強化にもつながる

内部統制とは、企業が業務を適正におこなうために必要なルールや仕組みのことです。ワークフローシステムを導入すると、シンプルかつ明確なルールやワークフローを構築でき、従業員は適切なプロセスを経て業務を遂行しやすくなるため、内部統制の強化につながります。

また、システムは誰がいつどのような操作したかを記録しているため、不正行為の早期発見やトラブル発生時の原因究明に役立ち、コンプライアンスの強化も図れます。

まとめ

ワークフローを紙ベースでおこなっている場合、書類の作成や回覧に手間と時間がかかる、人的ミスが発生しやすいといった問題点があります。このような問題点を解決し、業務の効率化を図るなら、ワークフローシステムの導入が最適です。ワークフローシステムを導入することで、業務プロセスを大幅に効率化でき、さらに人的ミスを防げてコストを削減でき、内部統制の強化にもつながります。


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