新型コロナウイルス感染症による助成金や補助金情報まとめ

2020年04月06日

新型コロナウイルス感染症による助成金や補助金情報まとめ
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡がっています。各種イベントの自粛や学校の休校、また人々が外出を控えることによる観光客や来店客の激減は、事業者の業績と暮らしを直撃しています。
この急激な変化に対して、国が決めた助成金や補助金の情報をまとめてみました。
2020年3月6日現在、発表されている援助策は大きく分けて次の3つです。

1.助成金(申請すればお金が支給される)
2.優遇措置(助成金や補助金をもらう時の対象や条件が拡がったり、緩やかになる)
3.資金繰り・貸付(お金を貸してもらいやすくなる)

では、それぞれどのような内容となっているのか?主なポイントをご説明します。

新型コロナウイルスに関する助成金について

その1:雇用調整助成金の特例措置

雇用調整助成金」というのは以前からあった制度ですが、今回、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した特例措置が設けられました。たとえば、来客が激減するお店や部材が入らないために操業できない工場などが一時的に休業を決めた場合は、その間の従業員や労働者に支払う賃金が一部助成されます。条件も通常版からかなり拡大されたり優遇されたりしています(特例措置1)

助成率は中小企業や小規模事業者であれば2/3、大企業であれば1/2です。支給限度日数は1年間で100日分。3年間で150日分です。

また次の4つの項目が特別に認められています(特例措置1の内容)
1) 休業の計画届は事後でもOK(通常は事前申請が必要)※令和2年5月31日まで
2) 生産指標(売上などが10%減)の確認対象が3ヶ月から1ヶ月に短縮
3) 雇用指標(最近3ヶ月の平均値)が対前年比で増加していてもOK(通常では認められない)
4) 事業所設置後、1年未満の事業主も対象(通常は1年未満は認められない)

また、もし事業主の都道府県が緊急事態宣言を発令して活動の自粛を要請しているのであれば、特例措置2として、助成率は中小企業と小規模事業者なら2/3が4/5に、大企業なら1/2が2/3にまで引き上げられます。
この場合、特例措置1の「生産指標が10%減少」という条件も撤廃されて、どの事業者も10%減として認められます。さらに非正規も含めた雇用者の休業手当も対象となります。

その2:小学校等(*1)の休校による保護者の休暇取得支援助成金

事業者さんのお店や工場が休業しなくても、そこで働く人のなかで「学校の休業で子どもの世話をするために仕事を休まなければならない」というケースが出てきたら、その人に有給休暇を与えるための助成金が、対象の事業主に支給されます。

支給額は¥8,330を1日の上限としますが、休暇中に支払った賃金相当額の10/10、つまり全額が支給されます。
※令和2年2月27日~3月31日の間に取得した休暇が対象

*1…小学校等とは、「小学校」「義務教育学校(小学校課程のみ)」「特別支援学校(高校まで)」「放課後児童クラブ」「幼稚園」「保育所」「認定こども園等」を指します。

◎助成金の申請手続きなど、詳しくは最寄りの労働局・助成金相談窓口でご確認ください。

新型コロナウイルスに関する補助金等の優遇措置について

新型コロナウイルス感染による環境の変化によって大きな影響を受け、取引関係が無くなったり縮小されたりしたことへ対応するために、新たに設備投資や販路開拓に取り組む事業者は、今後の補助金審査で加点措置などの優遇措置があります。たとえば次のようなケースです。

●優遇ケースその1-「ものづくり補助金」加点措置
従来の部品の調達が困難になったので、自社で部品の内製化を図るつもり。そのための設備投資をおこないたい⇒「ものづくり補助金」で加点措置*2

●優遇ケースその2-「ものづくり補助金」加点措置
感染症の影響を受けている取引先から、新たに「部品を供給して欲しい」という打診がある。そのための生産ラインを新設するか増強するため設備投資をおこないたい⇒「ものづくり補助金」で加点措置*2
*2…加点にはサプライチェーンの毀損等の影響を受けている客観的事実を証明するための書類が必要

●優遇措置ケースその3-「小規模持続化補助金」加点措置
今回はインバウンド需要の減少で大きく売上を落とした。今後は店舗販売のウェイトを落としてインターネット販売を強化したい⇒「小規模持続化補助金」で加点措置*3

●優遇措置ケースその4-「小規模持続化補助金」加点措置
今回の環境変化を受けて、ビジネスモデルの転換を図る旅館が、自動予約受付機を導入して省人化を進めたい⇒「小規模持続化補助金」で加点措置*3
*3…加点には感染症の影響によって売上減少等を証明するための書類の提出が必要

●優遇措置ケースその5-「IT導入補助金」加点措置
今回のことを受けて、今後は在宅勤務制度を新たに導入するため、業務効率化と同時にテレワークツールを導入したい⇒「IT導入補助金」で加点措置*4
*4…加点には事業継続力強化に資するコミュニケーションツールの導入が必要

新型コロナウイルスに関する資金繰り支援について

「予想外の事態で今は急激に売上が落ちて資金繰りが苦しいけれども、事態が回復すれば充分に事業が継続できる」と思っている事業者様は多いはずです。そんな事業者様の経営基盤強化に用意されているのが「セーフティーネット貸付」という融資制度です。
感染症の影響を踏まえた特例措置として、令和2年2月14日より、通常のセーフティーネット貸付の要件が緩和されています。特徴として「売上高が5%以上減少」という数値要件にかかわらず、「今後の影響が見込まれる」という事業者も含めて融資対象となっています。

【融資限度額】中小企業=2.8億円 国民事業4千800万円
【資金用途】運転資金、設備資金
【金利】中小企業=1.11% 国民事業1.91%
※令和2年2月3日時点

◎詳細は、お近くの日本政策金融公庫窓口でお問い合わせください。
 窓口一覧はこちら
 
また、上記とは別に、信用保証協会でもセーフティーネット保証制度をもっています。今回は「セーフティーネット保証4号」「セーフティーネット保証5号」が利用できます。

●セーフティーネット保証4号
幅広い業種で影響が生じている地域で一般枠とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の100%を保証協会が保証します。
※売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合

セーフティーネット保証5号
特に重大な影響が生じている業種について一般枠とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の80%を保証協会が保証します。
※売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合

◎ご利用には別途、金融機関、信用保証協会の審査があります。詳しくはお近くの信用保証協会にお問い合わせください。

まとめ

新型コロナウイルスの影響がどこまで拡大し、いつまで続くのか?は、解りません。ですので、状況の変化に応じて、今回ご紹介したもの以上に、救済措置や援助措置が発表される可能性があります。

ただし、どの助成金も、どの補助金も、かならず「新型コロナウィルス感染の影響を受けた」という事を数字や書類で証明することが必要になるはずです。ここで重要なことは「冷静さ」を保って、現状の変化を証明する書類やデータを準備して揃えることです。今後も発信される情報をしっかり把握して、ご自身の事業継続のために必要なことを冷静におこなっていきましょう。

※今回の記事は令和2年3月6日時点の情報を元に作成しています。今後の情報の更新などにご留意ください

文:中小企業診断士 橘高 唯史

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