売れるPOPの作り方(4)「数字」が伝えるリアリティ
最終更新日:2023年12月01日
POP広告の出来はキャッチコピーで決まる、と言っても過言ではありません。
さて、そもそも「キャッチコピー」とは、何かを「キャッチ」するコトバ、ということです。では何をキャッチするのでしょうか?
そうです。キャッチするのはお客様のココロ。つまり「人の心」です。「人の心」をつかむコツを少し知っていたりすると、キャッチコピーも不思議なほど簡単に作れるようになります。つまり「心理学」ですね。
その心理学にヒントをもらいながら、あなたのPOPを売れるPOPにしていきましょう。
キャッチコピーにおける「数字の力」
ここに2つのキャッチコピーがあります。
1)【今日採れた分だけの限定販売です】
2)【15個採れた分・・・の13個だけ!限定販売です】
どうですか?1)と2)の違いがわかりますか?
どちらのキャッチコピーが、お客様の心を引きつけるでしょう?
1)と2)の違い。それは「数字」です。そしておそらく2)のキャッチコピーの方が売上は多いはずです。
人は抽象的なものよりも、具体的なものを好みます。そして何かを具体的にするのに「数字」は非常に役に立ちます。
たとえば・・・
1) 食べた人全員が「おいしい」と言いました。
2) 食べた人31人全員が「おいしい」と言いました。
1) 農薬は一切使っていません!
2) 農薬は「0%」です!
1) 甘さたっぷり!
2) 糖度17度の甘さです!
どうですか?どれも2)の方が「伝わり方」が強いと思いませんか?
リアリティーを増す数字の用い方
ちょっと専門的に説明すると、数字には
●誰でも知っている存在で、視認効果(見た目に目立つ)が高い。
●メッセージに具体性が出てきて、信ぴょう性が高くなる。
●読む人が簡単にイメージすることができる。
という特徴があります。
つまり数字を使うと、伝わる力が数倍アップします。ぜひあなたのPOPのキャッチコピーに「数字」を入れてみてください。
そして、その時にはちょっとした「隠し味」を・・・。
実はその数字、少し「中途半端」な数字を使うと、よりリアリティーが増します。
たとえば
「破格の値引き!20%引きです」
よりは→
「これ以上の値引きは無理です!18%引きでご提供!」
「昨日40個が完売しました!」
よりは→
「昨日37個が完売しました!」
「直径10cmの大きなリンゴです!」
よりは→
「直径10.4cmの大きなリンゴです!」
というように。
「なんだ。そんなこと」と思われるかもしれません。でもその「そんなこと」が、POP広告ではすごく重要になります。そしてあなたが「そんなこと」と思ったとしたら、それはあなたが「売れるPOP作り」に少し近づいた証拠でもあります。
心理学はどこか手品に似ています。タネを知ってしまえば、ヒミツを知ってしまえば、「なぁ~んだ」と思うことでも、それを知らなければ「なぜ売れるのか?」不思議でなりません。
あなたもそんな「ちょっとした手品」を扱うマジシャンのように、明日から「売れるPOP」を作って、お客様の前に出していきましょう!
執筆者情報
橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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