Windows 10のサポート終了!今すぐ知るべきリスクと対策、職種別推奨スペックを解説
最終更新日:2025年03月21日

Windows 10のサポート終了は、企業にとって、セキュリティリスクの増大やソフトウェアの動作不良など、 様々な問題が発生する可能性があります。
本記事では、Windows 10のサポート終了によって何が起こるのか、そして、企業が今すぐおこなうべき対策について、IT環境の整備を担う総務・情報システム担当者の視点に立って、わかりやすく解説します。
Windows 11へのアップグレードやパソコンの買い替えをおすすめする理由も解説します。
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◎「Windows11への移行」に関するアンケート
- Windows 10のサポート終了が期限間近
- サポート終了日:2025年10月14日(火)
- サポート終了で何が起こる?セキュリティリスクと機能制限
- Windows 10 サポート終了に伴い、新技術やサービスの開発が加速
- Windows 10サポート終了後のリスク
- セキュリティ更新プログラムの停止によるウイルス感染の危険性が高まる
- ソフトウェアや周辺機器が正常に動作しなくなる
- Windows 10 サポート終了に伴った対策
- Windows 11へのアップグレード
- パソコンの買い替え
- セキュリティソフトの導入とセキュリティ意識の向上
- Windows 11へのアップグレードは本当に必要?
- Windows 11のメリット:最新機能とセキュリティ強化
- Windows 11のデメリット:動作環境と互換性の問題
- 業種別スペック・買い替え判断の基準
- Windows 11 アップグレードで起こりがちなトラブルと対策
- システム要件を満たしていない
- アップグレード中にフリーズ・失敗する
- アップグレード後に動作が遅い
- 互換性のないアプリや周辺機器が動作しない
- インターネット接続が不安定
- スタートメニューやタスクバーの不具合
- 音が出ない
- 無償アップグレード期間はいつまで?
- Windows 11のアップグレード方法
- 事前準備:互換性チェックとバックアップ
- Windows Update経由でアップグレード
- アップグレード後の設定:初期設定と動作確認
- Windows 10サポート終了のよくある質問
- まとめ
Windows 10のサポート終了が期限間近
Windows 10は、マイクロソフト社からのセキュリティ更新プログラムや技術サポートの提供が終了します。
今後、マイクロソフト社は残りのサポート期間を経て、Windows 10のサポートを終了し新しいOSの開発やサポートに注力します。
サポート終了日:2025年10月14日(火)
Windows 10のサポート終了日は、2025年10月14日です。
この日以降は、Windows 10に対するアップデートやセキュリティ修正プログラムが提供されなくなります。
サポート終了で何が起こる?セキュリティリスクと機能制限
サポートが終了したOSを使い続けると、以下のリスクが発生します。
- セキュリティリスクの増大:セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、ウイルスやマルウェアに対する脆弱性が放置され、ウイルス感染リスクが高まります。
- ソフトウェアや周辺機器の動作不良:新しいソフトウェアや周辺機器がWindows 10に対応しなくなる可能性があります。
- マイクロソフトからのサポートを受けられない:何らかの問題が発生した場合でも、マイクロソフトからの技術的なサポートを受けることができなくなります。
これらのリスクを避けるためには、企業はサポート終了日までにWindows 11へのアップグレードなど適切な対策を講じなければなりません。
Windows 10 サポート終了に伴い、新技術やサービスの開発が加速
マイクロソフトがWindows 10のサポートを終了する背景には、以下の戦略があります。
- 最新OSへの移行促進:ユーザーに最新のWindows 11へ移行してもらうことで、より安全で快適なPC環境を提供することを目指す。
- 開発リソースの集中:古いOSのサポートを終了することで、開発リソースを最新OSの開発や新規事業に集中する。
- セキュリティ強化:最新OSを普及させ、セキュリティ機能を目指し強化し、より安全なコンピューティング環境を提供する。
また、近年では、Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット:OpenAIのGPTを用いた自然言語処理技術を用いた検索エンジン型のチャットボット)をはじめ、AI事業に注力していくことが予想されています。
Windows 10サポート終了後のリスク
Windows 10のサポートが終了すると、様々なリスクが発生し得ます。
特に注意すべきリスクを解説します。
セキュリティ更新プログラムの停止によるウイルス感染の危険性が高まる
Windows 10のサポート終了後は、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなります。
Windows 10に脆弱性が見つかっても、修正プログラムが提供されないため、ウイルスやマルウェアに感染する危険性が高まります。
近年では、巧妙にウイルスやマルウェアを侵入させる事例が増えており、個人情報や大切なデータが盗まれる、パソコンが乗っ取られるといった被害が発生しやすくなります。
- 個人情報の漏洩(クレジットカード情報、住所、氏名など)
- 金銭的な被害(ネットバンキングの不正利用など)
- データの破壊や改ざん
- パソコンの動作不良
- 身代金要求型ウイルス(ランサムウェア)による被害
ソフトウェアや周辺機器が正常に動作しなくなる
Windows 10のサポート終了は、マイクロソフトだけでなく、他のソフトウェアや周辺機器にも影響を与えます。
新しいソフトウェアや周辺機器は、最新のOSに合わせて開発されるため、古いOSであるWindows 10では正常に動作しなくなる可能性があります。
- 新しいプリンターがWindows 10に対応していない
- 特定のソフトウェアが起動しない、またはエラーが発生する
- セキュリティソフトがWindows 10のサポートを終了する
- Webブラウザが最新バージョンにアップデートできなくなる
ソフトウェアや周辺機器が正常に作動しないと、業務効率の低下のほか、最悪の場合、仕事ができなくなるという事態を引き起こしかねません。
Windows 10 サポート終了に伴った対策
マイクロソフト社がWindows 10のサポート終了を発表したのは、2023年4月27日となります。マイクロソフト社はWindows 10のサポート終了に伴い、具体的な対策も提示しています。
Windows 11へのアップグレード
最も推奨される対策は、Windows 11へのアップグレードです。
Windows 11は、最新のセキュリティ機能と使いやすさを備えており、Windows 10のサポート終了後も安心してパソコンを使用できます。
アップグレードすることで、以下のメリットがあります。
- 最新のセキュリティ機能による保護
- 新しい機能と使いやすさの向上
- 最新のソフトウェアや周辺機器との互換性
- マイクロソフトによるサポートの継続
また、初心者でも簡単にWindows 11は簡単にアップグレードできます。
ただし、Windows 11へのアップグレードには、パソコンの動作環境を満たしていなければなりません。
項目 | 要件 |
---|---|
CPU | 1GHz以上 2コア以上の64ビット互換プロセッサー またはSoC(System on a Chip) |
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上 |
システムファームウエア | UEFI、セキュアブート対応 |
TPM | バージョン2.0 |
グラフィックス | DirectX 12以上・WDDM 2.0ドライバーに対応 |
ディスプレイ | 9インチ以上、8ビットカラーの720pディスプレイ |
インターネット接続 | インターネット接続とMicrosoftアカウント Windows 10 バージョン2004以降 Windows 10ライセンス |
事前に互換性チェックを行い、必要な場合はパソコンのアップグレードや買い替えを検討しましょう。
パソコンの買い替え
Windows 11へのアップグレードできないハードウェア(パソコン)の場合は、パソコンを買い替える必要があります。
新しいパソコンには、最新OSとハードウェアが搭載されており、セキュリティリスクを大幅に軽減できます。また、処理速度の向上や新しい機能の利用など、快適なPC環境を手に入れることが可能です。
パソコンを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- OS:最新のWindows 11が搭載されているか
- CPU:処理速度が十分か
- メモリ:8GB以上が推奨
- ストレージ:SSDがおすすめ
- セキュリティ機能:Windows Hello(顔認証・指紋認証)など
セキュリティソフトの導入とセキュリティ意識の向上
どうしてもWindows 11へのアップグレードやパソコンの買い替えが難しい場合は、セキュリティソフトの導入とセキュリティ意識の向上に努めましょう。
セキュリティソフトは、ウイルスやマルウェアの侵入を防ぎ、パソコンを保護する役割を果たします。また、不審なメールやWebサイトへのアクセスを避けるなど、日頃からセキュリティ意識を高めることが重要です。
セキュリティソフトを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 検出率の高さ
- 動作の軽さ
- サポート体制
- 価格
また、以下の点にも注意して、セキュリティ意識を高めましょう。
- 不審なメールや添付ファイルを開かない
- 信頼できないWebサイトにアクセスしない
- パスワードを複雑なものにする
- 定期的にパスワードを変更する
- OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ
- データのバックアップを定期的に行う
これらの対策を講じることで、Windows 10のサポート終了後も、ある程度のリスクを軽減できます。
しかし、万全ではありません。
最も安全な対策として、Windows 11へのアップグレードまたはWindows 11搭載パソコンへの買い替えであることは間違いないため、よほどの理由がない限り、必ず実施しましょう。
Windows 11へのアップグレードは本当に必要?
Windows 10のサポート終了が近づくにつれ、「Windows 11にアップグレードすべきか?」という疑問を持つ方が増えています。
<たしかに、全社のパソコンをWindows 11にすることは、手間やコストがかかります。また、古いOSにしか対応していないソフトウェアをやむを得ず使用しているケースもあるでしょう。
アップグレードが本当に必要かどうか、Windows 11のメリットとデメリットを事前に確認し、検討しましょう。
Windows 11のメリット:最新機能とセキュリティ強化
Windows 11へのアップグレードには、以下のメリットがあります。
- 最新機能の利用:新しいユーザーインターフェース、タスクバーの改善、Androidアプリの実行などWindows 10にはない最新機能を利用できます。
- セキュリティ強化:最新のセキュリティ機能が搭載されており、ウイルスやマルウェアからの保護が強化されます。
- パフォーマンス向上:ハードウェアの性能を最大限に引き出すように最適化されており、Windows 10よりも高速な動作が期待できます。
- DirectStorage API:NVMe SSDの性能を最大限に引き出し、ゲームのロード時間を大幅に短縮するDirectStorage APIを利用できます。
- より直感的でモダンなUI:デザインが一新され、より直感的で使いやすいインターフェースになっています。
特にセキュリティを重視する方や、常に最新のテクノロジーを利用したい方にとって、Windows 11へのアップグレードは魅力となっています。
Windows 11のデメリット:動作環境と互換性の問題
一方で、Windows 11へのアップグレードには、以下のデメリットも存在します。
- 動作環境: Windows 11は、Windows 10よりも厳しいハードウェア要件を定めています。特に、TPM 2.0(Trusted Platform Module)が必須であるため、古いPCではアップグレードできません。
- 互換性の問題:一部の古いソフトウェアや周辺機器が正常に動作しない可能性があります。
- UIの変更:デザインが大きく変更されたため、Windows 10に慣れているユーザーは操作に戸惑う可能性があります。
- 周辺機器の対応状況:新しいOSに対応していない周辺機器がある場合、正常に動作しない可能性があります。
しかし、デメリット以上にWindows 11へのアップグレードは高度なセキュリティに加え、マイクロソフトの最新サービスを利用でき、業務効率化が見込めます。
業種別スペック・買い替え判断の基準
Windows 10のサポート終了への対応として、Windows 11搭載パソコンへの買い替え、あるいは既存パソコンのOSアップグレード、2つの方法があることを説明してきました。
企業において、いずれを選択すべきかを検討する際、業種別に判断することが望ましいといえます。
中でもCPUやメモリ、ストレージは重要な判断基準となります。
また、パソコンのスペックは業務効率化や生産性にも影響を与えます。
各職種の各メンバーの業務内容に応じたスペックのパソコンを選びましょう。
以下、職種毎の推奨スペックを掲載しております。
いずれもWindows 11の推奨スペックを満たしているので、ご参考ください。
職種 | OS | CPU | メモリ | ストレージ | グラフィックス |
---|---|---|---|---|---|
一般事務 経理業務 | Windows 11 | Intel Core i5 または Ryzen7以上 | 4GB以上 | 128GB以上 | |
エンジニア | Windows 11 | Intel Core i5 または Ryzen7以上 | 8G以上 | 256GB以上 | |
デザイナー | Windows 11 | Intel Core i5 または Ryzen7以上 | 16G以上 | 512GB以上 のSSD | 2GB以上 |
設計者 (3DCAD等) | Windows 11 | Intel Core i5 または Ryzen7以上 | 32G以上 | 512GB以上 のSSD | 2GB以上 |
編集者(動画) | Windows 11 | Intel Core i5 または Ryzen7以上 | 32G以上 | 512GB以上 のSSD | 2GB以上 |
Windows 11 アップグレードで起こりがちなトラブルと対策
Windows 10からWindows 11にアップグレードする際、ハードウェアの互換性に違いがあり、トラブルが発生することがあります。
Windows 11へアップグレードする前に確認すべきことを把握しましょう。
システム要件を満たしていない
Windows 11へのアップグレードにおいて、システム要因を満たしていないため、Windows 11にアップグレードできないことがあります。
- 互換性チェック:Microsoftが提供している「PC正常性チェックアプリ」を利用して、PCがWindows 11のシステム要件を満たしているかを確認します。
- データバックアップ:アップグレード中に問題が発生した場合に備えて、重要なデータをバックアップします(外付けHDDやクラウドストレージなどの利用がおすすめです)
- ソフトウェアと周辺機器の互換性確認:使用しているソフトウェアや周辺機器がWindows 11に対応しているか、メーカーのWebサイトなどで確認します。
- BIOS/UEFIの設定確認:TPM 2.0が有効になっているか、セキュアブートが有効になっているかなど、BIOS/UEFIの設定を確認します。
アップグレード中にフリーズ・失敗する
Windows 11のアップグレードのシステムファイルをインストール中に進行が止まることがあります。また、エラーメッセージが表示されてアップグレードが完了しないことも報告されています。
これらのトラブルが発生した際は、以下の対策が効果的です。
- 主要の周辺機器を外す(USBメモリや外付けHDDなど)
- 十分な空きストレージを確保(最低64GB以上)
- Windows Updateをすべて適用してからアップグレードを試す
- セキュリティソフトを一時的に無効化
- クリーンブートで試す(スタートアッププログラムを減らす)
アップグレード後に動作が遅い
Windows 11に無事アップグレードした後、Windows 10に比べて、パソコンの動作が重くなることがあります。
また、アプリの起動も遅く、作業効率が悪くなることがあります。
これらの原因は不要なスタートアップアプリが有効になっているなど、ある程度、設定で解決できます。
しかし、Windows 11は64GB以上のストレージが必要で、HDDからSSDへの交換が求められることがあります。
Windows 11へのアップグレード後の作業を効率化するためには、高いスペックのパソコンに買い替えることがおすすめです。
- Windows Updateを実施(アップデート後の不具合が修正されることがある)
- 不要なスタートアップアプリを無効化(タスクマネージャーの「スタートアップ」タブから)
- 一時ファイルの削除(「設定」→「ストレージ」→「一時ファイル」)
- SSDの最適化(HDDならSSDへの換装を検討)
互換性のないアプリや周辺機器が動作しない
古いアプリが動作しない、周辺機器が動作しないなどのトラブルは、アプリのバージョンやドライバがWindows 11に対応していないため、正常に動作しないことがあります。
その場合、以下の対策をしましょう。
- アプリの最新バージョンをインストール
- 互換モードで実行(アプリのプロパティ→互換性タブ)
- メーカーのサポート情報を確認(公式サイトでWindows 11対応状況をチェック)
- ドライバを最新のものに更新(特にGPU、オーディオ、ネットワーク関連)
「プリンターが認識されない」、「印刷ジョブが実行されない」といったトラブルもWindows 11のアップグレードでよく起きます。
プリンタが動作しない場合、「プリンタードライバを最新に更新」→「プリンターを一度削除し、再接続」→「プリントスプーラーを再起動(「services.msc」→「Print Spooler」→「再起動」)」の手順で対応してみましょう。
インターネット接続が不安定
Windows 11にアップグレードした後、「Wi-FiやLANが接続できなくなる」、「ネットワーク速度が遅くなる」などの不具合が発生することがあります。
その場合、以下の対策が有効です。
- ネットワークアダプターのドライバを更新
- 「ネットワークのリセット」を実行(「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「ネットワークのリセット」)
- 一時的にVPNをオフにする(VPNが影響している場合がある)
スタートメニューやタスクバーの不具合
「スタートメニューが開かない」、「タスクバーのアイコンが反応しない」などの不具合が発生した時は、以下の対応策を実施しましょう。
- パソコンの再起動
- 「エクスプローラー」を再起動(タスクマネージャーで「エクスプローラー」を選択→「再起動」)
- Windows Updateを適用
- 新しいユーザーアカウントを作成(ユーザープロファイルの問題が原因のことも)
音が出ない
スピーカーやヘッドホンから音が出なくなる、マイクが認識されないといったトラブルも起きる可能性があります。
以下の対策を実施すると解消することがあります。
- オーディオドライバを更新
- 音の出力デバイスを確認(「設定」→「システム」→「サウンド」)
- サウンドトラブルシューティングを実行(「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」)
Windows 11のアップグレードで発生しやすいトラブルをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
問題 | 解決策 |
---|---|
アップグレードが 途中で止まる | ・パソコンを再起動して、再度アップグレードを試す ・Windows Updateのトラブルシューティングツールを実行する ・不要な周辺機器を取り外す |
アップグレード後、 動作が不安定になる | ・デバイスドライバを最新の状態に更新する ・不要なアプリをアンインストールする ・システムの復元を実行する |
特定のアプリが 動作しない | ・アプリを再インストールする ・互換モードでアプリを実行する ・アプリの製造元のWebサイトで対応状況を確認する |
上記の方法で解決しない場合は、マイクロソフトのサポートページに問い合わせましょう。
無償アップグレード期間はいつまで?
Windows 10からWindows 11への無償アップグレードは、2022年10月5日に提供が開始されましたが、Microsoftは無償アップグレードの提供を終了する期限を明示していません。
しかし、いずれは終了する可能性があるため、早めのアップグレードをおすすめします。
無償アップグレードが可能なうちに、メリット・デメリット、確認事項を考慮し、自社の環境に最適な選択しましょう。
もし、セキュリティリスクを十分に管理できないと感じる場合は、Windows 11へのアップグレードや、パソコンを買い替えましょう。
Windows 11のアップグレード方法
不具合を起こさずにWindows 11にアップグレードするには、既にWindows 11がインストールされているパソコンの購入がおすすめです。
しかし、さまざまな理由により、現状のWindows10搭載パソコンをWindows 11にアップグレードする場合、以下の手順でおこなうことができます。
事前準備:互換性チェックとバックアップ
スムーズなアップグレードのためには、事前の準備が不可欠です。以下の2つのステップを必ず実行しましょう。
- 互換性チェック:まず、お使いのPCがWindows 11のシステム要件を満たしているか確認します。マイクロソフトは、「PC正常性チェックアプリ」を提供しており、これを利用することで簡単に確認できます。アプリをダウンロードして実行し、互換性の有無を確認しましょう。
- データバックアップ:万が一の事態に備えて、大切なデータをバックアップしましょう。外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージなどを利用して、ドキュメント、写真、動画などのデータを保存します。バックアップは、アップグレード中に問題が発生した場合でも、データを保護するための重要な対策です。
Windows Update経由でアップグレード
Windows Updateを利用したアップグレードは、最も簡単で推奨される方法です。以下の手順に従って進めてください。
- Windows Update画面を開く:スタートメニューから「設定」を開き、「更新とセキュリティ」を選択します。「Windows Update」をクリックして、アップデートを確認しましょう。
- Windows 11へのアップグレードの案内を確認:システム要件を満たしている場合、「Windows 11のアップグレードが利用可能」というメッセージが表示されます。
- ダウンロードとインストール:「ダウンロードしてインストール」ボタンをクリックし、アップグレードを開始します。ダウンロードとインストールには時間がかかる場合がありますので、時間に余裕を持って行いましょう。
- 再起動:インストールが完了したら、PCを再起動します。再起動後、Windows 11の初期設定画面が表示されます。
アップグレード後の設定:初期設定と動作確認
アップグレードが完了したら、Windows 11を快適に使うために、いくつかの初期設定と動作確認を行いましょう。
- Windows Updateを最新の状態にする:アップグレード後、再度Windows Updateを実行し、最新の更新プログラムを適用します。これにより、セキュリティが強化され、パフォーマンスが向上します。
- デバイスドライバの更新:グラフィックボードやサウンドカードなどのデバイスドライバを最新の状態に更新します。製造元のWebサイトから最新のドライバをダウンロードしてインストールしてください。
- アプリの動作確認:よく使うアプリが正常に動作するか確認します。もし問題が発生する場合は、アプリを再インストールするか、互換モードで実行してみてください。
- 個人設定の調整:壁紙、テーマ、タスクバーなど、Windows 11の個人設定を好みに合わせて調整します。
Windows 10サポート終了のよくある質問
Windows 10のサポート終了に関して、皆様からよくいただく質問にお答えします。サポート終了後の不安を解消し、安心してPCパソコンを使い続けられるよう、疑問点をクリアにしていきましょう。
Q:Windows 10サポート終了後もインターネットは使える?
A:はい、Windows 10のサポートが終了した後も、インターネット自体は引き続き利用可能です。ただし、サポート終了に伴い、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、ウイルス感染や不正アクセスなどのリスクが高まります。インターネットを利用する際は、セキュリティ対策を万全に行う必要があります。
Q:Windows 10のデータは消える?
A:いいえ、Windows 10のサポートが終了しても、PC内のデータが自動的に消えることはありません。ただし、OSのサポートが終了することで、ソフトウェアや周辺機器が正常に動作しなくなる可能性や、セキュリティリスクが高まることでデータが破損・漏洩するリスクは高まります。重要なデータは、事前にバックアップしておくことを強くおすすめします。
Q:Windows 11にアップグレードできない場合は?
A:お使いのPCのスペックがWindows 11の動作環境を満たしていない場合や、互換性の問題でアップグレードできない場合があります。その場合は、以下の選択肢が考えられます。
- PCの買い替え:最新のOSが搭載されたPCに買い替えることで、セキュリティリスクを回避し、快適なPC環境を手に入れることができます。
- Linuxへの乗り換え:Linuxは、無償で利用できるオープンソースのOSです。Windows 10からの乗り換えも可能ですが、高度な技術が必要なため、推奨しません。
Q:サポート終了後、マイクロソフトからの通知は来る?
A:はい、サポート終了が近づくと、マイクロソフトからWindows Updateなどを通じて、サポート終了に関する通知が届く可能性があります。通知の内容を確認し、適切な対策を講じるようにしましょう。
Q:個人のセキュリティ対策でどこまでリスクを減らせる?
A:個人のセキュリティ対策を徹底することで、ある程度のリスクを軽減することは可能です。具体的には、以下の対策が有効です。
- セキュリティソフトの導入と定期的なスキャン:ウイルスやマルウェアの侵入を防ぎ、感染した場合でも早期に発見・駆除することができます。
- ソフトウェアのアップデート:セキュリティ上の脆弱性を修正し、最新の状態に保つことで、攻撃のリスクを減らすことができます。
- 不審なメールやWebサイトへの注意:フィッシング詐欺や不正なWebサイトに誘導されないように、注意深く行動しましょう。
- パスワードの強化:推測されやすいパスワードの使用を避け、複雑なパスワードを設定しましょう。
- 定期的なデータのバックアップ:万が一、ウイルス感染やPCの故障でデータが消失した場合でも、バックアップがあれば復旧することができます。
ただし、個人の対策だけでは、完全にリスクを排除することはできません。
サポートが終了したOSを使い続けることは、常にセキュリティ上のリスクを抱えることになるということを認識しておきましょう。
Windows 10のサポート終了後は、MicrosoftはOSの更新プログラムを提供しないため、セキュリティ上、大きなリスクとなります。
まとめ
Windows 11のアップグレードは、今までのアップグレードと異なり、指定された以上のパソコン(ハードウェア)のスペックが必要です。
手動でWindows 11にアップグレードを試みても、アップデート中にパソコンが停止する可能性があります。
最新のパソコンは、高性能な上、バッテリーの寿命も伸びており、長期間にわたって、使用し続けられます。
Windows 11へのアップグレードを機にパソコンを買い替えることで、万が一、不具合が発生した時に浪費する時間も削減できます。
Windows 11のサポート終了に伴い、重大なセキュリティリスクが発生する前にぜひパソコンの買い替えをご検討ください。
◎「Windows11への移行」に関するアンケート にご協力ください
監修者情報
合同会社Itella 代表社員 鳩間大也2014年から精密機器製造会社の情報システム部の社内SEとして従事。2019年に退職後、沖縄県石垣市にて独立。システムエンジニアリングサービス(SES)事業を立ち上げ、主に技術支援や開発支援、サーバー・ネットワーク構築などのインフラ支援を行っている。
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