非常事態を乗り切るために!事業継続計画(BCP)を今すぐ作ろう

2020年03月06日

非常事態を乗り切るために!事業継続計画(BCP)を今すぐ作ろう
地震や台風、豪雨など、自然による災害が多い国、日本。そして今、私たちは新型コロナウイルス(COVID-19)の流行という「危険」にさらされています。
1人ひとりがそれらから身を守るために備える必要がありますが、企業も同様です。なぜなら、今、感染症によって事業活動がストップしてしまうという事態が世界各地で発生しています。そのようなときに、より早く、よりよい形で事業を復旧させたり、継続させたりするための計画がないと、最悪の場合、企業の存続そのものが難しくなってしまいます。
そこで今回は、事業継続計画-BCPについて取り上げたいと思います。

備えが肝心。緊急事態に備えるBCPとは

災害やパンデミック発生時に被害を最小限に抑えるための備えが必要なのはもちろんのこと、そのような状況下で事業をどう継続していくか、しっかりと計画を立てておくことも極めて重要です。

BCPとは、Business Continuity Planの略で、日本語では「事業継続計画」といいます。緊急事態が発生した場合に、事業を継続するためにどうすればよいかを計画しておくことです。
緊急事態として想定される対象は、自然災害をはじめ、今回のCOVID-19のような感染症の流行、停電、原子力事故、テロといった事件や事故などの外的リスク、個人情報などの流失といったコンプライアンスやオペレーションの問題などの内的リスクなど、広い範囲に渡ります。

では、BCPとは、具体的にはどのような内容なのでしょうか?

事業継続計画マニュアルを策定しよう

BCP(事業継続計画)は、マニュアルとしてまとめておくのが一般的です。BCPマニュアルを作成するための手順と、どのような内容を掲載するのか確認してみましょう。

目的・基本方針・重要商品&サービスを確認する

BCPマニュアルを策定する理由を明確にすることで、必要な内容も自ずと明らかになります。そのため、まずは目的や基本方針を定め、自社の商品やサービスなどを振り返ります。

(1)目的を確認する
最初のステップとして確認するのは、目的です。
緊急事態が発生した場合において、従業員とその家族の安全を確保しながら、自社の事業を継続することを目的とします。

(2)基本方針を定める
緊急時にどのような姿勢で事業継続に臨むか、その方針を定めます。
たとえば、
・従業員や顧客を含めた人命の安全を最優先とする
・自社の経営を維持する
・顧客からの信用を守る
・商品やサービスの供給を維持することでその責任を果たすと同時に、従業員の雇用を守る
・地域経済を守る
といった内容です。

(3)緊急時に優先すべき商品やサービスを確認する
緊急時において、優先的に継続、復旧すべき重要な商品やサービスを確認し、優先順位をつけます。

「緊急事態」に該当する事態とその影響を想定する

非常時を想定して作られるBCPマニュアルですが、あまりにも対象を広げてしまうとマニュアルの内容自体も漠然としたものになりかねません。そのため、もっとも備えが必要と思われる非常事態に絞り込んで、対策を立てていきます。

(4)BCPマニュアルの対象となる非常事態を確定する
想定される「非常事態」をリストアップします。その後、発生する可能性や、発生した際の自社への影響を考え、BCPの対象とするものを絞り込みます。

(5)対象となる事態から受ける影響や被害を想定する
企業が業務をおこなう中でもっとも意識している災害は「地震」です。
そこで、震度5弱以上の大規模地震を例に、確認すべき項目についてリストアップしてみましょう。

<インフラへの影響>
■ライフラインの利用の可否
 -電気、水道、ガスの状況
 -復旧の見通し
■情報通信の利用の可否
 -電話、インターネットの状況
 -ケーブル断線など状況と復旧の見通し
■道路状況と利用の可否
 -交通規制などの状況
 -渋滞などの状況
■鉄道など交通機関の運行状況と利用の可否
 -運行状況
 -復旧、再開の見通し

<自社への影響>
■人
 -従業員の安否確認と現在の場所および出社可否
 -従業員の家族の安否
■設備
 -事業所、工場、店舗などの状況
 -設備や什器の状況
■商品や部材
 -仕入先の被災状況と部品や原材料の調達状況
■情報資産
 -パソコンなどの機器の状況
 -保存データ(PC内、書類など)の状況
■資金
 -会社の運転資金

事業を継続するための対策をマニュアル化し、できるものは実施する

次に、緊急事態によって受ける影響を試算し、そのうえでどう業務を継続・復旧するかのマニュアルを策定します。

(6)事前対策を策定・実施する
上記でリストアップした項目のうち、「自社への影響」については事前準備や対策ができるものです。対策を検討し、今すぐできることについては実施しましょう。

■人
 -安否確認の手順やルールを定め、緊急連絡先リストの作成などをおこなう
■設備
 -建物の補強や耐震化などをおこなう
 -棚や設備の固定、補強などをおこなう
 -拠点を分散させる
 -テレワークへの切り替えができるよう準備をしておく
■商品や部材
 -商品・部材の在庫を分散させる
 -代替の仕入先を確保しておく、また、仕入先を分散させる
■情報資産
 -データをクラウド上に保存する
 -紙の資料などはPDFなどデジタルデータ化しておく 
■資金
 -必要な運転資金など財務状況を把握しておく
 -緊急時に活用できる現金や預金を把握しておく

緊急時の社内体制を決める

事前に策定した対策を発動するためには、責任者を決め、指揮系統を明確にしておく必要があります。

(7)責任者・指揮系統を定める
総責任者を決め、業務が多岐に渡る場合は、業務ごとに責任者・指揮系統を定めます。
また、災害の規模によっては、その責任者が動けないという事態もありえますので、何人か代行者(副責任者)も決めておきましょう。

スムーズに運用するために、教育や訓練・見直しを定期的に実施する

BCPマニュアルは、作成してもいざというときに使えなければ意味がありません。ですから、定期的な教育を通じてその重要性を会社全体に周知するとともに、訓練ができるものはしておきましょう。
また、一度作ったら終わりではなく、業務内容や外的環境の変化を踏まえて定期的な見直しやブラッシュアップをおこなうことも重要です。

まとめ

上記でご紹介したBCPマニュアルの作成手順と内容は、ごく基本的なものです。業種や業態、会社規模によって、重点を置く「緊急事態」や対策は違ってくるでしょうから、あなたの企業に合わせた計画を策定してください。
また、こうしたマニュアルは、訓練や演習によって足りない点などがはっきりわかるものです。常に見直し・ブラッシュアップをおこなうことで、より成熟度を高めていく必要があります。
いざというときに業務への影響を最小限に抑えるだけでなく、顧客や取引先との信頼関係のアップにも繋がる要素ともなりますので、ぜひBCPを策定することをおすすめします。

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