仕事の効率を考える-図で考える・記録する
最終更新日:2023年12月04日
仕事でよくある、そんな困り事が一気に解決!するとしたら?仕事の効率が格段にあがると思いませんか?
実はそんな魔法の方法?があるのです。それが「図で考える」というもの。
今回のテーマは、「図で考える」「図で書き起こす」ことを仕事にどんどん使っていきましょう!というお話しです。
図で書き起こす
図といっても、何も「絵心」がなければできないようなものではありません。複雑な絵を描く必要はないのです。誰でも〇(まる)や□(しかく)や→(やじるし)などは描いたことがありますよね?そんな記号の使い方のちょっとしたコツをつかめば、この魔法の方法を誰でも自分のものにすることができるのです。
たとえば・・・こんな風に。
●A社からB社までは移動に車で1時間かかる
●部長の指示はメールでおこない、部下の報告もメールでおこなう
●大阪の1号店に続いて来年の4月には東京に2号店を出す予定
●A商品の替わりに出すB商品の売上目標はA商品の売上の2倍だ
●納品はいつもA社が一番多くて、B社は少ない。今後はC社にも納品する予定だ
●仕事の流れは、見積提出⇒問合わせ⇒受注⇒申込書⇒発注⇒納品の順番で進むが、もっともハードルが高いのは受注のときだ
●X事業部のAとB、Y事業部のCとD、それとは別のEの情報をもクラウドを使って一元化する
どうですか?決して難しくないですよね?
次はちょっと複雑ですが、よくあるパターンの会議内容(上司の発言)。
【我が社は、来年度から新規事業としてカタログで商品を販売することにした。今のところ春夏秋冬で、年に4回の発行を考えていて、売上予算は1,000万円だ!カタログに載せる商品は、我が社の主力商品のAを半分ほど、残りのBとCとで40%のシェアは取りたいな。あとはその他の商品で売上げたい。
なお、カタログはしっかりと作り込みたいので、1回に4カ月ぐらいの時間をかけて作る予定だ。工程としては商品選定、商品撮影、原稿、校正確認、あ、校正確認は念のために2回行うほうがいいだろう。そして印刷、発送、受注という段取りになるな。
受注期間はまずは2ヶ月としよう。新しい事業だからトライ&エラーはしかたないが、できるだけ早く売上のデータを次のカタログに反映しないといけないだろう。
新しいが重要な事業だからくれぐれもモレやヌケがないようにしたい!よろしく頼むよ!】
これを文字を使ってメモしたらどうなるでしょう?
「文字」でメモする
・来年 新規事業 カタログ 商品販売
・年4回発刊 春夏秋冬
・A商品で半分 BとCで40% その他
・カタログは4ヶ月で1冊
・工程は商品選定、商品撮影、原稿、校正確認、印刷、発送、受注
・校正は2回
・トライ&エラーはOK
・売上データは早く反映
・モレやヌケはないように
どうですか?このメモでどこまで正しく伝えることができるでしょうか?どこまで正しく復元することができるでしょう?
でもこれを「図」でメモにしてみたら・・・こうなります。
「図」でメモする
どうですか?
情報のつながり、関係性がより理解しやすいと思います。
文字の情報と図の情報の違い
「文字の情報と図の情報の違い」をまとめるとこうなります。
箇条書きメモの問題点
・言葉をすべて書かないとわかりにくい(単語の羅列では後で理解できない)
・文字を書き起こすのに時間がかかる
・話が飛ぶと収拾がつかない(関係性や構造を書き起こせない)
・問題点がつかみにくい(関係性との矛盾など)
・資料を作るときにもう一度思い起こす必要がある
図解メモの利点
・言葉を省略できるからスピードアップ
・話が複雑になっても関係性を追いやすい
・ヌケ、モレ、矛盾などを発見しやすい
(今回の最後の例では、カタログの売上データを使って次のカタログにすぐに結果を反映することができないことが図からわかりました)
・記憶に残りやすい
・後から思い起こす努力が少なくてすむ
図解を使うことによってアップするポイント
・記録スピード(時間短縮=メモの量がアップ)
・理解力
・問題発見力
・記録力
・アイデア発想力
・情報復元力
文字よりも図のほうが情報伝達力が高い
仕事で大切なのは、入ってきた情報を整理・分析して、自分が理解したうえで、他人(他者)に加工した情報をわかりやすく伝えることです。仕事とは一種の「伝言ゲーム」という部分があるとも言えます。その伝言を、人にも自分にもしっかりと伝えることが仕事では非常に重要ですよね。
今回のお話は、文字よりも図(イラスト・記号)の方が情報として頭に入りやすく便利ですよ!ということでした。これを文字ではなく図にすると・・・
こうなります!(笑)
執筆者情報
橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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