企画書の書き方とは?基本構成や記載例【テンプレート付き】

最終更新日:2024年02月20日

企画書の書き方とは?基本構成や記載例【テンプレート付き】
企画書には、商品企画書やマーケティング企画書、営業提案書などのほか、会社創立記念パーティーやコンサートなどのイベント企画書、番組企画書といったさまざまなものがあります。企画を通すためにプレゼンをおこなう際には、企画書の印象や内容が重要になってきます。

本記事では、企画書の書き方や基本構成、書くべき要素を解説します。企画書のテンプレートも紹介しますので参考にしてください。
【目次】
  • 企画書とは?
    • 企画書の役割と必要性
    • 企画書と提案書の違い
  • 企画書作成時の事前準備
    • 1.企画の方向性の明確化
    • 2.ターゲットの明確化・設定
    • 3.企画の概要・要点の決定
    • 4.企画書作成時のツール選定
  • 企画書作成時の基本構成の作り方
    • 基本構成の理解
    • エグゼクティブサマリーの作成と現状分析・問題提示
    • 企画の目的と全体像の設定
    • 企画書に含めるべき要素の整理
    • 企画の成果の測定方法
  • 企画書作成時に使えるフレームワーク
    • 3C分析
    • SWOT分析
    • 6W2H
  • 困ったときは企画書テンプレートを!
  • まとめ
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企画書とは?

企画書とは、新規プロジェクトや商品開発に必要なアイデアや計画をまとめ、関係者の支持を得ることを目的とした文書のことです。ビジネスシーンでは、企画書が新規プロジェクトや商品開発につながる第一歩となります。

企画書の役割と必要性

ビジネスにおける企画書は、新しいプロジェクトやアイデアを実現するための重要な役割があります。企画書は、アイデアを具体化し、他者に伝えるための文書であり、その役割は多岐にわたります。

企画書には、現状分析、企画の目的と全体像、具体的な内容、スケジュール、収支計画などが含まれます。これらの要素は、企画の実現可能性を示し、関係者を納得させるために不可欠です。また、企画書は読み手にすぐに理解されるように客観的な視点で書かれるべきであり、インパクトや数値目標を提示することが重要です。

企画書は単なる文書ではなく、アイデアを共有し、賛同者を増やすためのツールとして機能します。そのため、企画書の作成はビジネスにおいて非常に重要なプロセスの一つとなります。

企画書と提案書の違い

企画書と提案書は混同されがちですが、実は異なる目的を持っています。

企画書は、新規プロジェクトや新商品の開発に際して作成される文書で、アイデア、具体的なスケジュール、予算、目標、目的などを詳細に記述します。

これに対して提案書は、プロジェクトや製品の大まかな方向性を示す文書であり、主に顧客や外部の関係者に共有されることが多いです。

つまり、企画書は具体的なアクションプランを含むのに対し、提案書はより大枠のアイデアやコンセプトを提示するものといえます。企画書はプロジェクトの実行に必要な詳細を含み、提案書はそのプロジェクトやアイデアの概要を伝える役割を担います。

企画書作成時の事前準備

企画書作成時の事前準備には、方向性の設定からターゲットの選定、概要の記述、適切なツールの選択までを網羅することが重要です。ここでは効果的な企画書を作成するために必要な事前準備を詳細に解説していきます。

1.企画の方向性の明確化

企画書作成の第一歩は、企画の方向性を明確にすることです。これは、企画書の核となる部分であり、企画の成功を左右する重要な要素です。

企画の方向性を定める際には、現状分析から始めます。これには、市場の状況、競合の動向、自社の強みや弱みなどを総合的に考慮する必要があります。また、課題解決策の提案とその効果についても考慮することが重要です。この段階で、アイデアを具体化し、企画の目的と目指す成果を明確にします。

企画書の作成時には、空き時間や移動時間を利用して、これらの要素についてじっくりと考えることが推奨されます。また、インスピレーションを得るために関連書籍を読んだり、現場でのヒアリングを行ったりすることも有効です。企画の方向性が明確になれば、それを基に企画書の他のセクションを展開していくことができます。

2.ターゲットの明確化・設定

企画書作成の次のステップは、ターゲットの明確化です。企画の成功は、ターゲットの適切な設定に大きく依存します。ターゲットを決定する際には、その選定理由を明確にし、企画書にもその理由を記載することが重要です。ターゲットを設定することで、企画の方向性がより具体的になり、企画の内容を適切に調整することが可能になります。

また、企画書を提出する相手に対して、企画の実行主体が誰であるかを明確に示すことも重要です。これにより、企画の責任者や関係者が明確になり、企画の進行において誰が主導的な役割を果たすのかがわかりやすくなります。

ターゲットの設定と企画の運営主体の明確化は、企画書の信頼性を高め、読み手に対して企画の真剣度を伝えるために不可欠です。

3.企画の概要・要点の決定

企画書作成の事前準備の次のステップは、企画の概要を考えることです。企画の概要は、企画書の核心部分であり、企画の要点を簡潔に伝えるために不可欠です。この段階では、企画の主な課題、提案される解決策、そしてその企画がもたらすであろうインパクトについて明確に記述します。

企画の概要を書く際には、箇条書きを用いると効果的です。これにより、読み手は企画の要点を迅速に把握しやすくなります。また、この概要は後にエグゼクティブサマリーにも活用されるため、企画の全体像を簡潔かつ明確に表現することが重要です。

企画の概要を書くことで、企画書の他の部分、特に詳細な内容や実施計画のセクションにおいて、より具体的な説明を行うための基盤を築きます。

4.企画書作成時のツール選定

企画書作成の最終段階として、適切な作成ツールの選定があります。企画書の品質は、使用するツールによって大きく左右されるため、この選定は非常に重要です。

一般的には、Microsoft PowerPointやMacのKeynoteがよく使用されます。また、Google Slidesにも企画書のテンプレートが用意されており、便利です。

企画書作成に役立つツールは多岐にわたります。たとえば、マインドマップを美しく描けるツールや、データの裏付けに役立つ計算ツール、さらには企画書のテンプレート集(PowerPoint、Word、Excelなど)もあります。

また、作図ツール、インフォグラフィック作成ツール、ガントチャート作成ツール、画像編集ツール、動画編集ツール、素材集、フローチャート作成ツール、グラフ作成ツールなども、視覚的にわかりやすい企画書の作成に役立ちます。

これらのツールを適切に選定し、使いこなすことで、企画書の品質を高め、読み手に対してより効果的に企画の内容を伝えることができます。ツール選定は、企画書の目的やターゲットオーディエンスに合わせて行うことが重要です。

企画書作成時の基本構成の作り方

企画書の基本構成作成に際しては、基本構成についての理解や納得させる書き方、効果的な準備、主要要素の整理、成果の測定方法が重要です。ここでは企画書の基本構成の作り方をわかりやすく解説していきます。

基本構成の理解

企画書の作成において、まず重要なのは「基本構成を理解する」ことです。企画書は、新しいプロジェクトやアイデアを実現するための重要な文書であり、誰もが理解できる形でまとめられるべきです。

この文書には、実務レベルのプロセスやスケジュール、さらには費用対効果までを含めることが求められます。企画書の目的は、単にアイデアを提示するだけではなく、読者を納得させ、賛同を得ることにあります。

企画書の含めるべき基本構成は下記のとおりです。

・現状分析
まず、現状分析を行い、企画の必要性を裏付けます。ここでは市場の動向や社内リソースを含むさまざまな要因を考慮します。

・企画の目的と課題の特定
次に、企画の目的と全体像を明確にし、どの問題を解決しようとしているのか、どのような結果を目指しているのかを示します。

・企画の具体的な内容と解決策の提案
さらに、企画の具体的な内容を詳細に述べ、ターゲットや提供するサービス、製品、実施方法を具体化します。

・予算やスケジュールの計画
スケジュールでは、企画の実施期間や環境を考慮した計画を立てます。
最後に、収支計画を通じて、必要な投資額や収益見込みを明記し、企画の費用対効果を示します。

・効果測定と基準設定
企画の成果をどのように測定・評価するかを定義し、数値目標や基準を設けます。

これらの要素を満たすことに加え、相手が求める情報を順序良く、図表などを使って視覚的にもわかりやすい形で提示しましょう。そうすることで、読者は企画の内容を容易に理解し、納得してもらいやすくなります。

エグゼクティブサマリーの作成と現状分析・問題提示

次に、エグゼクティブサマリーによって企画書の要旨を簡潔に提示し、読者の関心を惹きます。エグゼクティブサマリーとは、事業計画やレポートの主要な内容について説明する文です。

さらに、現状分析と問題提示を通じて、企画の背景と課題についてストーリー性を持って伝え、その解決策を論理的に展開します。

上記は、企画の目的と全体像を明確にするためにも必要な項目なので、わかりやすく、具体的に示しましょう。

企画の目的と全体像の設定

企画の具体的な内容については、コンセプト、ターゲット、プロセス、使用するツールなどを詳細に説明します。スケジュールや予算、収支計画を立て、企画の実現に必要なリソースとその配分を明示することで、企画の実現可能性を示します。

まず、現状分析を通じて裏付けた企画の必要性や、市場の動向や社内リソースなどを分析して明らかにした問題点をもとに、企画の目的と全体像を設定します。どのような課題を解決し、どのような結果を目指すのかも示しましょう。

さらに、企画の具体的な内容を詳細に述べ、ターゲットや提供するサービス、製品、実施方法を具体化します。

企画書に含めるべき要素の整理

企画書の作成において、次は「企画書に含めるべき要素の整理」に焦点を当てます。企画書は、単にアイデアを提示するだけではなく、聞き手・読み手を納得させるための重要なツールです。

この目的を達成するために、企画書には前述した「現状分析」「企画の目的と課題の特定」「企画の具体的な内容と解決策の提案」「予算やスケジュールの計画」「効果測定と基準設定」といった、基本構成となる要素が不可欠です。

これらの要素をしっかりと整理し、プレゼン相手が求める情報を順序良く、視覚的にもわかりやすい形で提示しましょう。そうすることで、聞き手は企画の内容を容易に理解し、納得することができるのです。

企画の成果の測定方法

企画書の作成において、最後は「企画の成果の測定方法」に重点を置きます。

このセクションでは、企画によって立ち上げられたプロジェクトが目指す具体的な目標とゴールを明確に示します。ここでの目標設定は、期待される成果や達成のための具体的な指標を含むことが重要です。
また、企画の成果をどのように測定するかを定義し、数値目標や基準を設けることで、その達成度を明確にします。

企画書の結論部分では、提案された企画の価値と重要性を強調し、プレゼン相手に強い印象を残すことが求められます。ここで企画の目的とゴールを再確認し、実施に向けた次のステップについて触れることで、相手の関心を引き続き保ちます。

このセクションは、企画の承認や資源の割り当てを決定する上での重要な要素となるため、簡潔かつ明確なまとめが不可欠です。

企画書作成時に使えるフレームワーク

企画書作成において、3C分析、SWOT分析、6W2Hフレームワークは重要な役割を果たします。これらを用いることで、市場を深く理解し、戦略的な意思決定を行い、企画の構造を明確にすることができ、結果として企画書の説得力を向上させることが可能です。
ここでは企画書作成時に使えるフレームワークについて解説していきます。

3C分析

「3C分析」は、企画書作成時に非常に有効なフレームワークです。この分析は、マーケティング環境を深く理解するために用いられ、主に「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の3つの要素に焦点を当てます。企画書作成時に3C分析を活用することで、企画の方向性を明確にし、より説得力のある内容を構築することが可能になります。

まず「Customer」では、市場規模や成長性、顧客ニーズ、消費行動などを分析します。これにより、ターゲット市場の特性や顧客の期待を理解し、企画が顧客のニーズにどのように応えるかを明確にすることができます。

次に「Competitor」では、業界全体の状況や特に注意すべき競合企業の分析を行います。競合他社のシェアや特徴、新規参入や代替品の脅威などを考慮することで、競争優位を築くための戦略を立てることができます。

最後に「Company」では、自社の企業理念、ビジョン、既存事業や製品の現状、保有リソースなどを評価します。自社の強みや弱みを把握し、それを踏まえた上で、どのように市場にアプローチするかを計画します。

この3C分析を企画書に取り入れることで、市場の状況、競合の動向、自社のポジションを総合的に考慮した企画案を作成することができます。これにより、企画の実現可能性を高め、関係者を納得させるための強力な根拠を提供することが可能になります。

SWOT分析

SWOT分析は、企画やビジネス戦略を立案する際に用いられるフレームワークです。この分析は、自社やプロジェクトの「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の4つの要素を明確にし、それらを総合的に評価することで、戦略的な意思決定を支援します。

企画書作成時にSWOT分析を活用することで、以下のようなメリットがあります。

まず、自社やプロジェクトの内部環境(強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)を包括的に理解することができます。これにより、企画の方向性を明確にし、リスクを事前に把握することが可能になります。

また、強みを活かし弱みを克服する戦略を立てることで、より実現可能性の高い企画案を作成できます。さらに、機会を捉えつつ脅威に対処する方法を考えることで、企画の成功確率を高めることができます。

企画書にSWOT分析を取り入れる際は、各要素を具体的に記述し、それらが企画の目的や内容にどのように影響を与えるかを明確にすることが重要です。この分析を通じて、企画の根拠を強化し、聞き手・読み手に対する説得力を高めることができます。

6W2H

「6W2H」フレームワークは、企画書作成時に情報を整理し、事実を正確に伝えるのに役立つ手法です。このフレームワークは、以下の8つの質問で構成されています。

・Why(なぜ):この企画を実施する理由や社会的背景、競合他社の状況など
・What(何を):新規事業・サービス・製品で実現したいこと
・Where(どこで):マーケットの選定
・Whom(誰を):ターゲットとする顧客層
・When(いつ):実施時期やスケジュール
・Who(誰が):プロジェクトの主体
・How to(どのように):実施方法
・How much(いくらで):予算や投資、収益の見込み

企画書作成時にこのフレームワークを活用することで、企画の目的や背景、実施計画を明確に伝えることができます。

たとえば、「Why」では企画の必要性や背景を説明し、関係者の理解を深めます。「What」では具体的な成果や目標を設定し、企画の方向性を示します。

「Where」と「Whom」でターゲット市場や顧客層を明確にし、企画の焦点を絞ります。「When」と「Who」でスケジュールと責任者を定め、実行計画の具体性を高めます。

「How to」と「How much」では実施方法と予算計画を提示し、企画の実現可能性を示します。

このように6W2Hを用いることで、企画書はより構造的でわかりやすくなり、聞き手や読み手に企画の全体像を効果的に伝えることができます。また、企画の各要素が明確になるため、関係者間でのコミュニケーションもスムーズになります。

企画書の説得力を高め、実現に向けた共感や支持を得るために、6W2Hフレームワークは非常に有効なツールです。

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まとめ

企画書は、新規プロジェクトや商品開発のアイデアや計画をまとめ、関係者の支持を得るために不可欠な文書です。ビジネスにおいてアイデアを具体化し伝えるほか、多岐にわたる役割を果たします。企画書の作成には読者が企画の価値を理解し、納得するためにさまざまな知識や要素が必要です。企画書の基本構成を理解した上で、事前準備をしっかり行い、ビジネスをスムーズに展開していきましょう。

監修者情報

キャリコンリンク合同会社 代表 瀧本 博史(転職コンサルタント・心理カウンセラー)
キャリアの専門家として就職指導や職業訓練校、大学講師、ハローワークや公共機関等の相談員歴29年。心理カウンセラーとして心の問題もケアする。著書複数。NHK総合の就活ドラマも監修。取得資格は国家資格2級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー他
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