個人事業主の確定申告を解説!青色申告と白色申告どちらがお得?

2020年02月12日

個人事業主の確定申告を解説!青色申告と白色申告どちらがお得?
個人事業主として独立した人や副業を始めた人は、年に一回決められた期限内に「確定申告」をしなければなりません。今まで会社員だった人は、「なんだか難しそう」と思うかもしれませんが、ポイントをおさえれば心配はありませんし、税務署に出向けば相談しながら書類の作成ができます。
今回は、初めて確定申告をする個人事業主の方に向け、確定申告の基礎知識を説明します。青色申告と白色申告のどちらにしようか迷っている人も、参考になさってください。

確定申告で押さえておきたい基礎知識

確定申告とは

そもそも確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得の合計金額から税金額を計算し、納付するための手続きです。期限内(2月中旬~3月中旬)に確定申告書を税務署に提出することで、源泉徴収や予定納税などですでに納めている税金の合計額との過不足を精算します。

個人事業主の場合、事業年度の開始月は1月と決まっており、株式会社などの法人のように自由に決めることはできません。そのため、年の途中で開業したとしても申告期間は変わりません。

対象となる人

一般的には「収入がある人すべて」が確定申告の対象です。ただし、会社員や公務員などのいわゆる給与所得者は会社が年末調整をおこなってくれるため、一部の条件に該当する人以外は不要となります。

個人事業主の場合は基本、対象となりますが、収入(売上)から必要経費を差し引いた合計所得金額が「基礎控除額」38万円*1 に満たない場合は納める税金がなくなるため、確定申告の義務はありません。ただし、所得合計額が38万円以下であったとしても、事業融資を受けたりローンを組む際に確定申告書の提出が必要になりますので、おこなっておいたほうがよいでしょう。
*1… 令和元年分の場合の金額で、令和2年分からは変更になります

確定申告しないとどうなる?

「年末年始は繁忙期なので確定申告が面倒」という人もいるでしょう。では、もし本来確定申告が必要な納税対象者がそれをしなかった場合には、どうなるのでしょうか?

●本来受けられる控除や還付がなくなる
そもそも確定申告をしなければ、税額控除や払い過ぎの税金の還付が受けられないので、損をしてしまう可能があります。

●無申告加算税や延滞税などの懲罰的加算税が科せられる
確定申告を怠ると、本来納めるべき税額に対して無申告加算税や延滞金を課せられてしまう場合があります。申告期限日から実際に申告するまでの期間が長ければ長いほど、多額になることもあります。

●住宅ローンや事業融資が受けられない
ローンを組む時など、必ず求められるのが収入を証明する書面。会社員であれば源泉徴収票などでよいのですが、個人事業主の場合には確定申告書の提出を求められるのが基本ですので、確定申告をしなければ提出書類が揃わず、融資を受けることができません。

申告内容が事実と異なったら

もし確定申告をしていても、故意に所得を捏造して税額を少なくするなどの行為をすると、刑事罰を受ける可能性もあります。確定申告は、正しく・期日内におこなうことが重要です。
申告後に内容の間違いに気がついた場合ですが、期日内なら何度でも再提出可能です。税務署では、最新の提出物を無条件に正式な申告書として受理してくれる仕組みになっていますので、あわてず速やかに修正申告書を提出するようにしましょう。
なお、期日を過ぎても、申告税額が本来の税額より少ないことが判明したら「修正申告」をおこないましょう。この場合、差額分の税金に加えて遅滞税を納付する必要があります。

申告時期と提出方法

確定申告は、毎年2月中旬~3月中旬の期間におこない、3月31日までに所得税を自分で納めます。特に「税額決定通知」のようなものはないので、自分で申告した納税額を期日までに自主的に納付します。期間は毎年同じような時期に決まっていますが、正確な日付を確認しておきましょう。2020年の確定申告受付期間は2月17日(月)~3月16日(月)です。

提出方法は主に3つです。それぞれにメリットや注意点があります。

●管轄の税務署の窓口に提出する
税務署員に相談しながら確定申告書の作成をすることができます。また、地域によっては一時的に税務署以外にも確定申告会場が設けられることがあり、そちらでも同様のことができます。ただし、申告期限が迫ってくると、どちらも混雑することが多いため、あまりぎりぎりで相談に駆け込むことがないようにしたいものです。

●管轄の税務署へ郵送する
作成した確定申告書を、郵便かレターパックで直接送付することも可能です。あくまでも郵送のみとなり、宅配便などでの提出は不可なのでご注意ください。

●e-Taxを使って提出する
インターネット上の専用ページでデータを入力するだけで確定申告書を作成・送信することができます。いつでも好きな時間に申告ができるのがメリットです。e-Taxの利用には、事前申請・電子証明書を格納したマイナンバーカードや住基カード・ICカードリーダライタ(スマホでも対応可)などが必要ですので、早めに準備をしておきましょう。

申告に必要なものを確認しよう

確定申告書の様式には「A」と「B」の2種類があります。Aは会社員などが使う様式ですので、個人事業主はBを使って申告書を作成します。
申告の際に提出する書類は、白色申告の場合と青色申告の場合とで一部異なります。(白色申告と青色申告の違いは、この後説明します。)

●共通して必要なもの  ※該当する場合
・社会保険料の控除証明書
・各種保険控除関係書類
  -生命保険・医療介護保険・地震保険等各種保険料控除証明書
  -小規模企業共済掛金払込証明書
・医療費控除の明細書(または医療費通知書)
・住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)関係書類
  -住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  -借入金残高証明書
  -登記事項証明書等 ※初年度のみ、2年目からは不要
・源泉徴収票 ※給与や退職金・年金の支給があった場合 など
※住宅ローン控除については、「新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。」などいくつかの適用条件がありますので事前にご確認ください

その他、寄付をおこなった場合や災害等によるやむを得ない支出に対する控除などもあります。
詳細は国税庁「申告書に添付・提示する書類」で確認できます。

●白色申告の場合
・「確定申告書B」の書類
・収支内訳書

●青色申告の場合
・「確定申告書B」の書類
・青色申告決算書(4枚構成)

青色申告と白色申告、どっちがお得?

青色申告と白色申告の違いとは

個人事業主の確定申告には、「白色申告」と「青色申告」とがあります。
この2つの違いを簡単にいうならば、「白色申告は簡単な帳簿付けで手間が少なく、青色申告は複式簿記による帳簿作成が義務づけられていて面倒だけどその分特典がある」ということです。

個人事業主には青色申告がおすすめ

では、青色申告で受けられる特典とはどのような内容でしょうか?
まず、条件を問わず誰もが受けられる特典としては、所得控除です。青色申告を選択するだけで10万円、そして、貸借対照表と損益計算書を作成すれば65万円*2の所得控除が受けられるので、大きな節税効果を得ることができるのです。
*2…令和元年分の場合の金額で、令和2年分からは変更になります

またその他にも、赤字が3年間繰り越せ、家族への給与として支払った経費に上限がない(白色申告では配偶者86万円、生計を一にする親族50万円の上限あり)、というメリットも受けられます。

事業のスタートアップ時には、キャッシュフローが厳しいということもよくあります。申告方法の違いだけでこれだけの節税効果が得られるので、初年度から収入を大きく上げていく予定の個人事業主には、断然青色申告がおすすめです。

青色申告特別控除を受けるための条件

青色申告特別控除を受けようと思ったら、「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。提出期限は、業務を開始してから2ヶ月以内もしくは適用を受けたい年の3月15日までとなっています。すでに開業済みで、その年度の期限までに申請をしていない場合にはその年度は白色申告になります。来年度は青色申告を希望するのであれば、今年の期限内に申請をするようにしましょう。

また、青色申告の申請をしても、65万円の特別控除を受けるための条件を満たしていない場合には、特別控除額は10万円になります。条件によって控除額に大きな金額差があるので、条件を確認しておきましょう。

<65万円の特別控除を受けるための条件>
・複式簿記による記帳をしている
・損益計算書と貸借対照表を提出してある
・その年の期限内に確定申告をしている

しっかりと書類がそろっていても、期限を守らなければ特別控除額が減ってしまいますから、その点も注意しましょう。

まとめ

初めての時には難しく感じる確定申告ですが、一度理解してしまえばそれほどでもありません。
個人事業主の場合は、収入の合計から必要経費を差し引いた金額が課税対象額となるため、日ごろから記帳や帳簿付けをまめにおこなっておくことが大切です。申告期限の直前になってあわてることのないよう、期間の余裕をもって準備をするようにしましょう。

■参考サイト
国税庁「初めて確定申告される方へ:令和元年分 確定申告特集」
財務省「加算税の概要」

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