注文書とは?記載事項や書き方、発注書との違い、テンプレートを紹介
最終更新日:2024年02月16日
この記事では、注文書と発注書はどのように違うのか、また注文書にはどのような項目が必要なのかを解説していきます。普段使っている注文書について、どのような場面で使われるか理解を深めてください。
- 注文書とは
- 注文書の役割
- 注文書に必ず記載すべき項目
- 注文書に記載したほうがよい項目
- 注文書と発注書の違い
- オーダーメイド商品の場合
- 無形のサービスや作業の場合
- 注文書を書く際に用意するもの
- 注文書作成のフロー
- まとめ
注文書とは
注文書とは、物品の購入などをする際に注文の内容を記した文書のことです。
したがって注文書は、注文を依頼する側が作成し、注文内容を実行する側が受取人となります。
商取引において、口頭で注文がなされたり、注文書の作成をしなかったりする場合もありますが、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)が適用される親事業者と下請事業者の場合には、必ず注文書を作成しなければなりません。
注文書の役割
注文書が必要とされる理由の一つにトラブルの防止があります。たとえば口頭で注文した場合、聞き違いや記憶違いなどで発注内容が変わってしまったり、数量に差異が出たりする恐れが出てきます。
また口頭では「言った」「言わない」などのトラブルが発生することが多くあります。そのようなときに注文書を作成し、文字に起こすことは大切です。
つまり注文書の役割としては、取引の品物や数、期日など取引の内容をお互いに確認して契約するということが挙げられます。
注文書に必ず記載すべき項目
注文書には記載すべき最低限の項目があります。以下に項目を列挙します。
(2)発注年月日
(3)納期および納品場所
(4)取引内容
(5)注文金額
(6)支払期日および条件
(7)書類の交付を受ける事業者(受注者)の氏名または名称
(8)納品物の検査をする場合は検査完了日
納期については、商品の受取日やサービスの提供を受ける日を記入します。その日に間に合わなければいけない場合には重要な日付となります。また納期場所は実際に商品を受け取る場所を記入します。
注意点としては、実際に相手に注文書が届いてから、納品やサービスの提供が可能な日付を記入することです。もし納期が未定の場合にはその旨を書いておきましょう。
支払期日および条件とは「いくらの金額を、いつ、どのように支払うか」ということです。現金や銀行振り込みが一般的ですが、手形払いなどもよく利用されます。また支払期日は、販売する側は早めに、支払う側は遅めに希望しますので、トラブル防止のためにも明記しておくのが良いでしょう。
注文書に記載したほうがよい項目
以下は必須の項目ではありませんが、注文書に記載したほうが良いと考えられる項目です。これらの項目を記載しておくことで、相手先とのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。
(2)備考
発注番号は、特に同じような注文を繰り返す場合に、双方の管理のために非常に便利です。また自社の管理においても、いつ、どこへ注文したかがわかるので、附番を行いましょう。
備考については、取引に関するその他の事項を記入します。もし商品やサービスを提供する方法について、特別な取り決めを行う場合などに使用します。
特に親会社が原材料を有償で支給する場合など、その品名,数量,対価,引渡しの期日,決済期日及び決済方法は記載必須の項目になりますので、専用の項目を作成するか、備考欄に記載します。
注文書と発注書の違い
会社によっては注文書と呼ばず、発注書という名称を用いることがあるかもしれません。一般的に注文書も発注書も呼び方が違うだけで、法的な違いはなく、同様の取り扱いがされています。ただし商品やサービスの内容によっては、以下のような観点で使い分けることもできますので、必要に応じて選んでください。
オーダーメイド商品の場合
一般的に注文書を使う場合には、定型的な品物を注文するケースが多いです。たとえば文房具など、型番などがはっきりしているものを発注する場合には、カタログにある番号などを記入するので注文書という呼び方がふさわしいといえます。
一方、特別注文の手作りのいすや、背広などオーダーメイド商品の場合には定型のものが存在しません。独自に採寸などを行って制作者に依頼するので、発注書という呼び方がよく使われます。つまり定型のものであるか、オーダーメイドの商品であるかで使い分けることができるのです。
無形のサービスや作業の場合
文房具のように形のある有形物であれば、個数を指定して注文することができますから、注文書と呼んでも差し支えないでしょう。
一方で、自社用のソフトウェアを発注したり、工事など作業一式を依頼したりといった請負作業を依頼する場合には、発注書を使うことが多いです。
つまり有形物を依頼する場合には注文書、無形のサービスや作業を依頼する場合には発注書という使い分けができます。
注文書を書く際に用意するもの
定型のものが用意されていない場合、注文書を作成するには2つの方法があります。一つは文具店などで売っている注文書を使用する方法です。用紙を購入して、発注内容を記入します。
もう一つの方法は、インターネット上で配布されているテンプレートを使い、パソコンで作成する方法です。公開されているテンプレートは無料のものも多くそろっています。手書きと比較して記入が簡単なうえ、ExcelテンプレートならPDF保存もでき、管理もしやすいので、テンプレートの使用をおすすめします。
注文書作成のフロー
注文書を作成するためには、一定の準備が必要です。以下に注文書作成のフローを紹介します。
- 見積書作成を依頼する
- 見積書を受け取る
- 見積書の内容を確認する
- 注文書を作成する
はじめに受注者に対して見積もりを依頼します。受注者は発注者の条件を勘案して、見積書を作成します。
見積書を発注者に提出したら、発注者は内容を吟味し、発注すべきかを検討します。
発注することを決定したら、注文書を作成します。注文書は見積書に沿った内容を記入し、納期や支払い内容などは協議のうえで決定します。
なお、定型の商品などをオーダーする際には、カタログをもらうことで見積書のプロセスを飛ばすことが可能です。その場合は直接注文書を作成し、送付します。
まとめ
ものやサービスの提供を受けるためには、注文書を作成します。注文書と似たような書類に発注書があり、基本的には同じものとして取り扱われます。ただし、オーダーメイド商品やサービスの場合は発注書が使われることが多いです。
注文書は文具店などでも購入可能ですが、インターネットで探せるテンプレートを使えば、簡単に作成できます。自社での管理なども容易になるので、ぜひテンプレートを使ってみてください。
執筆者情報
青野 泰弘(ファイナンシャルプランナー・行政書士)1964年静岡県生まれ。同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。その後トヨタファイナンシャルサービス証券、コスモ証券などで債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事した。2012年にFPおよび行政書士として独立。相続、遺言や海外投資などの分野に強みを持つ。
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