退職願・退職届の正しい書き方と例文【テンプレート】

最終更新日:2024年02月22日

退職願・退職届の正しい書き方と例文【テンプレート】
退職をする際には、適切な手続きとマナーの理解が必要です。本記事では、退職願・退職届・辞表の違いや、それぞれの書き方、封筒の書き方や封入方法、提出タイミングなどについて詳しく解説します。さらに退職届の法的側面や、退職願の受理が得られない場合の対処法などについても触れています。
円満な退職のためにも、これらの情報を参考にしてください。
【目次】
  • 退職願や退職届を書く前に確認すべきこととは?
    • 退職願を書く前に就業規則を確認
  • 退職願・退職届・辞表の違いとは?出す方法や出すタイミングについて
    • 退職願・退職届・辞表の違いとは
    • 退職願・退職届の出す方法とタイミングとは?
  • 退職願・退職届の書き方|手書き例文・封筒の書き方例
    • 手書きの場合準備すべきものは3つ
    • 退職願・退職届のテンプレートを利用する
    • 退職願・退職届の書き方
    • 封筒の書き方や封入のポイント
  • 退職願・退職届に関するQ&A
    • 一度出した退職届を撤回することはできるか?
    • 退職願を上司が受け取ってくれない場合、どのように受理してもらうべきか?
    • 会社都合の退職をすることになった場合、退職届を出す必要はあるか?
    • 退職願の理由として一身上の都合以外で使えるものはありますか?
  • まとめ
無料で6,000以上の
テンプレートをDLするなら!

>会員の方はこちらからログイン

退職願や退職届を書く前に確認すべきこととは?

退職願を書く前に就業規則を確認

退職願を書く前にまず確認すべきことは、在籍している会社の就業規則の有無です。就業規則がある場合、退職の手続きに関する項目が記載されており、退職希望日の何ヶ月前までに退職願を提出する必要があるかが明示されています。

たとえば、就業規則に「2ヶ月前までに提出」とある場合、1ヶ月前に提出してしまうと受理されないリスクがあります。

また、近年話題になった退職代行サービスについても、その利用が就業規則に反しないかを確認することが重要です。円満な退職を目指すためには、これらの点を念頭に置き、適切な手続きを踏むことが不可欠です。

退職願・退職届・辞表の違いとは?出す方法や出すタイミングについて

退職願・退職届・辞表の違いとは

退職願、退職届、辞表には違いがあります。これらの書類は、退職に関する手続きにおいて重要な役割を果たしますが、それぞれの目的と使用される状況が異なります。

・退職願:退職を会社に願い出るための書類

退職願は、退職の意思を示すものです。必ずしも書面で提出する必要はありませんが、書面で提出することで退職の意思が固いことを示し、退職の申し入れの根拠とすることができます。特に、転職先が決まっており、退職交渉の時間が短い場合には、準備しておくことが推奨されます。

・退職届:退職が確定した後に、会社に対して退職を届け出るための書類

会社の規定によっては、退職届の形式や提出先が異なる場合があるため、上司や人事担当社に確認することが大切です。

・辞表:社長や取締役など、雇用関係のない立場の人が、務めている役職を辞めることを届け出るための書類

公務員が辞める際にも辞表を提出しますが、一般の会社員が退職する場合には、辞表の提出は必要ありません。

これらの書類を提出する際には、就業規則を確認し、退職を希望する日の1~2ヶ月前に申し出ることが一般的です。

また、退職願や退職届の出し方やタイミングは、就業規則や社内規定に従い、メールや郵送などの指定がなければ、会議室など他の社員がいない場所で直属の上司に直接手渡すことがマナーとされています。

退職願・退職届の出す方法とタイミングとは?

一般的な退職願・退職届の出し方と退職までの流れ

一般的な退職願・退職届の出し方と退職までの流れは下記のとおりです。

  1. 退職を決意・就業規則を確認・上司に相談
  2. 退職希望日を記載した退職願を作成
  3. 退職願を上司に手渡し承認を得て退職日を決定
  4. 退職届を提出
  5. 退職

退職を決意したら、まずは会社の就業規則を確認しましょう。退職希望日を記載した退職願を作成し、直属の上司に手渡して承認を得て退職日を決定します。

上司との話し合いが済み、退職日が確定したら退職届を提出し、退職の手続きを行います。なお、退職願は退職の意思表示として、退職届は退職が確定した後の正式な手続きとして位置づけられています。

退職願・退職届の提出は、通常、直属の上司に対して行われ、退職を希望する日の1~2カ月前に申し出るのが一般的です。

ただし、会社によっては就業規則や社内規定で異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。円満な退職を目指すためにも、これらの手続きを適切に行うことが求められます。

退職願・退職届の書き方|手書き例文・封筒の書き方例

手書きの場合準備すべきものは3つ

退職願や退職届を手書きで作成する際の注意事項として、以下の3点が重要です。

  • 白の便箋を使用する(B5サイズが一般的だがA4も可)
  • 白の無地の封筒を使用する
  • 黒のボールペンまたは万年筆を使用して作成する

これらの中で特に注意すべき点は、摩擦で消えるボールペンを使用しないことです。上記で紹介した文房具を用意し、正しいフォーマットにてマナーを守って書類を作成しましょう。

退職願・退職届のテンプレートを利用する

退職願や退職届をPCで作成する場合は、テンプレートの利用が便利です。
縦書き、横書きがありますが、最もフォーマルなのは縦書きです。

退職願・退職届の書き方

退職願・退職届の書き方のポイント

退職願・退職届の書き方のポイントを項目ごとに紹介します。

  1. 書き出し:「私儀」と記載
  2. 退職理由:自己都合退職の場合は「一身上の都合」と書く
  3. 退職日:退職願では退職希望日、退職届では合意した日付を記載
  4. 文末:退職願では「お願い申し上げます」、退職届では「退職いたします」と記載
  5. 届出年月日:提出する日付を記入
  6. 所属部署、氏名:宛名より下に所属と名前を記入(自筆で署名、または記名・押印)
  7. 宛名:代表取締役社長など最高執行責任者の役職と名前を記載

退職願・退職届を適切に書くことは、円満な退職に向けて非常に重要です。

たとえば、退職理由を「一身上の都合」と表現することで、個人的な事情を適切に伝え、後のトラブルを避けることができます。

また、退職日の記載は、上司との合意に基づいて正確に行う必要があります。さらに所属部署や氏名の記載、宛名の書き方にも注意し、社内のマナーや規定に則った形で文書を作成することが求められます。

これらの要素を適切に記載することができれば、スムーズな退職手続きにつながり、今後のキャリアにも良い影響を与えることでしょう。

封筒の書き方や封入のポイント

封筒の書き方や封入のポイントは下記のとおりです。

  • 便箋の折り方:向かって上部が上に重なるように折り込む
  • 退職理由:自己都合退職の場合は、「一身上の都合」と記載
  • 封筒の表面:「退職願」または「退職届」と明記
  • 封筒の裏面:差出人欄に所属部署と名前を記入
  • 封入方法:便箋の上の右端が表面の上部に来るように入れ、のりで封をし、〆を記載

これらの注意点に気をつけて、退職願や退職届を正しく提出しましょう。

退職願・退職届の封筒の表書き
退職願・退職届の折り方

退職願・退職届に関するQ&A

一度出した退職届を撤回することはできるか?

一度出した退職届は、原則として撤回することはできません。

なお、提出したものが退職願・退職届・辞表のどれなのかによって対応が異なります。

・退職届を撤回したい場合
退職届は、退職が確定した後に会社に対して退職を届け出るための書類です。退職届は、上司が受理をした時点で労働契約の解除の効力が発生し、原則として撤回することはできません。

退職届の提出は、退職願の提出とは異なり、退職が確定した事実を会社に通知する行為です。そのため、退職届を提出する際は、退職の意思が固まっていることが前提となります。

退職届を提出した後の撤回は原則として不可能であるため、提出前には十分な検討と準備が必要です。また、退職届を提出することで生じる可能性のある職場内の関係性の変化やキャリアへの影響も考慮することが重要です。

・退職願を撤回したい場合
退職願は、従業員が自らの意志で退職を希望する際に提出する文書です。これは法的な効力を持つ退職届とは異なり、あくまで退職の意向を会社に伝えるためのもので、法的な拘束力はありません。

退職願を提出したからといって、会社がそれを受理する義務はなく、実際に退職が認められるどうかは会社の判断に委ねられます。通常、退職願は退職届の提出に先立って提出されることが多く、会社と従業員との間で退職に関する話し合いが行われるきっかけとなります。

退職願の提出は、突然の退職届提出よりも円滑な退職手続きを促し、双方の理解を深めるために有効です。ただし、退職願を提出した後でも、従業員は退職の意志を変更することが可能です。

この点は、退職届とは異なり、より柔軟な対応が可能であるという特徴があります。会社側も退職願を受け取った後、従業員の退職意志の確認や、退職に至った理由の把握、必要に応じた対応策の検討などを行うことが望ましいです。

・辞表を撤回したい場合
辞表は、社長や取締役など、雇用関係のない立場の人が務めている役職を辞めることを届け出るための書類です。辞表は、退職願や退職届とは異なり、一般の会社員が使用するものではありません。公務員が辞めることを届け出る場合にも辞表が使用されますが、これは退職届と同じ扱いになります。

辞表を提出する際は、社長や取締役などの最高執行責任者に対して行います。辞表を提出した時点で、その役職の契約の解除が行われるため、原則として撤回することはできません。辞表は、役職を辞めることを届け出るものであり、その後も一般社員として勤務を続ける場合もあります。

辞表の書き方や提出方法については、一般的なガイドラインはありませんが、退職願や退職届と同様に、所属部署、氏名、辞める役職、辞める理由などを明記し、適切な形式で提出することが重要です。

辞表の提出は、通常、組織のトップレベルの意思決定に関わるため、慎重に行う必要があります。

退職願を上司が受け取ってくれない場合、どのように受理してもらうべきか?

退職を希望する際、まずは直属の上司に退職願を提出することが一般的です。しかし、上司が退職願を受け取らない場合は、まずは直属の上司に対して退職の意思をより明確に伝えることが重要です。

それでも直属の上司が退職願を受け取らない、または退職交渉に応じない場合は、上位の上司や部門長に相談することが推奨されます。ただし、直属の上司に一度も退職について相談していない状態で、上位の上司に直接退職願を提出することは避けるべきです。これは会社員としてのマナー違反と見なされ、退職交渉が難航する原因となり得ます。

さらに、退職願の提出は、就業規則や社内規定に基づいて行う必要があります。退職願の提出先や期限は会社によって異なるため、退職交渉を始める前には必ず就業規則を確認することが肝要です。
退職願を提出した後、人事責任者の承認が下りるまでは、撤回することが可能な場合もありますが、原則として撤回は難しいと考えるべきです。退職を申し出た後に撤回することは、会社との関係に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に行動することが求められます。

また、退職を希望する場合、退職願を書く前に直属の上司以外に人事部に相談することも有効です。現職を続けることが困難な理由を伝え、解決策がないかを話し合うことで、円滑な退職交渉が可能になることがあります。さらに家族や友人から客観的な意見をもらうことも、退職の決断に役立ちます。

このように、退職願の受理を得るためには、適切な手順と対応が必要です。直属の上司が退職願を受け取らない場合は、上位の上司や人事部への相談を通じて、円滑な退職交渉を目指しましょう。

会社都合の退職をすることになった場合、退職届を出す必要はあるか?

会社都合での退職の場合、退職届の提出は法的に必須ではありませんが、一般的なビジネスマナーとして推奨されています。
退職届は、退職が確定した後に会社に対して退職を届け出るための書類です。これは、退職の意思が固まり、会社との話し合いによって退職日が決定した後に提出されるものです。

会社都合の退職の場合、退職届には合意した具体的な内容を記載することが重要です。これには、退職日や退職に至った経緯、退職後の取り決めなどが含まれます。退職届を提出することで、退職のプロセスが正式に記録され、双方の誤解を防ぐことができます。

また、退職届の提出は、今後のキャリアにおいても重要な意味を持ちます。退職届を適切に提出することで、円満な退職が可能となり、将来的に再就職や転職の際の信頼性を保つことができます。特に、会社都合の退職の場合、退職の理由や経緯を明確にすることが、次の職場での誤解を避けるためにも役立ちます。

退職届の書き方には一定のフォーマットが存在し、退職の意思を表明する文言、退職日、所属部署、氏名などが含まれます。通常、退職届は直属の上司や人事部宛てに提出され、会社によっては退職届のテンプレートが用意されていることもありますので、事前に確認することが望ましいです。

退職届を提出する際には、就業規則や社内規定を確認し、適切な手続きを行うことが重要です。これにより、退職のプロセスがスムーズに進み、今後のキャリアにおいても円満な退職が可能となります。

会社都合の退職の場合でも、退職届を適切に提出することで、双方の誤解を防ぎ、将来的に再就職や転職の際の信頼性を保つことができます。特に、会社都合の退職の場合、退職の理由や経緯を明確にすることが、次の職場での誤解を避けるためにも役立ちます。

退職願の理由として一身上の都合以外で使えるものはありますか?

退職願には通常「一身上の都合」と記載されることが多いですが、他の理由を記載することも可能です。

たとえば、家族の介護が必要になった場合、これは会社側も理解しやすく、円満退職につながりやすい理由の一つです。

●家族の介護が理由の場合の具体例

最近、家族の健康状態が急速に変わり、介護が必要な状況になりました。

このような状況を鑑み、家族を支えるためには、私自身がより柔軟に時間を管理し、身近にいる必要があると判断しました。このため、大変残念ではありますが、退職を決意しました。

会社にはこれまで大変お世話になり、仕事を通じて学んだこと、経験したことは今後の人生においても大きな財産になると感じております。大変申し訳ございませんが、このような決断をするに至った事情をご理解いただければ幸いです。

また、健康上の問題が続いている場合も、退職理由として適切です。特に、勤務時間の長さや職場環境が原因での健康問題であれば、その点を明確にすることが重要です。

●健康上の問題が理由の場合の具体例
ここ数ヶ月、健康上の問題を抱えており、治療と回復に専念する必要があると医師からも勧められました。

特に、勤務時間の長さや職場環境が私の健康に影響を及ぼしていることが明らかになり、現在の勤務体制を続けることが困難であると判断しました。健康を最優先に考えたところ、残念ながら退職を選択することに至りました。

会社での経験は私にとって非常に価値があり、同僚や上司と過ごした時間は決して忘れることのできないものです。大変申し訳ございませんが、このような状況であることをご理解いただき、ご支持いただけることを願っております。

結婚が退職の理由となるケースもあります。特に、婚約者が遠方に住んでいるなど、結婚によって生活環境が大きく変わる場合は、退職理由として受け入れられやすいです。ただし、現代では結婚に伴う退職が減少傾向にあるため、この理由を使う際は状況を詳しく説明することが望ましいでしょう。

●結婚が理由の場合の具体例
この度、私事で恐縮ですが、結婚を機に生活環境が大きく変わることになりました。婚約者が遠方に住んでおり、共に新しい生活をスタートさせるためには、現在の職を離れる必要があります。この決断は簡単なものではありませんでしたが、私生活の大きな変化に伴い、新たな人生のステップへと進む決意を固めました。

会社での勤務は私にとって多くの学びと成長の機会を提供してくださいました。ここでの経験は、今後の人生においても大切な財産になると確信しております。このような個人的な理由で退職を申し出ることとなり、大変申し訳ございませんが、ご理解とご支援をいただけると幸いです。

一方で、待遇面の不満や人間関係の問題など、退職理由を詳しく書くべきではないケースもあります。特に、給与や休日などの待遇面に関する不満は、入社時に承諾している以上、退職理由としては適切ではありません。また、人間関係の不満も詳細を記載する必要はなく、口頭で伝える方が良いでしょう。

退職理由によっては、失業給付金の受給条件に影響を与えることもあります。自己都合退職の場合、通常は給付制限期間が設けられますが、会社側に原因がある場合は、その制限期間が短縮されることがあります。したがって、退職理由を選ぶ際は、失業給付金の条件も考慮に入れることが重要です。

このように、退職願や退職届における退職理由は、個々の状況や会社の文化、法的な側面を考慮して慎重に選ばれるべきです。

まとめ

退職手続きには就業規則の確認が必要です。退職願は意向を示し、退職届は退職が決まった後に提出します。手書きの場合は、白い便箋、黒のペンを使い、正しいフォーマットとマナーを守ることが大切です。「一身上の都合」などを理由にし、退職日や所属部署、氏名の記載を忘れないよう気をつけましょう。なお、退職届は法的効力があり、撤回は難しいことともあります。円満な退職と今後のキャリアに影響しないために、適切な手続きと理由の選択が重要であることに注意しましょう。

関連記事:退職証明書・離職票とは?概要や記載事項を解説

執筆者情報

キャリコンリンク合同会社 代表 瀧本 博史(転職コンサルタント・心理カウンセラー)
キャリアの専門家として就職指導や職業訓練校、大学講師、ハローワークや公共機関等の相談員歴29年。心理カウンセラーとして心の問題もケアする。著書複数。NHK総合の就活ドラマも監修。取得資格は国家資格2級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー他
プロフィールを見る >

労務・給与 のテンプレート一覧へ

慶弔類届け出用紙、育児休業申請書など、会社の一般事務の中でも、労務仕事に関連する社内文書を集めました。ダウンロード後、そのまま印刷してご利用いただけますが、Word(ワード)形式やExcel(エクセル)形式での提供となりますので、必要な部分を書き換えることも可能です。
労務・給与のテンプレートは無料でダウンロードしていただけます。

[PR]
[PR]
このコラムをシェアする