出勤簿とは?対象者や書き方を解説【無料テンプレート】

最終更新日:2024年08月27日

出勤簿とは?対象者や書き方を解説【無料テンプレート】
出勤簿は、従業員の勤務状況を正確に記録し、法的義務を果たすための重要な書類です。正社員からアルバイトまでの全従業員が対象となり、勤務時間、休憩時間、時間外労働などが詳細に記載されます。
この記事では、出勤簿の書き方、必要な記入項目、始業と終業時刻の重要性、休憩や時間外労働の記録方法、そして法的に求められる保存期間について解説します。正確な記録は、労働基準法遵守と労働者の権利保護に不可欠であり、企業にとっても重要な責任となります。
【目次】
  • 出勤簿は従業員全員が対象
  • 出勤簿の書き方や記入項目
    • 始業時刻と終業時刻
    • 休憩時間
    • 時間外労働時間
    • 休日労働時間
    • 深夜労働時間
    • 出勤簿の記入項目の注意点
  • 出勤簿の無料テンプレート
  • 出勤簿の保存期間は3~5年
  • まとめ
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出勤簿は従業員全員が対象

出勤簿の作成は、従業員全員が対象です。これは、正社員、パートタイム、アルバイトなど雇用形態にかかわらず、全員の勤務状況を記載する必要があるためです。

出勤簿を作成するには正確な勤怠管理が必要であり、タイムカードやデジタル端末からの打刻などを活用し、客観的な労働時間の把握が求められます。

ただし、労働基準法第四十一条第二項に規定される「管理監督者」に該当する管理職は、必ずしも出勤簿に記載する必要はありません。管理監督者は、自身の判断で出退勤ができる自由裁量を持つ人を指し、会社の役職名ではなく、職場における権限や実際の職務内容、賃金などによって判断されます。

出典:労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化のために|厚生労働省 都道府県労働局 労働基準監督署

出勤簿の書き方や記入項目

出勤簿の適切な記載は、労働者の勤務状況を正確に把握し、法的義務を果たすために重要です。勤務時間と労働時間の違いを理解し、始業から終業までの拘束時間や実際に働いた時間を正確に記録することが求められます。ここでは出勤簿の具体的な書き方や記入項目について解説していきます。

始業時刻と終業時刻

出勤簿における始業時刻と終業時刻の記載は、労働者の勤務時間を正確に把握し、適切な労働管理を行うために不可欠です。これらの時刻は、日別の労働時間数を算出する際の基本となり、時間外労働や休日労働の有無を判断するためにも重要となります。

休憩時間

労働基準法において「6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない」と定められています。したがって、休憩時間を出勤簿に正確に記載することが法的にも重要です。これにより、労働時間の適正な管理が可能となり、労働基準法に基づく適切な労働環境の確保に寄与します。

時間外労働時間

時間外労働の記録は出勤簿の項目として重要です。
企業は原則として1日8時間、週40時間を超える時間外労働を記録し、従業員の健康と適正な労働環境を守るために管理が必要であるとともに、割増賃金を支給する必要があるからです。これは法的義務であり、労働者の権利保護と法令遵守に寄与します。

休日労働時間

休日労働時間の記録は出勤簿に不可欠です。これには、休日に働いた日付、時刻、労働時間を詳細に記載します。
また、法定休日の場合は賃金の割増率が変わるため、給与計算上も詳細な記載が必要となります。法律では休日を週に最低1日と定め、適切な労働時間管理と法的遵守を支援します。

深夜労働時間

深夜労働は、夜22時から翌朝5時までの時間帯を指します。この時間帯に行われる労働については、出勤簿にその日付、具体的な勤務開始と終了の時刻、そして勤務した総時間数を正確に記録することが法律で求められています。
なお、深夜時間帯は賃金の割増率が変わるため給与計算上の記録が必要です。

出勤簿の記入項目の注意点

出勤簿を記載する上で、勤務時間と労働時間の違いを理解する必要があります。

勤務時間とは、始業から終業までの拘束時間を指し、休憩時間も含まれます。
一方、労働時間とは実際に働いた時間、つまり実働時間を指し、休憩時間は除かれます。

出勤簿には、所定労働時間や法定労働時間、法定内残業時間などが記載され、これにより企業は労働時間を適切に把握し、法的義務を果たすことができます。

また、変形労働時間制を採用している場合、業務の繁閑に応じて所定労働時間が変動するため、出勤簿の記載もそれに応じて変わります。

正確な出勤簿の記載は、労働基準法違反の防止につながり、企業と労働者双方の利益を守ることにつながります。出勤簿の適切な管理は、労働者の権利保護と適正な労働環境の確保に寄与し、企業の法令遵守にも役立ちます。

近年は労働時間の客観的な把握のため、デジタル端末からの打刻や出勤簿の同時運用が推奨されています。これにより、労働時間の正確な記録が可能となり、適切な労働管理が実現されます。

出典:変形労働時間制の概要|厚生労働省

出勤簿の無料テンプレート

出勤簿の保存期間は3~5年

出勤簿は、労働者の労働日数や出勤・退勤時刻などを記録する重要な書類です。労働基準法に基づき、企業は出勤簿を作成し、保存する義務があります。

出勤簿の保存期間は、以前は3年間とされていましたが、2020年4月の労働基準法の改正により、賃金請求権の時効が5年間に延長されたことから、出勤簿の保存期間も5年間に変更されました。ただし、経過措置として、当分の間は3年間の保存でも問題ないとされています。

出勤簿を適切に保存しないと労働基準法に違反する可能性があり、最悪の場合、30万円以下の罰金が科されることもあります。

特に、退職者の出勤簿も含め、すべての記録を5年間保存することが重要です。これにより、労働基準法の遵守だけでなく、従業員の権利保護にも寄与します。

このように、出勤簿の保存は法的義務であり、労働時間の適正な管理と従業員の権利保護のためにも重要な役割を果たします。企業は、出勤簿の正確な作成と適切な保存を心がけ、法令遵守と労働環境の改善に努めることが必要となります。

出典:労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

まとめ

出勤簿の適切な管理は、従業員の勤務状況を正確に把握し、法的義務を果たすために不可欠です。従業員全員が対象であり、雇用形態にかかわらず勤務状況を記載する必要がありますが、管理監督者は例外の場合もあります。
出勤簿には、始業・就業時刻、休憩時間、時間外および休日労働時間などが詳細に記載され、これにより企業は労働時間を適切に把握し、法的義務を果たすことができます。
正確な出勤簿の記載と保存は、企業と労働者双方の利益を守るために重要ですので、これらの内容を十分に理解してミスが起こらないよう気をつけましょう。

執筆者情報

キャリコンリンク合同会社 代表 瀧本 博史(転職コンサルタント・心理カウンセラー)
キャリアの専門家として就職指導や職業訓練校、大学講師、ハローワークや公共機関等の相談員歴29年。心理カウンセラーとして心の問題もケアする。著書複数。NHK総合の就活ドラマも監修。取得資格は国家資格2級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー他
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