在宅勤務をすぐに始めたい-「みなし労働時間制」の活用-

最終更新日:2020年04月09日

在宅勤務をすぐに始めたい-「みなし労働時間制」の活用-
新型コロナウイルスの対策として、政府が奨励している在宅勤務、多くの方が取り組み始めました。しかし、「導入はしたいが、きちんと管理ができるか不安」「どんな設備を用意すればいいかわからない」「設備を用意するにしても時間がかかりそう」という状況に困惑されている方も多いようです。ここでは、設備不要で早急に在宅勤務を導入するために、「みなし労働時間制」を活用する方法と、そのための「在宅勤務日報」をご紹介します。
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在宅勤務を最短で始める方法

「在宅勤務」イコール「テレワーク」という認識をお持ちの方も多いようです。しかし、テレワーク環境がなくても在宅で業務ができる場合は、必ずしも「テレワーク」は必須ではありません。自宅に書類を持ち帰り、自宅で作業を行い、次回出社日に作成された書類を持参する、という形でも問題ないのです。セキュリティの問題は別ですが、現実的に実施可能ならば問題ありません。しかし、その際に問題になるのは労働時間の管理です。業務は何時に開始し、休憩は何分とったか、何時に業務終了したのか、という労働時間の管理の問題です。そのために、何らかの方法で会社と自宅をネットワークで接続し、その管理を図る方法が採用されています。それが「テレワーク」です。しかし、その一方、今まで「テレワーク」を検討していなかった会社がいきなりテレワークの設備を用意するのは時間がかかります。そのような状況でまず在宅勤務をスタートさせるためには、労働時間の管理を行わない「みなし労働」の活用がポイントです。

「みなし労働時間制」とは

営業職種で採用されている例が多いですが、営業のように外回りしている場合、「事業場外みなし労働時間制」というものが採用されています。そのような「労働時間を正確に把握することが難しい」と判断される場合、会社は実労働時間に拘らず、あらかじめ決められた時間分だけ働いたと「みなす」ことが許されています。それが「みなし労働時間制」という制度です。この制度では、実労働時間に関係なく会社の決めた所定労働時間を働いたものとみなし、給与を払うという制度です。「在宅勤務」でもいくつかの条件を満たせば、「みなし労働時間制」を採用してもいいことになっています。これであれば、時間管理は必要なくなり、無理にテレワークの設備を入れなくても済みます。

「在宅勤務」で「みなし労働時間制」を採用するための条件

「在宅勤務」で「みなし労働時間制」を採用してもいい、というためには以下の3つの条件がすべて成り立っていることが求められています。


  1. 在宅勤務が、起居寝食等私生活を営む「自宅」で行われること

  2. 在宅勤務で使用しているパソコンが使用者の指示により「常時通信可能な状態となっていない」こと

  3. 在宅勤務が、随時、使用者の「具体的な指示」に基づいて行われていないこと


まず、1番目の条件「自宅」、これは「在宅勤務」ですので、当然条件が満たされます。念のため、この条件はきちんと実施者に念を押した方がいいかもしれません。
次に「常時通信可能な状態となっていない」という条件です。これは、会社と自宅がネットワークでつながっていない場合は当然満たします。しかし、「会社と自宅がネットワークでつながっていれば、必ずこの条件は満たさない」という訳でもありません。例えば、厚生労働省のテレワークガイドラインでは「労働者が自分の意思で通信可能な状態を切断することが使用者から認められていない場合」イコール「常時通信可能な状態」と定義しています。逆に言えば「労働者が自分の意思で通信可能な状態を切断することが使用者から認められている」場合は「常時通信可能な状態となっていない」と解釈され、この条件が満たされます。つまり、いつ通信の接続・切断を行うかは「労働者の裁量に任せています」という場合はこの条件を満たす、ということです。
3番目の条件は、その業務内容を随時時間ごとに具体的に指示しているか、ということです。そうではなく時間配分などは「労働者の裁量に任せています」という場合は、この条件に当てはまります。つまり、細かい時間割で業務内容を細かく指示するのではなく、業務として全体的な内容を指示している場合は、この条件に該当します。

在宅勤務の実績報告の際に気を付けたいこと

営業日報のように、在宅勤務者には実績報告書を提出してもらう形で業務遂行状況を管理している会社が多いようです。業務内容とその期間によって「日報」「週報」「月報」など使い分けられています。1日単位で業務内容を報告する「日報」として、「在宅勤務日報」「在宅勤務状況報告書」などがよく使われています。
標準的な「在宅勤務日報」では、以下の項目が管理できます。
・勤務者の氏名
・勤務者の所属
・勤務日
・勤務開始時間
・勤務終了時間
・休憩時間
・業務内容
・進捗状況
・連絡事項
・承認捺印枠
さて、ここで問題になるのは先ほどの「みなし労働時間制」の採用している際にいくつかのポイントがあります。業務内容としての記載している内容は「業務として全体的な内容」が望ましいでしょう。また、勤務開始時間、勤務終了時間、休憩時間などの大きな括りでの報告にとどめておいたほうがいいでしょう。細かな時間割的な報告はないほうが整合性はとれます。また、業務の報告期間は業務種類によって適切なものを選択します。報告期間ごとの報告書をご用意しましたので、ご利用ください。

テンプレート紹介

在宅勤務業務日報(労働時間なし)

在宅勤務業務日報(労働時間なし)

在宅勤務(テレワーク)の方のための業務日報テンプレートです。毎日の業務報告に使用し、その日行った業務内容や連絡事項を記入します。労働時間の管理は目的外として、そのための入力欄はありません。別システムで労働時間を管理している場合、または、みなし労働時間制を採用している場合に最適な日報です。

在宅勤務状況報告書

在宅勤務状況報告書

在宅勤務(テレワーク)の方のため、数日間にわたる遂行業務の進行状況を報告するための報告書テンプレートです。在宅勤務業務日報・在宅勤務業務週報・在宅勤務業務月報とは異なり、一定期間では任意の期間用です。個々の日次の労働時間の記載はできない「みなし労働時間制」に適した報告書です。

在宅勤務業務週報

在宅勤務業務週報

在宅勤務(テレワーク)の方のための業務週報テンプレートです。毎週の業務報告に使用します。毎日始業・終業時刻、休憩時間を記入し、労働時間を算出します。また、その週におこなった業務や進捗の報告、連絡事項の記入欄があります。エクセルで編集できます。

在宅勤務業務月報

在宅勤務業務月報

在宅勤務(テレワーク)の方のための業務月報テンプレートです。毎日始業・終業時刻、休憩時間を記入し、労働時間を記録、簡単に業務内容を書き込みます。1か月分をまとめて報告します。エクセルで編集できます。

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