テレワーク導入で働き方改革-メリットと注意点・テンプレート

最終更新日:2020年04月09日

テレワーク導入で働き方改革-メリットと注意点・テンプレート
2019年4月に施行された働き方改革関連法。これは、仕事における生産性の向上や就業機会の拡大といった、現状の課題を解決するために作られた法律です。改革を通して、働く人一人ひとりが個々の事情やニーズに応じた働き方が選べる社会を目指します。
こうした改革の一つとして注目を集めているのがテレワークの導入です。今はまだ先進的な企業だけでおこなわれている働き方と認識されている方が多いようですが、法律の施行に伴い、どの企業も導入を現実的に考えなければならないでしょう。
この記事では、テレワークの中でもニーズの高い在宅勤務について、そのメリットと注意点とともに、制度導入や運用に役立つテンプレートをご紹介します。
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テレワークとは -メリットと課題

テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語で、会社など、決められた場所や時間にとらわれない働き方のことです。これを可能にしているのが、「情報通信技術 = ICT(Information and Communication Technology)」です。
パソコンやスマートフォンなどを利用して、週に8時間以上、会社以外で仕事をしている状態を指します。
さて、これを導入することによって、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

少子高齢化対策の推進

現在の日本が抱える大きな問題の一つに、人口構造の急激な変化があります。高齢化が進み、若い世代だけでは社会を支えきれないのが現状です。こうした状況のなかで、通勤の負担をなくすことにより、年齢を重ねても意欲のある人や障害者などに働く環境を用意できる、というメリットがあります。
また、出産をきっかけに仕事を辞めたり、仕事か出産か選択が迫られたりしていた女性にとって仕事を続けやすい環境が整います。女性の選択肢が増えることで少子化対策を推進します。

ワーク・ライフ・バランスの実現

仕事と私生活のバランスの悪さは、日本社会の課題の一つです。時間を自分でコントロールすることで、家族と過ごす時間や自己啓発などの時間を増やすことができます。

地域活性化の推進

東京ばかりに人口が集中する一方、地方の衰退が深刻な課題として挙げられています。
テレワークを実施することで、U・J・Iターンや二地域居住なども実現可能になり、地方を活性化する効果も期待できます。
現在、各地で、サテライトオフィスやテレワーカー誘致のための環境整備やPR活動も活発化しています。

テレワークの分類

テレワークは、働く場所によって3つに分類されます。

1.在宅勤務
出勤しないで自宅で業務をおこないます。
2.モバイルワーク
顧客先や移動中、カフェなどでモバイル端末を使って業務をおこないます。
3.サテライトオフィス勤務
勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを使って業務をおこないます。スポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設を利用し、一社専用で社内LANを繋げるのが一般的です。都心の企業は郊外に、地方企業は都心部にサテライトを置きます。

在宅勤務 -従業員のメリット

テレワークには3つの分類がありますが、最も需要が多いのが在宅勤務でしょう。子育てや介護があって出勤できない、あるいはワーク・ライフ・バランスを重視した生活を送りたい人にとっては魅力ある働き方です。

では、在宅勤務にすることで、従業員側にはどんなメリットがあるのでしょうか。

通勤がなくなり時間の無駄やストレスが軽減する

通勤時間に本を読んだり、勉強をしたり、有効活用している人もいますが、それ以上に満員電車にストレスを感じている人の方が多いものです。また、遠くから通う人にとっては、通勤にかかる時間もバカになりません。
在宅勤務なら、精神的・肉体的ストレスや疲れも軽減され、そのぶん時間を有効に活用することができます。

仕事に集中でき、業務効率や生産性が向上する

会社にいると、電話がかってきたり、急な来客があったり、頼まれごとをするなど思わぬことで仕事のペースが乱されることが多々あります。しかし、在宅勤務なら自分のペースで仕事が進められ、余計な邪魔が入る心配はありません。仕事に集中できるので、業務効率が上がります。

仕事と育児や介護が両立できる

子育て世代や要介護の家族がいる家庭では、時間のやりくりが難しく、場合によっては仕事を辞めなければならないケースも出てきます。
しかし在宅勤務であれば、通勤がない分時間が有効に活用できますし、家族に何かあっても自宅にいればすぐに対応ができます。
少子高齢化社会に突入した日本にとって、これが在宅勤務の最大のメリットではないでしょうか。

また、労働時間の短縮制度などと組み合わせて利用すれば、より育児や介護の時間を充実させつつ、仕事を続けることができます。
今や、仕事か家庭かといった選択を迫ることは、企業にとっても働く人にとっても重大な損失と言えるでしょう。

在宅勤務 -企業側のメリット

従業員にとってメリットのある働き方は、企業にとってもプラスに作用します。
企業側のメリットについて考えてみましょう。

働きやすさが離職率を下げる

従業員が「働きやすい」と感じてくれれば、おのずと離職率は下がります。働く意思や能力があっても、子育てや介護で仕事を辞めざるを得ない状況がもしあれば、人材難の昨今、大きな損失です。
良い人材に長く働いてもらいたいと考える企業であれば、在宅勤務、テレワークは導入に値する制度と言えるでしょう。

生産性が向上する

仕事においてはコミュニケーションが重要な局面もありますが、ひとりの空間が確保できれば業務に集中することができます。また、自分で仕事をコントロールすることで、ワーク・ライフ・バランスが整い、その結果、生産性が向上します。仕事と生活を両立し、プライベートが充実すると、仕事にも良い影響を与えます。

パンデミックや震災などに備え、リスクが分散できる

1ヶ所のオフィスに仕事と従業員が集中していると、一見効率は良さそうですが、リスクも高くなります。たとえば、震災やパンデミックなど大規模な災害が起これば事業の継続は不可能になる場合もあります。在宅で社員が分散していれば、災害が起きても事業を継続する、「BCP(事業継続計画)対策」としても有効です。

企業のイメージが向上する

従業員の働きやすさを考えた環境作りを積極的におこなう企業姿勢は、イメージアップにつながります。特にテレワークは、働き方改革が推奨する仕事のスタイルのひとつであり、注目を集めています。
従業員からプラスに評価されれば企業の実績ともなり、求職者への大きなアピールポイントにもなります。

在宅勤務で働く際の注意点

メリットばかりが多いと思われる在宅勤務ですが、注意すべき点もあります。

最も大きな課題は、自己管理です。業務効率が上がる人がいる一方で、仕事とプライベートの境界線が曖昧になってしまう可能性も出てきます。特に家事や育児を間に挟むと集中力が途切れてかえって効率が落ちてしまう場合もあります。結果として仕事をしている時間が長くなってしまっては意味がありません。
自由だからこそ、出勤している以上にしっかりとスケジュールを立てて、それに沿って仕事を進める強い意志が必要です。

また、同僚と顔をあわせないことで、コミュニケーション不足に陥ることもあります。必要な情報が不足したまま仕事を進めて、二度手間になるといったことも起こります。
Web会議やテレビ会議などで定期的にミーティングをおこなったり、電話やメール、チャットなどを使ってこまめに連絡を取るなど、意識して情報共有を図ることが大切です。

また、勤務している姿が見えないことで、正当に評価されない可能性も出てきます。特に仕事の結果や成果だけが評価の対象になってしまうと、会社で働いていた際に評価されたプロセスや勤務態度といったところで差がついてしまいます。
評価の方法については、会社や上司ときちんと確認を取る必要があります。

報告・管理をおこなうために役立つテンプレート

在宅勤務をはじめとするテレワークは企業にとってもメリットが大きいものですが、目が届きにくい分労働の実態がわからず、管理がしづらいというデメリットもあります。
これは、従業員にとってもマイナスになることですので、企業側は、在宅勤務者の勤務時間や仕事のプロセスを把握しつつ、結果や成果とあわせて評価していきたいものです。

こうした管理を適切におこなうためには、まず労働条件を明確に定め、勤務状況や業務内容の報告・確認をルール化し、徹底することです。
そのために役立つテンプレートをご紹介します。ワードで編集できますので、必要に応じてカスタマイズしてご利用ください。

労働条件の明確化/申請・承認をおこなうためのテンプレート

在宅勤務を導入する際には、まず就業規則を定め、対象者には労働条件を明示して同意を得るようにします。
業務内容に応じて必要だと思われることはルール化し、後から揉めたり、従業員間・部署間で不公平感を生じさせないように留意しましょう。

勤務状況や業務内容を管理するためのテンプレート

在宅勤務・テレワークの導入を成功させるために必要なことは、報告と、管理監督者による確認および適切な指示です。
在宅勤務用の日報・週報・月報テンプレートを用意しましたので、業務内容に応じて適切なものをご利用ください。書式はワードで編集できます。
ご利用は無料です(要無料会員登録)。

まとめ

テレワークは、企業にとっても従業員にとってもメリットが多い一方、「いかに適切に管理し業務を遂行させるか」が重要な課題です。導入の際には、お互いが納得できる規則を作り、メリットやデメリットをきちんと理解して働く必要があります。また、導入後も柔軟に規則を変更するなど、常に見直していくことが大切です。

■参考サイト
一般社団法人 日本テレワーク協会「テレワークとは」
厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」




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