売れるPOPの作り方(12)みんな持っているから私も欲しい-バンドワゴン効果
最終更新日:2023年12月04日
もしそうなら、今回ご紹介するキャッチコピーのテクニックは、特に効果があると思います。
それは、日本人が最も弱い部分、日本人は特にその傾向が強い-そんな「心理」を突くコピーだからです。
子どもの頃、ほとんどの人がこういうことを言ったと思います。「みんな持っているから・・・ワタシにも買ってほしい!」って。ね?あなたも経験があるのではないでしょうか?
大勢が支持しているから、それは良いものである
実はその考え方、子どもの頃だけではないのです。大人になっても多くの人は同じようなことを考えています。
たとえば「みんながやっているのなら、SNSをやってみようかな」とか、「みんなが使っているのなら安心かな?」とか、「多くの人が選んだものなら間違いないでしょ?」とか。
このように、
「みんなが選ぶものは正しい」
「みんなが知っていることは知っていたい」
「みんなが持っているものは、やっぱり欲しい」
という心理が与える効果を、心理学では「バンドワゴン効果」と言います。
バンドワゴンとは日本語で「行列の先頭を行く楽隊」のこと。楽隊が賑やかに演奏をしてその後ろを多くの人たちがついていく・・・そんなイメージが思い浮かびますね。
これと似た光景、思いつきませんか?実はあなたも見たり経験したことがあるはずですよ。
たとえばラーメン屋さん。もし2軒のラーメン屋さんがあって、片方のお店はガラガラでいつでも入れます。そしてもう一方のラーメン屋さんは行列ができていて、入るのにも一苦労。さて、あなたはどちらのラーメン屋さんが「美味しいお店」と思いますか?多くの人は「行列のできているお店のラーメンの方が美味しいはず」と判断します。
そしてその判断によって人は行列の後ろに並ぶこととなり、さらに行列が続いていく。こうなればもう、一方のお店とは決定的な差が生まれます。本当は味にはほとんど差がないかもしれませんし、最初はどちらもガラガラだったかもしれないのに(苦笑)。
バンドワゴン効果は日本人に特に顕著に表れる効果だと言われています。最近はそうでもないかも知れませんが、日本人は流行に弱く、みんなと同じだと安心するという傾向が強いとされているからです。
多くの人に支持されているものは良いものだ、という心理。みんなに支持されているものを自分も知っておきたい、という心理。知らなければ周りから笑われる?という恐怖感。知っていたり、持っていたりすることで得られる安心感。これらが、バンドワゴン効果の裏側にある心理です。
「バンドワゴン効果」を利用したキャッチコピーを考える
このバンドワゴン効果を使ってキャッチコピーを考えてみましょう。
いつものように、例を挙げてみますね。
【お陰様で大評判をいただいています!】
【ロングセラーの人気商品です!】
【大人気なので再入荷しました!】
【今年こそ手に入れてください!】
【当店の名物、〇〇〇です!】
【売上個数〇〇個を突破!】
【今月の売上No.1です!】
これは「売れるPOPの作り方(5)人は「1番」が好き」と併せると効果的です。もっとも強いキャッチコピーの一つになります。
どうですか?「なんだ、そんなのでいいの?」と思われたかもしれません。どれも一度は見た広告のキャッチコピーだと思います。そうです、それだけ効果があるからこのようなコピーが数多く使われているのです。
あなたのお店もぜひバンドワゴン効果を利用して、行列ができるお店に、あるいは行列ができる商品を作り出してくださいね!
執筆者情報
橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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