売れるPOPの作り方(19)POPはどこに置いたら効果的?

最終更新日:2023年12月04日

売れるPOPの作り方(19)POPはどこに置いたら効果的?
「もの言わぬセールスマン」「いつもお客のそばにいる販売員」と言われているPOP広告。『売れるPOPの作り方』シリーズでは、キャッチコピーの作り方などコツをいろいろとご紹介してきました。
もうすでにあなたは、様々なPOPを作られたかもしれませんね。「よし!POPもたくさんできたし!せっかくだからどんどん使っちゃおう!」そう思っているかも。

でも、待ってください。

今まで「POP」そのものの作り方や、キャッチコピーの入れ方はご紹介してきましたが、そのPOPをどのように使うか?どこに挿したら(置いたら)よいのか?を、ご説明してきませんでした。

あなたのお店がどんなモノを扱っているのか?あなたのお店はどんな大きさなのか?はわかりません。わかりませんが、それでもPOPの使い方、見せ方にはちょっとしたセオリーがあります。今回はそんなPOPの効果的な使い方をご説明しましょう。
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ここで、仮にお店の棚があって、次の図のようにPOPを使っているとします。
【A】の棚と【B】の棚では、どちらの方がPOPの効果があるでしょうか?

効果的なPOPの置き方・使い方

POPの配置 AとB

一見すると、【A】の棚の方が、ズラリとPOPが並んでいてキレイですし、「SALE」の雰囲気や「人気の商品」がたくさんあって良く見えるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?この棚では、何が安いのでしょう?何が一番の人気の商品なのでしょう?

ここで、「売れるPOPの作り方(18)マジカルナンバーを意識する」の説明を思い出してください。POPを作るときには「売り文句は絞り込みましょう!」とありましたよね?実はそれはキャッチコピーだけの話ではなくて、POPの使い方についてもいえることなのです。

何が安いのか?何が売れている人気商品なのか?は、絞り込まないとお客様は選べません。「全部の商品がセール品です!」というのであれば、それはPOPで訴求するのではなくて、お店の出入り口や、目立つところに、そのような「SALE」のポスターや看板を立てることになります。

POPは、お客様を引き寄せる役割を担います。ですから、「どの商品にPOPを付けるのか?」は、しっかりと吟味して、その数を絞り込みましょう。

また、棚の陳列方法や、そのセオリーについては、別のコラムで詳しく説明しますが、棚にはゴールデンゾーンというものがあります。

ゴールデンゾーン

ゴールデンゾーンとは、商品棚の中で手が届きやすい、最も商品が目に入りやすい高さ=75cm~135cmを言います。この位置に「売れ筋」や「高益率」商品、あるいは「新商品」や「目玉商品」を適切に配置することで全体の売上が大きく変わります。「売れるPOPの作り方(14)もっとも売りたい商品をお客様に選んでもらう方法とは」も合わせて考えてみてください。

そして人間には「価格の高いものは高い位置にある」「価格の低いものは低い位置にある」という先入観があって、そのような配置には無意識に安定感と安心感を覚えます。逆に言えば、「価格の安いものが高いところにあって、価格が高いものが低い場所にある」と、どこか違和感を覚え、居心地が悪くなります。

せっかくの商品をしっかり見てもらうのに、お客様が「居心地が悪く」なってのでは、何をしているかわかりませんよね。

ですから、実は上図の【B】の棚も、修正ポイントがあります。「SALE」の位置が少しおかしいのです。そして「売れている人気の品」は、一番手に取りやすい「ゴールデンゾーン」に置くのが正解です。

そうすると正しいPOPの位置は下図のようになります。

効果的なPOPの配置

「人気の品」のPOPも少し「ナナメ」に挿して、より目立つようにひと工夫すれば、この棚に置いた商品は、本当に売れていって人気の品になっていくでしょう。

また、セール商品は、下の写真のように、カゴなどに入れて少しカジュアルにしながら、さりげなく商品の特徴をPOPで説明するとより効果的です。これは「ジャンブル陳列」と言ってSALE商品を見せる方法の一つのセオリーで、POPとの相性は抜群です。

ジャンブル陳列

さて、結論。
◎お店の中でもマジカルナンバーを忘れずに!POPは絞って要所で見せる!
覚えておいてくださいね。

執筆者情報

橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)
大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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