お歳暮のお礼状の書き方とマナー!シーン別に使える例文もご紹介
最終更新日:2023年12月18日
とはいえ、最近ではメールやSNSのメッセージが主流になっており、なかなか手紙を書く機会がなく、どう書けばよいかわからないという人も多いのではないでしょうか。しかし、お礼状の書き方の基本さえ押さえていれば、取引先や目上の方に手紙やはがきを送る際に恥ずかしい思いをすることはありません。
そこで今回は、社会人として知っておきたい、お歳暮をいただいたときのお礼状の書き方とマナーをお伝えします。相手別にすぐに使える例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
お礼状の書き方とマナー
お歳暮は、この1年お世話になった方への感謝の気持ちを込めた贈り物とされているので、基本的にお返しはいりません。ただし、お礼状は必ず送りましょう。
いざお礼状を書くとなると、構えてしまって筆が進まないという声もよく聞かれます。しかし、お礼状において最も大切なことは、感謝の気持ちを伝えること。形式ばる必要はありません。
とはいえ、基本的なマナーを知っておかないと、相手から「非常識だ」と思われることがあります。お礼状を書く際は、以下のポイントに気をつけて作成するようにしましょう。
お礼状は手紙かはがきに書いて送る
お歳暮をいただいたら、手紙かはがきにお礼の言葉を書いて送るのが基本です。親戚や兄弟などのよほど親しい間柄であれば電話やメールでも構いませんが、そうでない場合は軽い印象を与えてしまいます。
お礼状を送る際は、はがきよりも封書のほうが、横書きよりも縦書きのほうが、より丁寧な印象を与えます。親しい友人などカジュアルな関係であれば、横書きのはがきでも違和感がないでしょう。また、最近のビジネスシーンでは横書きが主流です。
お礼状として使用するはがきや便箋は、雪景色や椿の花など季節感のある絵柄の入ったデザインのものを選ぶと喜ばれます。
お礼状はできるだけ早く出す
お歳暮をいただいたら、できるだけ早くお礼状を出すようにしましょう。感謝の気持ちを伝えるのに早すぎて困るということはありません。遅くとも品物が到着して3日以内にはお礼状を送ってください。特にビジネスシーンにおいて、こまめにお礼のはがきや手紙を出すことは、信頼関係を築く上でとても大切です。
お礼状の基本的な構成
お礼状は感謝の言葉を素直にしたためればいいのですが、日頃書き慣れていないと難しく感じるものです。しかし、基本の形を知っていれば迷うことはありません。お礼状は基本的に「前文・主文・末文・後付」で構成されています。この4つを順に書けば、簡単にお礼状が作成できます。
●前文
まず、「拝啓」に続けて時候の挨拶を書きます。季節にふれる挨拶は、日本人の感受性の豊かさを表す美しい習慣です。次に「いかがお過ごしですか」などの相手を気遣う言葉を続けます。
お歳暮の時季であれば「寒さも厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか」「師走の候、ご多忙のことと存じます」といった挨拶文がふさわしいでしょう。
●主文
お歳暮へのお礼の言葉や、贈り物をいただいたときの心境や感想を書きます。「ありがとうございます」の一文だけでは感謝の気持ちが伝わりにくいので、「夕食に出したところ、家族も大喜びでした」「さっそく事務所にお品を飾りました」など具体的にどう嬉しかったかを伝えましょう。
●末文
結びの挨拶を書きます。プライベートシーンでは「時節柄くれぐれもご自愛くださいませ」など、相手の健康を気遣う言葉を添えます。
ビジネスシーンであれば、「ますますのご発展をお祈り申し上げます」など、相手の発展や活躍を祈る言葉を書きましょう。
●後付
手紙は頭語に始まり、結語で締めくくるのが基本です。頭語と結語はセットとなるもので、頭語で「拝啓」を使った場合は「敬具」や「かしこ」で締めくくります。
「かしこ」は女性だけが使える結語で、相手に柔らかな印象を与えられる反面、女性らしさが強調されるのでビジネスシーンでは避けたほうがいいかもしれません。
シーン別、お礼状の文例
ここでは具体的な例として、お礼状のサンプルを4つご紹介します。相手や状況に合わせて使い分けていきましょう。
お礼状の文例1|会社宛に贈られた場合
取引先にお礼状を送る場合は、個人ではなく会社間のやり取りになります。宛名には、特定の部署に向けたものでなければ会社名と代表者名を記載しましょう。送る側も同じように、会社名と代表者名から送るようにします。
代表取締役 ○○○○様
拝啓 師走を迎え何かとご繁忙な日々をお過ごしのことと拝察申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、この度はご丁重なお歳暮の品をお贈りいただきまして誠にありがとうございました。日ごろは私どもが大変お世話になっておりますのに、このようなお心づかいをいただき恐縮に存じます。
寒さも厳しくなります折、皆様の一層のご健勝と貴社のますますのご発展を心からお祈りいたします。
まずはお礼かたがた書中にてご挨拶申し上げます。
□□株式会社
代表取締役 □□□□
お歳暮お礼状(ビジネス)4-はがき
会社宛にお歳暮をいただいたら、まずはお礼状を出しましょう。そんな時に便利な、ビジネス一般で使えるお歳暮お礼状の文例入りテンプレートです。はがきに印刷して使えます。文面はワードで適宜変更してご利用ください。
お礼状の文例2|患者から医師に送られた場合
医師の仕事をしていると、患者からお歳暮が届く機会が多いかもしれません。患者は当然ながら何らかの病気を治療するために通院しているので、一般的な「ご健勝のことと存じます」などの挨拶がふさわしくない場合があります。
たとえ現在は回復しているとしても、必ずしも健康ではないことを前提としてお礼状を送るのが無難と言えるでしょう。
この度はお心尽くしのお歳暮の品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。
患者様の回復を願って誠心誠意努めるのが私どもの使命ですから、このようにお気遣いをいただき、かえって恐縮いたしております。
今年も残すところわずかとなり、お忙しいとは存じますが、くれぐれもご無理をなさいませんようお願い申し上げます。
どうぞご自愛のうえ、お健やかな新年をお迎えください。
○○医院
院長○○○○
お歳暮お礼状(病院・医師から患者へ)-はがき
患者さんから医師・病院宛にお歳暮をいただいた場合のお礼状文例入りテンプレートです。
「ご健勝のことと存じます」の言葉が適切でない場合がありますから注意してください。患者様の心遣いに感謝し、健康を気づかう文章で締めくくっています。
文面はワードで適宜変更し、はがきに印刷してご利用ください。
お礼状の文例3|妻が代筆する場合
妻が代筆する場合、差出人は誰にするのかを迷うところです。差出人は夫の名前をフルネームで書き、差出人に変わって代筆したことを知らせるために、左下(横書きの場合は下)に小さく「内」と書き添えましょう。
この度は結構なお品をいただきまして、誠にありがとうございました。
さっそく家族でおいしくいただいております。
いつもお心にかけていただき心より感謝申し上げます。
寒さ厳しい折からどうぞお体を大事にされてよいお年をお迎えください。
(夫の名前)
内
お歳暮お礼状(妻が代筆する場合)-はがき
仕事関係、あるいは親戚関係などから夫宛にお歳暮が届いた場合、妻がお礼状を代筆する、というケースも多いと思いますが、そのような場合にご利用いただける文例入りテンプレートです。差出人に夫の氏名を書き、その左下に「内」と書き添えるのがポイントです。
文面はワードで編集し、はがきに印刷してお送りください。
お礼状の文例4|部下が代筆する場合
上司に代わって部下がお礼状を代筆する場合、妻が代筆するように「内」は使いません。差出人の名前は上司のフルネームを記載し、名前の左下(横書きの場合は下)に小さめに「代」もしくは「代筆」と書いて代筆者の署名を添えます。上司に代わってお礼状を書く際に、間違いやすいのは敬語です。文中では上司の敬称を略し、言動に対しては謙譲語を使ってください。
○○○○(会社名)○○(上司の方の名前)の部下、○○と申します。
この度は、○○(上司)宛てに大変結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。いつも私どもがお世話になっておりますのに、○○(上司)ともども恐縮しております。
末筆ではございますが、貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
(上司の名前)
代筆(代筆者の名前)
お歳暮お礼状(部下が代筆する場合)-はがき
部下が上司のかわりにお歳暮のお礼状を代筆する場合に使える文例入りテンプレートです。代筆であることがわからないように文面をしたためることもありますが、これは明記する場合の文章になっています。また、差出人として上司の氏名を書き、その左に「代」(または「代筆」)として代筆者の名前も書き添えます。
文面はワードで編集し、はがきに印刷してお送りください。
まとめ
お歳暮をいただいたら、相手の気遣いに感謝して必ずお礼状を送るようにしましょう。日頃お礼状を送る機会はあまりないので、少し難しく感じるかもしれませんが、基本パターンさえ押さえていれば大丈夫。素直な気持ちで感謝の言葉を綴りましょう。
実際にお礼状を書くのが初めてで、どのような頭語・結語を使えばいいのか迷うときは、テンプレートBANKをご利用ください。場面や状況に合わせてさまざまなお礼状文例入りテンプレートをご用意していますので、よりスムーズにお礼状を書くことができます。
■参考文献
『お歳暮のお礼状の書き方・例文』/高島屋オンラインストア
『お歳暮をもらったらお礼は必要?お礼状を書く際の基本ルールをチェック』/阪急百貨店
『お歳暮の豆知識』/日本郵便
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他社へ訪問した時、お祝いやお歳暮をいただいた時など、様々なシーンでお礼をいうことは、その後のビジネスを円滑に行うためにも、とても大切なことです。失礼のないよう、きちんとした文章で書くことを心がけましょう。
礼状のWord(ワード)形式のテンプレートは無料でダウンロードしていただけます。