お客様との関係を築く「暑中見舞い・残暑見舞い」

最終更新日:2024年07月08日

お客様との関係を築く「暑中見舞い・残暑見舞い」
小売店、飲食店、宿泊業、サービス業の方など、そのお店やサービスを利用された「お客様」の情報をお持ちだと思います。その顧客情報、活用されていますでしょうか?

お客様に対して、お得なセールやイベントの案内をお送りして来店を促す、というのは、よくおこなわれます。お客様にとってもメリットのある情報提供ですから興味をひきやすく、顧客情報の有効な活用方法といえるでしょう。

一方で、販促DMとは別に、大切なお客様に日頃の感謝の気持ちを伝えたり、近況報告やご機嫌伺いの便りを送る・・・というのは、相手に対して「あなたは私たちの大切なお客様です」というメッセージを伝えます。また、近況報告を読んだお客様は、あなたやあなたの商品、お店に対して親しみを感じてくれるかもしれません。

暑中見舞い・残暑見舞いは、お客様にそのような「お便り」をお送りするのにちょうどよい媒体です。
この機会に「お客様との関係を築く、深める」ことに主眼を置き、「相手を想う」便りを出してみましょう。
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暑中見舞いに、相手を想う気持ちを綴る

SNSやメール、インターネットが普及して連絡が取りやすくなったせいか、暑中見舞いや残暑見舞いのはがきを見る機会はめっきり少なくなりました。そして2021年夏には、くじ付きの暑中見舞い用はがき「かもめ~る」も姿を消してしまいました。
SNSやメールは手軽に送れますが、はがきとなると、文面や宛名を書いて、投函して・・・と、手間や時間がかかりますよね。
でも、だからこそ、あなたのことを気遣い、時間を使って送られた便りを受け取ったら、人はやはりうれしい気持ちになると思います。

また、年賀状はたくさんの枚数が届きますが、暑中・残暑見舞いはそれに比べると少ないため、相手の心に残りやすい、というメリットもあります。

そもそも暑中見舞いの意味って?

メールも携帯電話もなかった時代、いえ、そもそも、固定電話や郵便さえなかった頃から、私たち日本人はこの暑い夏の時季に、相手を思いやり、気遣う習慣、行為を大切にしてきました。

通信手段が今よりもはるかに少なかった時代には、日頃お世話になっている方々や無沙汰している方々、あるいは遠く離れた親元などを直接訪ねて見舞ったり、ねぎらったりすると同時に、自分の近況や様子を相手に伝えました。「今年もあと半分、お互いに達者に暮らしていきましょう!」という挨拶とともに再会を歓びあうというのが、そもそもの「暑中見舞い」の原型でした。

それが郵便の発達とともに、簡易的ではあれ、書面で暑中のお伺いをするというのが「暑中見舞い・残暑見舞い」です。今でいう「メッセージカード」ですね。

暑中見舞い 水彩の朝顔の花
※「暑中見舞い・残暑見舞い」にてテンプレート提供中

暑中見舞い・残暑見舞いに書くべき要素は4つ

ですので、本来の意味から考えると、押さえておくべきポイントは次の4つだけです。

1.暑中、相手を思いやる言葉
2.自分の近況の報告
3.相手の健康を祈る気持ち
4.日付(○○年 盛夏/晩夏)

このポイントさえ押さえていれば、どんな表現でもかまいません。ただ、相手がお客様であるのなら、丁寧な言葉使いで書きましょう。

お客様に送る暑中見舞い・残暑見舞い

それでは、お客様に暑中見舞いや残暑見舞いを送るとしたら、どんなことを書けばよいのでしょうか。

「1」は、「暑中お見舞い申し上げます」「残暑お見舞い申し上げます」、もっと丁寧な表現は「暑中お伺い申し上げます」「残暑お伺い申し上げます」となります。これは定番ですね。英語表記なら「Summer Greetings」などの表現があります。

続けて、お礼の言葉。
たとえば、常連の方には「いつも○○をご利用ありがとうございます。まだまだ暑い日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか」
新規の方には「このたびは○○をお買い上げいただきありがとうございました。商品はお気に召しましたでしょうか?・・・」などなど。

次に「2」の近況報告ですが、産直農家さんなら「大きくなりつつある実を毎日眺めながら農作業にいそしんでいます」など、今育てている作物の生育状況や写真を載せたり、料理屋さんなら「鮎が美味しい季節です。新鮮な鮎を使った新作料理もご好評いただいております」など旬のメニューの紹介をしたり、宿泊業の方であれば「ニッコウキスゲの花が咲き始めました。今年は当たり年になりそうです」など、その土地の様子を綴ってもよいかもしれません。

締めくくりの「3」は、「暑さ厳しい折柄くれぐれもご自愛ください」など定型文でもよいですし、「またお会いできる日を楽しみにしております」「元気なお顔をぜひまた拝見させてください!」など、再会を願うメッセージに替えてもよいでしょう。

「4」は、暑中見舞いなら「令和○○年 盛夏」、残暑見舞いなら「令和○○年 晩夏」と書くのが一般的です。立秋の頃(8月7日頃)であれば「令和○○年 立秋」と書いてもよいですね。

お客様への暑中見舞い-写真枠付-流水
※「暑中見舞い・残暑見舞い」にてテンプレート提供中

あなたのお店を訪れるお客様、お店をサポートしてくれる大事な人、あなたのお店や商品をもっと知ってもらいたい人に、気持ちを伝える機会はありそうで案外にありません。

日本人は、昔から季節の変わり目を大切にして、その日を迎えた喜びや相手に対するいたわりの気持ちを「形」にして生きてきました。

人と人との関わり方が大きく変わりつつある今だからこそ、昔ながらのよき習慣を見直し、お客様とのよき関係を築いていくコミュニケーションツールとして「暑中見舞い・残暑見舞い」を送ってみませんか。

執筆者情報

橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)
大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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