領収書の書き方・実務上のポイントと書き方のルール

2018年02月23日

領収書の書き方・実務上のポイントと書き方のルール
「領収書の書き方」などと始めてみましたが、同タイトルの記事では、領収書を受け取る側の解説内容が多く、発行する側-書き手の立場できちんと解説して記事が少ないように感じます。受け取り側の立場で「領収書で経費を精算する」「領収書で経費を落とす」ために気をつけなければならないポイントを中心に解説しているようです。受け取り側にしてみれば、経費の精算ができなければ利益を削る=自腹を切ることになるわけで、そういう意味では、領収書は現金と等しい意味合いがあります。

そのため、領収書は偽造や改ざんなどの危険性が付きものです。発行する側の立場で見るならば、発行した領収書の改ざんなどにより、知らない間に不正の片棒を担がされたりするリスクが高いわけです。

領収書とは?

リスクも高く手間もかかる領収書ですが、お客様に求められたら発行しないわけにはいきません。
領収書とは、難しく言うと、取引により金銭を受け取った側が支払った側に、金銭を受け取った-「領収した」ことの証明として作成する文書、です。金銭を受け取った際に、支払った側の求めに応じて発行しなければなりません。

本来、領収書の発行は、支払った側が2重請求されることを防ぐためでした。(民法468条「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。」という法律に基づいています。)
用途としてそれだけならば、偽造などは起きなかったのですが、経費計上のための証拠として税務署が認めているため、俄然、リスクは高まります。また、会社の内規で経費精算の必須条件にしているところもあるので、ますますリスクは高まります。

この記事では、「領収書の発行」―「領収書の書き方」として、この偽造や改ざんのリスクへの対処方法を中心に解説していきます。

領収書の基本的な記入項目

領収書の項目は、様々な法律で言及されている項目もあれば、法律では決められていませんが管理項目として一般的に使用されている項目もあります。法律で項目について触れている代表例は、消費税法の第30条に記載されている、消費税の仕入控除の証拠として要求している項目です。領収書の項目は、この法律に準拠しているのが一般的です。(ただし、「医療費の内容の分かる領収証」のような例外も存在します。また、各種助成金を受ける際の要件として領収書の提出を義務付けている場合などは、証明内容として特別に指示されている場合もあります。)

発行者名・・・書類の作成者の氏名又は名称
日付・・・課税資産の譲渡等を行った年月日
但し書き・・・課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
金額・・・課税資産の譲渡等の対価の額
受取人名・・・書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称(少額、または小売業等 は省略可)

上記の項目以外に、以下の項目が印紙用に設けられていることが多いです。
印紙+消印(割印)・・・印紙税法による第17号文書

さらに、法的な要請ではないのですが、不正防止のための工夫として以下の項目が設けられていることもあります。
通し番号―ナンバリング・・・複写式手書き既製品で重宝します。発行現場での不正や発行先での不正防御の仕組みとなります。
・・・発行を行った担当者の署名・押印用の覧です。一般的な既製品領収書に用意されています。

そして、これは今までと趣が異なるのですが、お礼の言葉が入っているものがたまにあります。
お礼の言葉・・・「お買上ありがとうございます」「毎度ありがとうございます」等

領収書の書き方のポイントやルール

実際に領収書を書く場合、まずは、その領収書を手書きするかプリンタ印字するか、また、どれくらいの頻度で領収書を書くか、これらによって用意するものは変わります。

・手書きで頻度低め・・・見栄えを無視すれば、白紙に上記の項目の手書きで問題ありません。
・手書きで頻度高め・・・市販の既製品を購入して利用するのが一般的です。
・印字で頻度低め・・・エクセルを利用した領収書テンプレートを利用するのが一番簡単です。
・印字で頻度高め・・・何らかの販売管理システムを利用している方が多いようです。


いずれの場合も、フォーマット上の記入項目へ正確な情報を記載すればいいだけですが、不正を防ぐための工夫を少し詰め込んでいるのがポイントです。項目ごとにポイントをご紹介します。



・タイトル
既製品では、「領収書」または「領収証」と印字されているものが多いです。
「領収書」は「領収の証の文書」、「領収証」は「領収の証の証票」というようなニュアンスの違い程度で、どちらでも、書類としての意味は同じです。「領収証書」という言葉から生まれた言葉ですが、税金の領収書は今でも「領収証書」という名前です。ちなみに、日本郵便も2016年までは「領収証書」という名称を使っていましたが、民営化後もこれではマズイと思ったのか、その後「領収書」に変わりました。



1.日付
一般的には、3種類の日付が記載されている可能性があります。

・領収書を発行した日付
・支払を受けた日付
・消費税法に規定されている課税資産の譲渡等を行った日付

店頭で現金による販売時などに発行する場合は、上記3日付は同一ですから問題はないのですが、振込による支払の場合や前入金などでは、支払を受けた日付と記載した日付が合わない場合があります。
上の3つの日付が一致しない場合は、高額な取引では、日付覧を「発行日」「領収日」の2つに分けて記載し、但し書きの覧に「○○月○○日ご購入のXXX代金」と、3つの日付をすべて記載するという手間をかけている場合もあるようです。高額・少額の基準は明確にないですが、一般的には印紙税の観点で5万円を基準としているところが多いようです。

重要なことは、ルールとして、どれかに統一することです。発行したすべての領収書が、同じルールで日付が記載されて発行されていれば、問題はありません。税務署が最も嫌うのは「恣意的な記載」と呼ばれるケースバイケースの運用です。
起こりがちなことは、お客様が要望した日付を記載する、または日付を空白で発行する、ということです。お客様からそのような要望を受けた場合は、但し書きに、購入または支払いの日付を書いて渡すのが安全です。それすらも嫌がられる場合は、その際のやり取り等をメモでもいいので記録しておくことをお勧めします。後日、税務署からの反面調査を受けて「確認書」「申立書」の提出が必要になった場合に役立ちます。



2. 受取人名
領収書を受け取る人、または会社の名前を記入します。お客様に「宛先はどうしましょうか」と確認し、正式名称でも略称でも指定通りに記載すればいいのですが、たまに「上様でいいよ」と言われることがあります。
「上様」という特定不能な言い回しを使う際は気を付けておけなければなりません。その記載金額が3万円未満、または、小売・飲食店・写真・旅行業などの特定業種の場合は、そもそも宛先が空白でも問題ありませんので、気にする必要はないでしょう。
しかし、問題は、上記の例に該当しない場合にお客様から「上様」という記述を求められた場合です。なるべく避けたほうが賢明ですが、お客様との関係によっては断れない場合もあります。その場合は、担当者名を記入する、但し書きの記載内容を詳細にする、その際のやり取り等を記録しておく等、後でトラブルになっても照合可能な次善の対策をしておきましょう。



3. 金額
改ざんを防ぐために、金額の最初には「¥」をつけ、桁区切りを入れる決まりになっています。0の数を増やすことができないよう、金額の最後に「-」を入れるなど工夫がされます。「¥」のかわりに「金」、「-」のかわりに「也」や「※」でもかまいません。
改ざん防止の観点から「大字(だいじ)」を使う方もあります。「領収書の金額改ざん防止策―大字」に詳細がまとめられています。



4. 但し書き
既製品の領収書には「但し、○○代として上記金額正に領収致しました」という文言を書くために、あらかじめ「但    上記正に領収いたしました」と印刷されているものが多いです。何の代金としてお金を受け取ったのか、品目名やサービス名など、なるべく具体的に書いたほうがいいでしょう。
省略された言い方として、「品代として」という書き方もあります。少額の領収書ならばそれでも問題ないでしょうが、高額な領収書の場合は、お客様に「何代と記載しますか?」というように確認するほうがいいでしょう。「文具代として」や「お食事代として」といった具合に、指示に従って記載しておけば間違いはありません。



5. 印紙+消印(割印)
税抜金額が5万円以上の場合は収入印紙を貼ることが法律で決められています。さらに、再利用防止のため、収入印紙を貼った上に消印を押します。収入印紙の額面は、領収書に記載された金額によって異なりますが、5万円以上100万円以下の場合は200円です。金額はこちらの「国税庁の印紙に関するホームページ」でご確認ください。

印紙を貼らずに発行して発行先の税務調査で発覚した場合、悪質ではないと認定されれば、10%の過怠税、悪質と判断されれば2倍の過怠税が課せられます。また、印紙を貼ってはいるが消印がされていなかった場合は、その印紙の代金と同額が過怠税として課せられます。詳細は「印紙を貼り付けなかった場合の過怠税」をご覧ください。

印紙税納付が必要な金額の領収書発行頻度が高い場合は、印紙税の納付を収入印紙以外の方法で納付することを検討してもいいでしょう。「税印押なつによる納付」や「印紙税納付計器の使用による納付」「書式表示による納付」などの特例も用意されています。詳細は「印紙税の納付方法」をご確認ください。



6. 発行者名
領収書を発行する人、または会社の名称を記入します。消費税法で求められているのはここまでですが、一般の商習慣では、住所や電話番号など、自社の情報をいろいろ記載しています。また、いわゆる、角印(社印)を押して、信頼感を高めているものが多いです。
発行枚数が多い場合は、既製品などにあらかじめスタンプで自社の情報を押しておく、または既製品の「名入れ」サービスを利用する方も多いようです。お客様にお渡しするものですから、宣伝の意味も兼ねて会社のロゴやキャッチコピーを入れておく会社も多いようです。



7. 通し番号-ナンバリング
管理用に通し番号(ユニークな連番)を附番しておきます。偽造防止には大いに役立ちます。また、売上の計上漏れなどの不正な操作がおこないにくくなるという、自社内での不正防止の役目も果たせます。
さらに、領収書の控えを残しておけば、さらに管理は安全です。税務調査でもきちんと管理している会社として、評価は高くなりますので、既製品は割高でも複写式のものを使用したほうが安全です。



8. 係-担当者印
これは主に自社内での不正防止の意味が強いです。また、高額の「上様」宛の領収書発行などで問題が発生した場合にも、対応がスムーズになるため、そのような場合には、担当名を記載し、担当印を押印しているものがあります。
しかし、少額な場合は、これも発行頻度と手間の問題もあり記載されないことが多いです。

まとめ

あくまでも、領収書発行する側の立場で書き方や記入項目、作成時の注意点をいろいろお伝えしましたが、基本的には、事実を正確に記載する、ということに尽きます。それが守られていれば、神経質になることは何もありません。

税務調査においては、悪意のある虚偽と受け取られることが一番マズイことです。悪質な不正操作と疑われないよう、きちんと領収書の書き方のルールを決めて、運用していればまず問題ありません。勘違い・うっかりミスによって、決めたルールが守られていないことがあっても、まだ許されます。しかし、ルールも決めていないような管理状態では不信の目を向けられます。そのようなことが起きないよう、簡単なルールでいいので決めておくことをお勧めします。

*…小売業、飲食業、バス・タクシー、時間貸し駐車場など不特定多数を相手にする事業者への支払い 消費税法施行令 第四十九条

領収書 のテンプレート一覧へ

領収書は一般的に建て替えた金額を会社に請求する場面に要求されることが多いので、品名、日付、金額は正確に書いてお渡ししましょう。その際、金額の先頭に「¥」マークを入れてください。これは、改ざんを防ぐためです。
領収書に貼付する印紙税ですが、平成26年に法律が変わっています。非課税範囲が拡大していますので、ご自身の商売形態の課税範囲がどうなっているのか一度確認しましょう。
一般的な領収書の場合、5万円以上であれば印紙の貼付が必要です。これは消費税抜きの金額が対象です。たとえば、税抜47,000円の商品の領収金額は50,760円ですが、その金額だけを書くと収入印紙が必要になってしまいます。ですから、商品代金47,000円、消費税3,760円と書くか、金額欄には50,760円と書いて「うち消費税額3,760円」と書くことで対応しましょう。

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