総勘定元帳とは?作成する目的や記載項目について解説【テンプレート】

最終更新日:2024年07月04日

総勘定元帳とは?作成する目的や記載項目について解説【テンプレート】
総勘定元帳とは、会計帳簿の主要簿のひとつで、会社法や法人税法等によって作成・保存が義務付けられている書類です。必要に応じて個人事業主でも作成するものであり、事業者全般に関係する資料と表現しても差し支えないでしょう。事業者がお金の流れを知るために非常に重要なものです。
必ず理解しておくべき会計帳簿ではありますが、どのようなものか学ぶ機会がなかった人や具体的な作成方法が分からない人もいるでしょう。
今回は総勘定元帳の基本から具体的な書き方や作り方、作成に活用できるテンプレートまで解説します。
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総勘定元帳とは

総勘定元帳とは、企業活動において発生した取引をすべて記録し、勘定科目ごとに分類した帳簿を指します。事業者の会計業務を遂行するために必須の書類であり、決算書類を作成したり融資を受ける際などにも利用されるものです。
作成時は、仕訳帳に記載した内容を転記する形で作成します。つまり、理論的には事前に仕訳帳を作成しておかなければ総勘定元帳の作成はできません。情報の流れを簡単にまとめると以下のとおりです。

  1. 取引が発生する
  2. 仕訳帳に日時・勘定科目・金額などを記録する
  3. 勘定科目ごとの勘定口座を準備する
  4. 仕訳帳の内容を総勘定元帳へ転記する
仕訳帳に記録した情報を総勘定元帳へと転記する作業は手間だと感じる人はいるかもしれません。しかし、これには目的とメリットがあるため、以下で詳しく解説します。

総勘定元帳作成の目的

総勘定元帳を作成することで、勘定科目ごとに「どのような取引が発生したか」「残高はいくらであるか」などを簡単に把握できます。日々の取引は仕訳帳へ複式簿記で記録されていますが、これらは取引内容を時系列で並べたものです。そのため、勘定科目ごとに数値を把握するためには並び替えたり合算したりする作業が必要となり、容易ではありません。
そのため、別の切り口から財務状況を把握することが考えられ、総勘定元帳を作成することが求められました。
たとえば、現在時点での現金残高を知りたい場合に仕訳帳しかない場合、期初から現時点まで現金の項目を抜き出さなければなりません。しかし、現金のみの取引金額を記録した総勘定元帳を作成しておけば、これに目を通すだけで現金の動きや残高を簡単に把握できます。
これは一例ですが、すべての勘定科目について管理されているため、それぞれすぐに把握することが可能です。
企業活動においては多くの勘定科目を利用することとなるため、それらを事前に整理しておき、把握しやすくすることが主な目的といえます。

総勘定元帳のメリット

総勘定元帳を使用するメリットは以下のとおりです。

勘定科目ごとの状況を把握しやすい

最初から勘定科目ごとに集計された資料であるため、それぞれの勘定科目でどの程度のお金が動いているのか、簡単に把握できます。また、残高なども素早く確認できることがメリットです。
たとえば、借入金の元帳を確認すれば、現時点でいくらの借入金が残っているかを正しくかつ素早く把握できます。その金額をふまえて、返済計画を見直すなどの行動に繋げられるでしょう。また、売掛金の残高を確認すれば、回収サイトが適正であるかどうかの判断に役立てられるはずです。

決算書の誤りに気づきやすい

決算書を作成した後に各勘定元帳の残高と照合した結果、数字が一致しない場合があります。この場合、それぞれの帳簿に目を通してミスがないか確認する必要がありますが、総勘定元帳があればこれに目を通すだけで確認が可能です。確認する対象が少なく、すでに計算が完了しているため、差異が生じていないか素早く評価できます。もし何かしらの転記ミスがあるならば、それを解決することで決算書とのズレを解消できるはずです。

総勘定元帳と仕訳帳との違い

仕訳帳はすべての取引が時系列に並んでいるのに対し、総勘定元帳は勘定科目ごとに取引がまとめられています。

仕訳帳は取引の事実を時系列に沿って記載した資料です。期初からスタートし、期末にかけて順番に並べなければなりません。その間には幅広い取引が発生すると考えられ、勘定科目は入り乱れています。その代わり「いつ」「どのような取引が」「いくらで」発生したかという情報を簡単に探し出せます。

それに対して、総勘定元帳は時系列ではなく勘定科目ごとに集計されたものです。合計の値が集約された資料であるため、どのタイミングで取引が発生したかの確認はその場でできません。しかし、一定期間を通じて合計でどれだけの取引が発生したかは簡単に確認できます。時系列に沿って知りたいか、合計を知りたいかによって、これらを使い分けしなければなりません。

総勘定元帳のテンプレート

総勘定元帳はすべての取引を勘定科目ごとに分類して記録したもので、必ず作成しなければならない帳簿です。これを確認することによって各勘定科目でのお金の動きが簡単に把握できます。
無料でダウンロードできるエクセル形式の総勘定元帳のテンプレートをご用意していますので、ぜひご活用ください。

状況別総勘定元帳の書き方・作り方

総勘定元帳を作成する際は、上記のテンプレートをベースに進めていくとスムーズです。特に記載項目は大きく変更する必要がないため、利用する勘定科目だけ事前に洗い出しておくとよいでしょう。
仕訳帳で利用している勘定科目を総勘定元帳に反映させればよいため、難しく考える必要はありません。どのような勘定科目を仕訳帳で利用しているのか把握しておくだけで十分です。
続いては、総勘定元帳をどのように記載すればよいか、書き方・作り方を解説します。なお、今回はすべての勘定科目について、残高が100,000円の状態であると仮定します。

店頭の商品が現金で購入された場合(税込経理方式)

税込10,000円の商品が現金10,000円で購入された場合、仕訳帳では以下のように記録されます。
【仕訳帳】

日付借方貸方
2024年4月1日現金:10,000円売上:10,000円
このように商品やサービスが購入された場合は「現金」「売上」の勘定科目が仕訳帳に記録されます。これらの勘定科目に対応する総勘定元帳へと転記しなければなりません。
なお、転記の際に重要となるポイントとして、発生した取引が「借方」「貸方」のどちらなのかということが挙げられます。今回、現金は借方、売上は貸方であるため、これらを考慮して記載しなければなりません。仕訳帳の記載に誤りがあると総勘定元帳にも誤りが生じるため注意しましょう。これらを加味して実際に記録すると以下のとおりです。
【総勘定元帳(現金)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日売上商品販売10,000円110,000円

【総勘定元帳(売上)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日現金商品販売10,000円110,000円
今回は現金と売上の勘定科目がセットであるため、相手勘定科目にはそれぞれ対となる科目を記述します。

店頭の商品が現金で購入された場合(税抜経理方式)

続いては、税抜き10,000円の商品へ消費税率10%が適用され、現金11,000円で購入された場合の仕訳帳を示します。
【仕訳帳】

日付借方貸方
2024年4月1日現金:11,000円売上:10,000円
仮受消費税:1,000円
上記と同様に「現金」「売上」の勘定科目を利用しますが、消費税に関連する「仮受消費税」という勘定科目も利用します。このように取引によっては、複数の勘定科目を同時に利用しなければなりません。この場合、総勘定元帳は以下のように記録します。
【総勘定元帳(現金)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日諸口商品販売11,000円111,000円

【総勘定元帳(売上)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日現金商品販売10,000円110,000円

【総勘定元帳(仮受消費税)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日現金商品販売1,000円101,000円
現金に対しては売上と仮受消費税がありますが、相手勘定科目が複数ある場合は「諸口」に集約します。そのため、総勘定元帳(現金)の相手勘定科目は「諸口」となり、複数行を記録することはありません。

売掛金を回収した場合

最後に取引先から売掛金の100,000円が入金され、入金手数料が330円差し引かれた場合の仕訳帳を示します。
【仕訳帳】

日付借方貸方
2024年4月1日普通預金:99,670円
手数料:330円
売掛金:100,000円
今回も借方は2件、貸方は1件であるため以下のとおり記録します。なお、手数料は割愛しました。
【総勘定元帳(普通預金)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日売掛金売掛金受取99,670円199,670円

【総勘定元帳(売掛金)】
日付相手勘定科目摘要借方貸方残高
繰越100,000円
2024年4月1日諸口売掛金受取100,000円0円
売掛金は受け取ることで残高が減少するため、総勘定元帳(売掛金)の残高は増加ではなく減少し0円に変化します。

まとめ

総勘定元帳は仕訳帳に記録された内容を勘定科目ごとに整理してまとめたものです。事前に取引ごとの合計値を計算してあるため、参照するだけで簡単に残高を確認できます。仕訳帳のように時系列で取引内容を把握することは難しいのですが、総勘定元帳は、勘定科目別にお金の流れや動向、残高を素早く把握するために利用されます。
なお、総勘定元帳には日付や摘要などを記録しますので、それをもとに仕訳帳を参照することで具体的な取引内容を確認できます。単体で利用する機会も多いですが、仕訳帳と組み合わせて利用するとなおよいでしょう。

監修者情報

稲田光浩税理士事務所 代表 稲田光浩(税理士)
30歳で5科目合格(簿記論、財務諸表論、法人税、相続税、消費税)
複数の会計事務所に勤務し、個人商店から売上100億円企業まで税務顧問していた実績あり。お客様が本当に望むものは何か、経営者が悩んでいる本当の理由を傾聴により引き出すことが得意。
短期的な目線で物事を判断せず、社長の頭の中をアウトプットし可視化することで、本当にやりたいことや、やるべきことを明確にし、実現するために実行支援を行っている。近畿税理士会所属(登録番号 135413)。
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会計帳簿において「主要簿」に位置づけられる、仕訳帳、総勘定元帳のテンプレートです。
まず、日々の取引を「仕訳帳」に時系列で記録し、次に、勘定科目別に取引をまとめた「総勘定元帳」を作成します。いずれも、貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)を作成するための基礎資料となる重要な帳簿です。
テンプレートはExcel(エクセル)でご利用いただけます。ダウンロードは無料です。

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