会社設立時には挨拶状が必要!?取引先や関係者へ送付する際の書き方や例文を解説

最終更新日:2024年02月27日

会社設立時には挨拶状が必要!?取引先や関係者へ送付する際の書き方や例文を解説

監修者:森口 久美子

会社設立や開業に際しては、取引先や関係者に挨拶状を送付します。挨拶状を送付しておくことで、実際にビジネスが始まってから良好な関係で取引を続けやすくなります。小さな気遣いが後々大きな影響を与える可能性があるため、時間をかけてでも対応するとよいでしょう。
ただ、とにかく挨拶状を送付すればよいというわけではなく、マナーを意識しなければなりません。
今回は、挨拶状を送付する際のマナーや書き方を解説し、具体的な例文・テンプレートを紹介します。
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開業・会社設立時には挨拶状がマナーとして必要

開業や会社設立時には、マナーとして挨拶状を送付します。まずは、その点について理解を深めておきましょう。

良好な関係のためにも送付したほうが良い

挨拶状の送付は、良好な関係を維持するために必要です。特に、会社設立までにお世話になった取引先や関係者へは、お礼の意味も兼ねて挨拶状を送付しましょう。
一般的に、会社設立に関する挨拶状を受け取って、気持ちを害する人はいません。しかし、挨拶状を送付しなければ、挨拶すらしない人と思われてしまう可能性はあります。マイナスの要素を排除するためにも、関係者には挨拶状を送付することをおすすめします。
また、挨拶状を送付するかどうかが、今後の取引に影響することも考えられます。たとえば、挨拶状を送らず印象が悪くなると、失注あるいは発注を減らされるかもしれません。長い目で事業に影響する可能性があり、そのような状況に陥らないためにも丁寧な挨拶文の送付が求められます。

主な必要項目

挨拶状を送付する際は、最低限以下の項目を記述しましょう。

  • 挨拶
  • 代表者氏名
  • 会社名
  • 所在地や連絡先
  • URLやメールアドレス
一般的に、挨拶状はどの相手先に対しても同じものを送付します。ただ、特段お世話になった取引先や関係者がいるならば、個別にお礼などを添えるようにしましょう。また、特別な関係性であるならば、挨拶状を送付するだけではなく、アポイントを取って訪問することも大切です。

挨拶状を送付するタイミング

挨拶状を送付するタイミングに、明確な決まりはありません。事業を開始するタイミングを鑑みて、1週間から2週間前に送付しておくとよいでしょう。そうすれば、事業開始の頃には相手先に届いています。
あまり早いタイミングで送付すると、連絡に対応できないなどの問題になりかねません。たとえば、まだオフィス内で作業しておらず、電話に対応できないなどです。
また、事業の開始よりも遅く挨拶状が到着すると、印象を悪くする可能性があるため、送付が遅延しないように注意しましょう。

挨拶状の送付方法

基本的に、挨拶状は郵便で送付することをおすすめします。時代の変化とともに、メールで挨拶状と同等の内容を送付することもありますが、マナーとして、はがきや封筒で送付した方がよいでしょう。印刷物で受け取ることで、丁寧に準備したことが伝わり、好印象をもたれやすくなります。
なお、はがきと封書であれば、書面を封筒に入れて送る方がより丁寧な方法です。挨拶文以外にも、必要ならば文書類を添付できます。コストに違いがあるため、封書にこだわる必要はありませんが、より丁寧であることは理解しておきましょう。

会社設立時に取引先や関係者に送付する挨拶状の書き方

会社設立時に取引先や関係者に挨拶状を送付するならば、以下の書き方を意識してください。

導入

導入文は前文とも呼ばれ、どのようなビジネス文書でも、ある程度同じ内容が記載されます。会社設立においても、頭語から時候の挨拶、相手を気遣う内容と続くことが一般的です。
基本的には上記の内容ですが、できれば会社設立に興味を持ってもらえる導入文としましょう。特に忙しい経営者は、丁寧に挨拶文を読めないことがあるため、できるだけ冒頭に印象づける言葉を入れておきます。

会社設立の経緯

会社を設立するに至った経緯を含めておきましょう。例えば「今までの会社を退職し独立した」「一念発起して会社を立ち上げた」などが考えられます。概要が伝わればよいため、背景について細かく触れる必要はありません。
また、今までの取引などに対する感謝を含める場合もあります。たとえば「今までの取引が積み重なり、ついに会社設立へと至りました」などです。個人事業主から法人化する場合は、感謝の念を表す内容を含めた挨拶状としても差し支えありません。

今までの取引などに対する感謝

会社設立前から取引がある場合は、それらに関する感謝を述べます。直接的に会社設立を支援してもらわなくても、間接的に支援してもらったことには違いありません。これらについて触れることで、良い印象を持ってもらいやすくなり、挨拶状の価値が高まります。また、会社員から独立した場合は、在職中にお世話になったことに感謝するとなおよいでしょう。

設立した会社についての情報

挨拶状には、新しく設立した会社についての情報が必要です。取引先や関係者が連絡できるように、以下の情報を添えておきます。

  • 社名
  • 本店所在地
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 営業日や営業時間
挨拶状は営業の意味合いも兼ねているため、氏名などの情報だけではなく、連絡先も必須です。

末文

末文は、結びの挨拶と結語から成り立ち、挨拶状を締めくくる概ね決まった内容の文章です。たとえば、書面での挨拶ということをふまえ「略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます」などと締めくくります。
また、結語は原則として導入文に記載した頭語に対応させなければなりません。拝啓なら敬具、謹啓なら謹白または敬白、啓上なら拝具の組み合わせを利用します。

会社設立に利用したい挨拶状の文例5選【テンプレート付】

会社設立時に役立つ挨拶状の文例を紹介します。必要に応じて、文言を修正しつつ利用してください。なお、基本的に儀礼文書である挨拶状では句読点「。」「、」を使用しません。

標準的な挨拶

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご懇情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび 下記のとおり新会社を設立いたしましたのでお知らせ申し上げます
これもひとえに皆様方の温かいご支援の賜物と深く感謝いたしております
今後は皆様のお役に立てますよう社業に邁進してまいりますので
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
                     敬具
 令和○年○月 吉日
(この下に社名や住所、電話番号などを添える)

※会社案内やパンフレット等を同封する場合など、社名、住所などは割愛し、挨拶文のみで送るケースもあります。

発起人が複数いる挨拶

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご懇情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび 新会社「株式会社◯◯」を設立いたしましたのでお知らせ申し上げます
これもひとえに皆様方の温かいご支援の賜物と深く感謝いたしております
当面の間 私を含めた若干名で会社を運営してまいります
今後は皆様のお役に立てますようスタッフと共に協力し邁進してまいりますので
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
                     敬具
 令和○年○月 吉日
(この下に社名や住所、電話番号などを添える)

気持ちの高ぶりを強調した挨拶

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご懇情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび かねてより計画しておりました新会社を設立いたしましたのでお知らせ申し上げます
創業を思い立ってから〇年 皆様方のご支援を賜り ついに開業を迎える運びとなりました
設立にあたりましては 皆様方に温かいお言葉を頂戴し深く感謝いたしております
今後は皆様のお役に立てますようスタッフと共に協力し邁進してまいりますので
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
                     敬具
 令和○年○月 吉日
(この下に社名や住所、電話番号などを添える)

開業への支援・協力に感謝する挨拶

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご懇情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび ✕✕✕株式会社を退職し 新会社を設立いたしましたのでお知らせ申し上げます
創業に至りました背景には
◯◯社長および従業員の皆様方の力強いご支援があったからこそと
深く感謝いたしております
今後は これまでの経験を活かし 皆様方のお役に立てますよう誠心誠意努力してまいりますので
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
                     敬具
 令和○年○月 吉日
(この下に社名や住所、電話番号などを添える)

営業も含めた挨拶

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご懇情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび 新会社「株式会社◯◯」を設立いたしましたのでお知らせ申し上げます
在職中は皆様方のお力添えがあり 大過なく職務を全うできたこと感謝申し上げます
今後は△△などのサービスを中心とした営業を予定しております
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
                     敬具
 令和○年○月 吉日
(この下に社名や住所、電話番号などを添える)

まとめ

会社設立時に取引先や関係者へ送付する挨拶状について解説しました。基本的にははがきや封書で送ることがマナーであり、良好な関係を築くためにも、送付するようにしましょう。挨拶状を送付するかどうかは、その後のビジネスに影響する可能性があります。
なお、挨拶状の書き方にはある程度のルールがあり、それをふまえた例文は紹介した通りです。状況に応じて、例文を修正し、挨拶状作成に活用してください。

監修者情報

森口 久美子
日本国内トップシェア、プライム上場企業の美容メーカーにて10年勤務。社長秘書、及び営業を任務。
秘書業務の遂行や秘書マニュアル作成のみならず、営業でも店販導入初月売り上げ全国1位の店舗の教育担当をするなど、多岐にわたる業務に従事。。
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