知っていると得する!簡単「補助金」ガイド

最終更新日:2023年12月04日

知っていると得する!簡単「補助金」ガイド
お店を営業されている方、小さいけれども地域に密着して頑張っている会社の社長さん、実はそんな人たちを日本の国は応援しています!
それが、「補助金」です。

補助金は、別の言い方をすれば、日本の国には政策目標があって、その目標を達成するために、その目的にあった活動をしてくれるお店や会社(事業者とも言います)に応援代として提供されるもの。アナタから見れば国からもらえるボーナスのようなものです。

アナタのお店や会社が、もっとお客さんに来てもらうための広告宣伝が必要になったり、ネット販売をするためにホームページを作ったり、製品を作るための機械を購入する必要が出てきたときに給付される、返済の義務がないお金です。

では補助金はどうやったらもらえるのでしょう?「どのような補助金があるのか?」「どうすれば補助金がもらえるのか?」「補助金はいつもらえるのか?」など、まずアナタが最初に感じるだろう疑問に答えていきますね。
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「補助金」の3つのポイント

まず、補助金と呼ばれるものに共通する3つのポイントをご説明します。

その1:補助金ごとに目的と仕組みが違う

【経済活性化を通じて国が元気になろう!】ということで、補助金は主に経済産業省が管轄しています。先にも説明しましたが、補助金は国の政策ごとに用意されるというもの。ですから目的ごとに補助金の仕組みも変わります。

その2:補助金には審査がある

毎年、何がしかの補助金が予算化されますが、この補助金は申請した人全員がもらえるわけではありません。「より国策にふさわしい事をやっている事業者に」というのが建前。ですから、申込後に審査があり、これに合格した(採択されると言います)事業者の方だけに給付されます。ここが要件を満たしていれば申請した人全員に給付される「助成金」と大きく違うところです。

その3:補助金は後払い

補助金は国からアナタのお店や会社に支給されるお金ですが、それは審査に通った内容が実際におこなわれているのを確認されてから支給(振込み)されます。つまり後払いなのですね。ですから、「補助金をもらってからあの機械を買います」とか「補助金がもらえたらそのお金でパソコンを買ってホームページを作る予定です」というのはできません。使ったお金が後から戻ってくるというイメージです。

国の立場から言えば「補助金をもらうために事業をするのではないですよね?アナタのお店や会社がもっと元気になるために本気で取り組もうとされているのでしょう?だったらまずご自分でその費用は払ってくださいね」ということです。

補助金をもらうための5つのステップ

補助金のことはわかったけれども、それじゃ実際はどういう順番で進めればいいの?また、誰に聞いて、誰に申請すればもらえるの?というアナタの疑問はもっともです。
一般的にはほとんど知られていない情報ですからね。

では簡単に、補助金を申請して実際に振り込まれるまでのおおまかな全体の流れを説明します。

その1:どんな補助金があるか?を、知る

経済産業省の管轄である各種補助金は、実は毎年の国会の予算によって決められる仕組みになっています。大きな災害が起きた年や、たとえばもっと国にとって重要な課題(事業承継や、少子化、高齢化対策が代表例ですね)のウェイトが高まれば、予算はそちらに使われるので、補助金の全体額や、さらに言えば内容自体も変わる可能性があります。

ですので、最初は「今年はどんな補助金があるのだろう?」というのを確認することから始まります。毎年予算が決まる2月から3月にかけてインターネットで補助金のことを調べたり、中小企業庁の案内情報などをチェックしていきましょう。

その2:申請する

アナタの事業にピッタリの補助金を見つけたら、申請するための用紙をダウンロードして、要項に従って内容を記入していきます。申請用紙は中小企業庁⇒補助金申請という検索で見つけることになります。また補助金の種類によっては、商工会や商工会議所がその窓口となっていますので、問い合わせをして担当員と相談して進めていきます。実際は多くの手続きがあるので、担当者以外にも専門家(中小企業診断士など)に相談して、内容を何度も確認して、補助を受ける予定の事業内容や事業計画について記入していきます。

その3:採択を確認する

申請の作業が終わり、無事申請書類を提出したら、おおよそ1~2ヶ月後に「結果発表」があります。大学の合格通知を見るときを思い出すような、ドキドキする一瞬です。そこでアナタのお店や会社の名前が掲載されていたら、無事採択されたことになります。

採択されたら、アナタは「交付される事業者」という認定を受けたことになり、ここで「交付申請書」という書類を提出することになります。採択結果は嬉しいけれども、補助金をもらうという意味ではまだ途半ばというところです。

その4:事業を開始する

「事業を開始する・・・って、もう事業は何年も前からやっていますよ」と思われるかもしれませんが、ここでいう「事業」は、今回補助金を貰うためにおこなう一連の活動のことをいいます。

たとえば、機械の購入や据え付け、ホームページの作成などです。この実施状況を途中でチェックを受けることになります。

「申請のときはこっちを買おうと思ってたけれども、直前になってやっぱりこっちの機械を買いました」はルール違反となって補助金がもらえないという可能性も出てきますので注意してください。

その5:補助金の交付

おめでとうございます!所定の書類を提出して(見積書や領収書などです)事業をきちんとおこなったと確認してもらえたら、ここでようやく補助金を受け取ることができ、晴れて指定された口座に補助金が振り込まれます。

人気の補助金「小規模事業者持続化補助金」

毎年多くの補助金が発表されます。内容も何億円にものぼるお金がもらえるものや、何千万もする機械の購入費用の一部を補助してもらえるもの、本格的なITシステムを組み上げる時に補助してもらえるものもあります。

ですが、ここでは、もっとも身近で、この数年で一番申請数も多く、そして採択率も高い人気の補助金をご紹介します。

それが「小規模事業者持続化補助金」です。

文字通り「街のお店」「商店街のお店」をイメージした小規模な事業者を対象とした補助金で、商品開発や販路拡大という、もっともポピュラーな悩みを解決する手段に使った経費について補助されるお金です。嬉しいのは小規模事業者には個人事業主も該当するということです。アナタのお店が会社でなくても申請できるのです。

たとえば
・新しい目玉商品の試作・サンプル品を作って展示会に出したい
・入口に新商品を告知する看板を据え付けたい
・販売促進用のセールのチラシを作って配布したい
・売上拡大のために新しいレジを買ってお客さん情報をしっかりと管理したい
・ホームページを作って会員さんにネット販売して売上を増やしたい
・店舗改善や販売強化について専門家(コンサルタント)の意見を聞きたい
などの、身近な要望に応えてくれるのがこの補助金です。

補助してもらえる金額は経費の2/3で、上限は50万円が基本ですが、一部特例で100万円まで枠が拡がる場合もあります。




年度区分申込者数採択数採択率
平成31年度商工会議所15,20213,09986.2%
令和元年度商工会(1次)9,3718,70992.9%
平成31年度商工会(2次)8,7098,13793.4%

小規模事業者持続化補助金 申請と採択一覧(中小企業庁資料より)

まとめ

いかがでしたか?補助金は、アナタのお店や会社が、本気でこれから「頑張ろう」という意気込みと、計画が対象です。
新型コロナウイルス感染症の流行で事業に影響が出ている方も少なくないと思いますが、あきらめずにこうした補助金を積極的に活用しましょう!

実は、補助金を申請することは、お金以外にもメリットがあります。それは「事業計画書」の作成です。補助金申請に必要なこの事業計画は、なかなか普段は作ることがありません。
ですが、事業計画書を作ることにより、アナタのお店や会社を一度振り返ったり、見直したりすることで、新しい気づきを得たり、ボンヤリしていたものが明確になることがよくあります。

お金をもらうための作業と、事業を冷静に振り返る作業が同時にできる。それが補助金にかかる作業の一番のメリットかもしれません。

※2020年3月10日、令和元年度補正予算による「小規模事業者持続化補助金」の公募要領が発表されました。詳しくは中小事業庁のホームページや、皆さんのお住まいにある主な商工会・商工会議所にお問い合わせください。

執筆者情報

橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)
大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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