売れるPOPの作り方(3)感覚に訴える「オノマトペ」
最終更新日:2023年12月01日
言葉自体は知らなくても、「オノマトペ」そのものを聞いたことがない人はおそらく一人もいないはずです。
フランス語で"Onomatopee"、つまり、擬音語、擬声語、擬態語のこと。たとえば・・・
オノマトペって何?
例を挙げてみましょう。
●とろ~り ●つやつや ●ツルツル ●ウルウル ●ぷよぷよ ●ぷるんぷるん ●ふわふわ ●キラキラ ●ぴかぴか ●シャキシャキ ●コトコト ●サクサク ●しっとり ●もっちり ●サラサラ ●キンキン ●モコモコ ●すくすく ●ガンガン ●ドキドキ
どうです?聞いたことも見たこともあるでしょう?そしてあなたの口からも、オノマトペはいつも発せられています。
それはオノマトペが、伝えたいことを一瞬で伝える力があるからです。
「何も食べていなくて、お腹がかなり空いていて、もう立っていられないほどだよ!」
というよりは
「もうお腹ペコペコでフラフラだよ!」
という方がより状況がリアルに伝わります。しかも一瞬で。
どうです?
そう言われると、「ピンっ」と来るでしょう?「なるほど・・・フムフム・・・」ですよね?はい。これもオノマトペです。
オノマトペの「伝える力」
実は日本語はオノマトペだらけです。
これだけ"伝える力"のあるコトバをPOPで使わない手はありません。特に食べ物、化粧品、ファッションなどの五感に訴える商品の広告にはピッタリのコトバと言えます。
注意して周りを見てみると、この分野ではオノマトペを使われる広告が想像以上に多く見られますし、食品などの場合、商品名にも使われることが少なくありません。
たとえば、下の3つの野菜や果物について表現するとしたら・・・
左から、
『シャキシャキ感が◎!!』
『太陽の下でスクスク育ちました!』
『つやつやで甘さトロ~リ』
ね?ピッタリのオノマトペはたくさんあります!
聴覚・視覚・触覚に訴えるオノマトペ
オノマトペを使うと、聞こえない音を聞くこともできます。どういうことかと言いますと、お腹はペコペコという音を出しませんし、身体はフラフラという音を出すわけではありません。でも、この音を聞いたかのように人はその「姿」や「イメージ」を想い浮かべることができますよね?
このオノマトペと、前回コラムの「無意識に訴える、3つのタイプのフレーズ」を掛け算で使うとより効果が大きくなります。
聴覚を好む人には、「シャキシャキ」「ドキドキ」「スクスク」「サクサク」なんていう、そんなオノマトペを。
視覚を好む人には「ふわふわ」「ぷるんぷるん」「とろとろ」が合うでしょう。
そして触覚を好む人には「さらさら」「つるつる」「スベスベ」などが良く使われます。
自分の好むコトバが目の前に出現したら・・・。その商品には自然と気持ちが傾いてしまいます。
カタカナ、ひらがな・・・オノマトペの様々な表現
さて、次の2つの写真を繋げるオノマトペを考えてみましょう。
『とれたてほやほやの私。今晩はグツグツのダシをぎゅ~~っとしみ込ませて、アナタの口でホロホロします!』
「ひらがな」の方が雰囲気が出る時もありますし、「カタカナ」の方がより伝わる時があります。それはフィーリングの問題ですので正解があるわけではありませんが、それが人にどんな印象を与えるのか、様々な例を見て研究するとよいかもしれません。
いかがでしたか?
あなたの商品も、オノマトペで表現してみてください。そして「気持ち」と「命」を吹き込んでみましょう。きっとお客様はその「音」や「声」を聞いて、見て、商品の前で振り返ってくれるはずです。
次回のテーマは「数字」です。
執筆者情報
橘高総合広告研究所 代表 橘高唯史(中小企業診断士・フリーライター)大手百貨店系通信販売カタログのディレクター業務に20年携わり、そこで培った「売れる理由」を体系化して2017年にコンサルタントとして独立。現在は公的機関の経営相談員やセミナー講師を務める一方、ライターとして執筆活動も行なっている。
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