喪中はがきはいつ出す?書き方・マナーや喪中の対象範囲

喪中はがきはいつ出す?書き方・マナーや喪中の対象範囲

近しい身内が亡くなると、その年は(翌年用の)年賀状は出さず、喪中はがきを送って年賀欠礼の旨を伝えます。ただ、あまり馴染みのないことですので、いざというとき「喪中はがきはいつ送る?」「喪中となる親族の範囲はどこまで?」「喪中はがきには何をどう書く?」など、疑問に思われることも多いのではないでしょうか。そこで、ここでは、喪中はがきの書き方やマナー、出す時期などについて解説します。
また、使いやすい文例や無料で使えるデザインテンプレート、印刷サービスもご紹介しますので、今すぐ喪中はがきが作りたい方は必見です。

喪中はがきとは?

一年以内に身内に不幸があった場合、喪に服するために新年の挨拶をご遠慮することを事前に知らせる年賀欠礼状が、喪中はがきです。つまり、「喪中であるため年賀状を送らない」ということを事前にお知らせすることが目的です。合わせて、年賀状の代わりに、日頃の感謝や相手の無事、今後も変わらぬおつきあいを願う言葉を綴る、というのが基本スタンスです。
なお、最近では家族葬など小規模な葬儀が増え、喪中はがきを送ることで亡くなったことを相手に報せる、というケースもあるようです。

喪中はがきとは

喪中はがきの書き方・マナー

喪中はがきは、歴史的にはまだ新しい風習で、はっきりと「これがルール」「これが正しい」と言い切れるものではありません。弔事に関することですから、宗教・宗派・地域などによって異なることはいくらでもありますし、極端な場合は各家庭でも異なることもあります。ここでは、大多数の方が違和感を覚えないという意味での一般的な風習を解説します。

喪中はがきは儀礼的な挨拶状ですので、書くべき内容や形式がほぼ決まっています。また、普通のはがきや手紙とは異なるいくつかの約束事があります。弔事であるが故のルールもあります。これらをふまえて書けば、どなたでもきちんとした喪中はがきが作成できます。

喪中はがきの構成と文例

まず、喪中はがきの構成についてみていきましょう。

  • @主文
    A故人の名前・続柄・亡くなった月・享年
    B結びの挨拶
    C差出月
    D差出人情報
  • @主文A故人の名前・続柄・亡くなった月・享年B結びの挨拶C差出月D差出人情報

@「喪中のため、年賀欠礼すること」を述べた主文
<例>
「喪中につき 新年のご挨拶は謹んでご遠慮申し上げます」
この文は定型文です。「年賀状は出しません」ということを表現した文章ですが、「賀」の文字は「祝う」という意味がありますから、弔事では使用せず、「新年のご挨拶」などと表現しています。

A亡くなった方の名前と続柄・亡くなった月・年齢(享年)を記載
<例>
「祖母 ○○が○月に○歳にて永眠致しました」
故人の続柄と名前を記載します。享年(亡くなった方の年齢)は数え年としますが、最近は数え年を使う機会が少なくなりましたので、満年齢を記載するケースも多くなってきています。 なお、亡くなったことを表す「逝去」という言葉は敬語になりますので、身内のことを書く喪中はがきでは用いません。「永眠致しました」「他界致しました」などと表現します。

B結びの挨拶−先方への感謝の言葉・先方の無事を祈る言葉・今後の付き合いをお願いする言葉の組み合わせ
<例>
「生前賜りましたご厚情に深く感謝致しますとともに明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
「本年中の御厚情に深く御礼申し上げますと共に皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます」
先方への感謝の言葉と今後のおつきあいをお願いする言葉、無事を祈る言葉を組み合わせるなど、いろいろなパターンがあります。喪中はがきの文例を参考にしていただければ幸いです。

C差し出しを行った月
「○○年○月」
基本は、はがきを差し出す日付(月)になります。一般的には「喪中はがきはいつまでに出すか」ということを考えると11月・12月となることが多いでしょう。

D差出人名
住所と氏名を記載します。喪中はがきの差出人は、連名でも個人でもどちらでもかまいません。

以上が一般的な喪中はがきの文面ですが、前述のように、喪中はがきが死亡通知がわりになるケースもありますから、形式にとらわれすぎず、故人を偲ぶ言葉、エピソードなどを書き添えてもよいでしょう。 ここで紹介した文面以外にも、様々なバリエーションがあります。詳しくは「喪中はがき文例集」「死亡通知はがき文例集」をご参照ください。

書き方についての約束事・注意点

その1.前文(拝啓・敬具・時候の挨拶など)は省略する 「弔事」に関わる手紙では、前文、つまり頭語(「拝啓」など)・結語(「敬具」など)や時候の挨拶は省略することになっています。

その2.句読点を入れない/行頭の1字下げを行わない 年賀状も同様ですが、儀礼的な挨拶状・招待状などでは、行頭の一時下げは行わず、句読点を入れません。

その3.近況報告など別件は書かない 年賀状では、年始の挨拶と合わせて結婚・出産・引越しなどの報告をすることがありますが、喪中はがきではNGです。特にお祝い事は避けましょう。これらの報告を行う場合は、別にはがきを出すようにします。

その4.華美なデザインのものは避ける/文字色は薄墨・黒色/フォントは楷書体・行書体・明朝体 弔事に関する挨拶状ですので、華美なデザインは避けたほうが無難でしょう。イラストは落ち着いた色を選び、色数も抑えます。文字色は薄墨色が一般的でしたが、読みやすさを考え、黒文字もよく使われます。文字の書体(フォント)は、格式のある楷書体・行書体や明朝体を用います。ただし、おしゃれな今風のデザインなら、ゴシック体などでもよいでしょう。

喪中はがきのデザイン

喪中はがきには絵柄が添えられていますが、一般的には、献花をイメージした花のイラストが多いようです。蓮、菊、桔梗、百合、胡蝶蘭など弔事に用いる花などを淡く優しい色合いで描いたイラストが代表的です。仏花のほか、故人の好きだった花なども選ばれます。また、花言葉により故人をイメージさせる花を選ぶ方もみえるようです。たとえば、菊は「高潔・高貴・高尚」、桔梗は「誠実・清楚・従順」、百合は「純粋・無垢・威厳」という具合です。
なお、最近では、樹木や鳥、空などをモチーフにしたおしゃれなもの故人の趣味にちなんだものなど多様なデザインが登場しています。 実際にどんなデザインがあるのか、描かれたモチーフはどのような意味を持つのか、などについては「喪中はがきデザインの意味と選び方」で解説していますので、デザイン選びに迷われた場合はぜひ参考になさってください。また、『年賀状プリント決定版』でも多様な喪中はがきテンプレート(無料)を100点以上ご用意しています。

 

喪中はがきを出す時期

喪中はがきは年賀欠礼の挨拶であり、年内(年賀の挨拶を行う新年の前)に届けば問題ありません。
ただ、喪中はがきを受け取った方も年賀状を送らないという風習が確立していますので、先方が年賀状の準備にとりかかる前の、11月中旬から、遅くとも12月初旬には届くように出すのがマナーです。

年末に亡くなった場合はどうする?

年末に不幸があった場合は、喪中はがきを出しても、相手に届くのがお正月や年末ぎりぎりになってしまいます。それでも一応形式上喪中はがきを出すという考え方と、喪中はがきは出さずに、松の内(1月7日)が明けてから「寒中見舞い」を送るという考え方もあります。
寒中見舞いでは、年末に不幸があったため、新年の挨拶(年賀状)を失礼したことをお伝えします。文面については「寒中見舞い文例集」をご参照ください。

自分は喪中になるの?−喪中はがきを出す場合の親族の範囲

故人との関わりの深さやご本人の気持ちによりますが、一般的には、二親等までの親族が亡くなった場合に出します。 最近は、一親等以内(両親・配偶者・子・配偶者の両親)と、二親等の兄弟姉妹までは、ほとんどの方が出すようですが、二親等の祖父母の場合は喪中はがきを出さない方が増えてきています。故人と同居していた場合は出す、そうでない場合は出さないという判断も多々見受けられます。 喪中はがきの判断を迷われた方は、年長者(この場合は父母)に相談するのがよいでしょう。 さらに、二親等で悩みがちなのは、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者などのいわゆる「姻族」です。同居しているかどうか、など関係の近さを考慮して判断すればよいと思いますが、迷われた場合は年長者(この場合は配偶者の父母)に相談しましょう。 また、東日本震災の翌年から登場した「年始状」を利用される方も増えてきました。「喪中はがき」は大げさなように思うが、年賀状を送るのはやはり気が引ける、という方が、慶賀の言葉を入れない「年始状」を送るという選択肢もあります。

続柄一覧

続柄一覧
  • ※@Aなどは本人からみた親等
  • ※黄色背景:喪中はがきを出す
  • ※赤色点線:関係の近さにより出す場合あり

続柄の書き方と喪中(はがきを出すかどうか)の対象範囲

親等続柄書き方対象とするか
- 配偶者 夫、妻
一親等 両親・配偶者の両親、子 父、母、義父、義母、岳父*1、丈母*2
息子(長男、次男…)、娘(長女、次女…)
二親等 祖父母・配偶者の祖父母、兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、孫 祖父、祖母
兄(長兄、次兄…)、姉(長姉、次姉…)、弟(長弟、次弟…)、妹(長妹、次妹…)、義兄、義姉、義弟、義妹
孫(孫息子、孫娘)

(実の兄弟姉妹は出す人が多い)
三親等以下 おじ・おば・いとこ等 <両親の兄姉>伯父、伯母
<両親の弟妹>叔母、叔父
<いとこ>従兄、従姉、従弟、従妹
×
(ほとんど出さない)

*1…妻の父親 *2…妻の母親

喪中はがきの印刷−専用はがき・切手や印刷方法

喪中はがきを出す場合、絵柄入りの私製はがきを購入して文面を印刷、あるいは手書きする方法もありますが、ネット上で提供されている喪中はがき用デザインテンプレートを使用して自作することもできます。また、喪中用のはがきに印刷して届けてくれる印刷サービスも、スマホやパソコンで注文でき、作成の手間がかからないことから、年々利用者が増加しています。

コストを抑えたいなら自宅のプリンタで印刷

お手元のプリンタで印刷する場合は、お好きな背景デザインを選び、文面の編集・印刷ができる「喪中はがきテンプレート」が便利です。『年賀状プリント決定版』でも多数のテンプレートを提供しており、Webアプリを使ってパソコンやスマホ・タブレットで編集ができます。宛名印刷もできます(PCのみ対応)。いずれも無料で利用できますから、官製はがきか私製はがき+切手さえ用意すれば、即時に&ローコストで作成できます。 なお、編集したデザインや宛名面はPDF形式で保存されますから、コンビニなどでも印刷できますよ。

コストを抑えたいなら自宅のプリンタで印刷

手間をかけたくないならネットで印刷注文

準備している時間がない、自宅にプリンタがない、プリンタはあるがインクが切れている…という場合は、印刷サービスを利用するのが便利です。
各社が喪中はがきの印刷注文を受け付けていますが、『年賀状プリント決定版』提供のテンプレートも、Webアプリで編集したデータをそのまま印刷注文することができます。注文に出すと届くまでに時間がかかりそうですが、通常注文した翌日には出荷されますから、タイムラグもほとんどありません。

郵便局の喪中用はがきは「胡蝶蘭」、切手なら「弔事用63円普通切手花文様」

通常はがき(官製はがき)は、料額印面が胡蝶蘭柄のものが喪中はがき用として定番化しているようです。インクジェット用はがきもあります。図柄が印刷済の市販はがき(私製はがき)に切手を貼って投函する場合は、「弔事用63円普通切手花文様」が定番です。

こんな場合はどうする?喪中はがきに関するQ&A

喪中はがきについてよくある疑問やマナーをQ&A形式でまとめました。

  • Q故人が生前年賀状をやりとりしていた知人に、喪中はがきを出したほうがよいですか?

    A

    一般論としては 喪中はがきは、年賀欠礼状ですので、あなたが年賀状をやり取りしていなかったのであれば不要でしょう。そのような場合は、死亡通知はがき(死亡通知状)を出してお知らせします。

    実際の世間の慣習では そのような場合は、死亡通知はがきを改めて送らずに、喪中はがきを送る方もみえます。その際には、文例の結びの挨拶を工夫されると自然な喪中はがきになります。また、不祝儀などを辞退する場合は、その旨も記載しておくといいかと思います。
    <例>
    「生前父が賜りましたご厚情に深く感謝致しますとともに皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます なお 誠に勝手ながら お心遣いは辞退させていただきますので 何とぞご了承のほどお願い申し上げます」

  • Q横書きで書いてもいいでしょうか?

    A

    一般論としては 儀礼的な挨拶状ですので、本来は縦書きのほうがいいでしょう。

    実際の世間の慣習では 最近では、あえて喪中はがきらしさを消したモダンなデザインなども使われており、横書きのものも散見されます。喪中はがきは、歴史的にはまだ新しい風習ですので、これからいろいろ変わってくるのかもしれません。また、クリスチャンの方も横書きを利用されることが多いようです。

    喪中はがき横書き
  • Q差出人を夫婦連名とした場合、故人の続柄は誰を基準にすればよいでしょうか?

    A

    一般論としては 家父長制の意識が強かった時代は、夫側を基準とした続柄を記載することが一般的でした。

    実際の世間の慣習では 配偶者の両親や兄弟は「義父、義母、義兄、義妹」などと呼びますが、連名の場合は、故人が夫・妻いずれの親族であったとしても「父、母、兄、妹」とすればよいでしょう。

  • Q喪中はがきを出そうとしたら、相手方からも喪中はがきが届きました。どうしたらいいでしょうか?

    A

    一般論としては 喪中はがきは、年賀欠礼状ですので、相手の状況に関係なく出します。

    実際の世間の慣習では すでに喪中はがきを準備している場合は出しますが、まだ準備していないようならば出さなくても構わないようです。

  • Q仕事関係先へも喪中はがきは出すべきでしょうか?

    A

    一般論としては 年賀欠礼の挨拶状ですから、毎年年賀状を交換している方に出します。

    実際の世間の慣習では 公私を分けて考え、特に姻族の喪中の場合は、仕事関係先へは例年通り年賀状を出す方が多いようです。
    また、故人とまったく面識のない友人などにも、例年通り年賀状を出す方も増えてきています。
    全般的な流れとしては、故人との関係が深い方には出しますが、故人と面識がない、または故人の存在を知らない方には出さない方向に徐々に変わってきているようです。

  • Q喪中なのに年賀状が届いた場合は、どうすればよいでしょうか?

    A

    喪中はがきを送っていない相手から年賀状が送られた場合などは、松の内(1月7日)が明けてから「寒中見舞い」を送ります。 また、喪中はがきを送っていない故人の知人・友人などから故人宛へ送られてくることもあります。そのような場合も、寒中見舞いで当人が亡くなったことをお知らせします。その場合の文面は「寒中見舞い文例集」で紹介されています。

    寒中-雪の中のふくら雀
 
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